牛乳の栄養を徹底解説~メリット・デメリットまで詳しくお伝えします~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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学校給食やスーパーでお馴染みの牛乳。
カルシウムが多く含まれるイメージがあり子供から大人にまで親しまれる食品ではないでしょうか?
そこで今回は、何気なくあなたも飲んでいる牛乳の栄養や効能についてわかりやすく解説していきます。
また、子どもから大人まで楽しめるレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
牛乳の栄養と効能
牛乳は各種の栄養素がバランス良く含まれるため「準完全栄養食品」と言われています。その中でも代表的な栄養素はたんぱく質、ビタミンB群、カルシウムで、効能は以下の通りです。
牛乳1杯でたんぱく質を手軽に摂取
牛乳はコップ1杯(200ml)で7.2gのたんぱく質を含み、これは完全栄養食品と呼ばれる卵1個分(50g)よりも多いです。
たんぱく質は、筋肉や臓器のなど体を構成する主要な成分であり、ホルモンや免疫物質の材料にもなるなど様々な機能を担っています。
つまりたんぱく質は、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素なのです。
参考までに、牛乳に含まれるたんぱく質の中でも一番多く含まれているカゼインは、免疫系の調節に関わっています。
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ビタミンB群が豊富
牛乳には様々なビタミンが含まれますが、特に多く含まれるのはビタミンB2とビタミンB12です。
ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つ役割を持つため、不足すると口内炎や角膜炎などを起こす恐れがあります。
また、ビタミンB12は赤血球の合成に関与しているため、不足すると造血作用がうまく働かなくなり貧血になる可能性があります。
ちなみに牛乳コップ1杯のビタミンB2、B12量は、成人女性が1日に摂りたい量の1/4です。
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牛乳の代表的な栄養素と言えばカルシウム
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分ですので、不足状態が長く続くと骨粗しょう症が起こりやすくなります。
さらに、神経興奮の抑制や筋肉の収縮などにも関与している栄養素です。
参考までに牛乳をコップ1杯飲むと、成人女性が1日に摂りたいカルシウム量の1/3を補えます。
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低脂肪牛乳の栄養
低脂肪牛乳は、牛から搾ったそのままの乳(生乳)に、脱脂乳などを加えて乳脂肪分を少なくした加工乳です。
そのため、低脂肪牛乳は牛乳に比べて脂質が少ないことは想像できます。今回はその他の栄養素についても、比較してみました。
牛乳 | 低脂肪牛乳 | |
カロリー | 61kcal | 42kcal |
たんぱく質 | 3.3g | 3.3g |
脂質 | 3.8g | 1.0g |
ビタミンB2 | 0.15mg | 0.18mg |
ビタミンB12 | 0.3μg | 0.4μg |
カルシウム | 110mg | 130mg |
*100gあたり
上の表から、低脂肪牛乳は牛乳よりカロリーが低く、たんぱく質やカルシウムが多く含まれていると分かりますね。
よって、低脂肪牛乳はカロリーや脂質の摂取量を抑えつつ、たんぱく質やカルシウムを取りたい方にオススメです。
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牛乳を温めると栄養は変わるの?
結論から申し上げますと、牛乳を温めても栄養はほとんど変化しません。
ただし、牛乳を温めた際に表面にできる薄い膜を取り除いてしまうと栄養が減ってしまいます。
なぜならこの膜は、牛乳の中の脂肪とたんぱく質が濃縮されて、固まったものだからです。ちなみに、牛乳を良くかき混ぜながら温めると膜ができにくいですよ。
牛乳を飲むメリットとデメリット
牛乳はカルシウムの供給源として重要な役割を果たします。
なぜなら、牛乳や乳製品はカルシウムが豊富で吸収率も良く、何より手軽に取り入れやすいからです。
カルシウムは意識して摂らないと不足しやすい栄養素ですので、積極的に牛乳を飲むのは良いことです。しかし、牛乳を飲み過ぎると太る可能性はあります。
例えば牛乳を1日に1リットル飲むと、それだけで600kcal以上摂取することになり、種類によってはラーメン1人前より高カロリーです。
したがって、牛乳がカルシウムの供給源として重要とはいえ、他の食事とのバランスも考え1日に200mlなど目安を決めて飲むと良いでしょう。
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牛乳を毎日飲むと体に良いのか
牛乳を毎日飲むことは、私たちが不足しがちなカルシウムを補う点で良いです。ただし先ほどお伝えしたように、飲み過ぎは肥満の原因になるので注意しましょう。
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栄養がない、栄養が吸収できないって本当?
