メロンの栄養と効能~美容効果や妊娠中に摂るとよい成分も解説します~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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メロンといえば、みずみずしい果肉と芳醇な甘い香りが特徴ですね。
昔は特別な時にしか食べられない高級フルーツの定番でしたが、最近では品種改良も進み、手ごろな値段で購入できるようになりました。
緑肉メロンから鮮やかな赤肉メロン、表面が網目状のネット系から網目のないノーネットなど、一言にメロンといっても種類は様々です。
そんなメロンには美容や健康によい栄養素が含まれます。そことで今回は、メロンに含まれる栄養とその効果について解説します。
1日に食べる量や妊婦さんが摂るとよい栄養成分もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
メロンの栄養成分と効能効果
メロンには、ビタミンCやカリウム、たんぱく質分解酵素といった栄養成分が含まれています。では、それぞれどのような働きをするのか詳しくみていきましょう。
美肌に効果的なビタミンC
酸味が特徴であるビタミンCは、美肌を目指す上で欠かせない栄養成分です。
プルンとしたハリのある美しい肌を維持するには、コラーゲンというたんぱく質が欠かせません。ビタミンCは、そのコラーゲンを作る際に必須の栄養素です。
また、シミがあると肌がくすんで見えてしまいますよね。ビタミンCは、シミの原因となるメラニンの生成を抑える効果があります。
さらに、抵抗力