「牛乳に栄養がない」と言われるのは、牛乳の代表的な栄養素であるカルシウムの含有量を100g換算すると、牛乳より多く含む食品がたくさんあるからです。
ただし1回量に換算すると、牛乳は他の食品よりもカルシウム含有量が多いですので、栄養がないとは言えません。さらに牛乳のカルシウムは私たちの体において吸収率が高いです。
また「牛乳の栄養が吸収できない」と噂されるのは、「乳糖不耐症」の方が多いからだと予想されますが、栄養が吸収できないとは限りません。
なお乳糖不耐症の方は、牛乳に含まれる乳糖を消化する酵素が少ないために、牛乳を飲むと下痢をします。ただ一度に大量に飲まないようにしたり、牛乳を温めて少しずつ飲めば大丈夫なケースも見受けられます。
万が一どうしても体に合わない場合は、無理して飲まない、もしくは乳糖を分解した牛乳も市販されていますのでお試しください。
大人が牛乳を飲むメリットとは
大人が牛乳を飲むと「骨粗しょう症の予防」や「生活習慣病の予防」が期待できます。
牛乳に多く含まれるカルシウムは、大人よりも子供が摂るべき栄養素だと思われがちですが、じつは大人にこそ必要なのです。
骨量は20歳頃にピークとなりその後は徐々に減少するので、骨粗しょう症予防のためには骨の主成分であるカルシウムの摂取が必要です。
またカルシウムの摂取量が少ないと、高血圧や脳卒中の発症が増加するとの報告もあります。つまり、カルシウムが豊富で吸収率も良く、手軽に取り入れやすい牛乳の摂取は大人にもおすすめです。
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効能を活かした牛乳レシピをご紹介
牛乳の代表的な栄養素「カルシウム」は「ビタミンD」と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
そこで今回は、ビタミンDが豊富な鮭ときのこを使ったミルク煮をご紹介します。
ご飯にかけてチーズをのせて焼けばドリアに、にんにくを加えてパスタに和えればクリームパスタにとアレンジしやすいですよ。
【鮭ときのこのミルク煮】
・牛乳 200ml
・生鮭 2切れ
・玉ねぎ 1/2個
・しめじ 1/2株
・オレガノ 1枚(なくても可)
・小麦粉 大さじ1
・コンソメ顆粒 小さじ1
・バター 10g
・塩 少々
・胡椒 少々
【作り方】
①鮭は骨を取り食べやすい大きさにり、玉ねぎは薄切り、しめじは石づきを取って小房にわける
②フライパンでバターを溶かし、鮭を両面焼き、端に寄せておく
③②のフライパンで玉ねぎとしめじを炒め、しんなりしたら小麦粉を加えて全体を混ぜる
④③に牛乳とオレガノ、コンソメ顆粒を入れてとろみがつくまで煮込み、塩胡椒で味をととのえたら完成
まとめ
以上、牛乳の栄養と効能について解説しました。
牛乳はたんぱく質やビタミンB2、B12、カルシウムが豊富で、温めても栄養はほとんど変化しないことが分かりましたね。
また牛乳は、私たちに不足しやすい栄養素であるカルシウムの供給源として重要な役割を果たしています。
さらに大人が牛乳を飲むと「骨粗しょう症の予防」や「生活習慣病の予防」が期待できるため積極的に摂りたい食品です。
しかし飲み過ぎは肥満の原因になるので、他の食事とのバランスも考え1日に200mlなど目安を決めて飲むと良いでしょう。
ご紹介しました、ミルク煮のレシピもぜひお試しください。
それでは当記事が参考となり、日々の生活に牛乳を取り入れていただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
独立行政法人 農畜産業振興機構 まだまだあるぞ!牛乳の力
一般社団法人 日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
公益財団法人 骨粗鬆症財団 牛乳を飲んでも大丈夫?
一般社団法人 Jミルク 牛乳の栄養成分 牛乳に備わる健康機能 牛乳が分かるQ&A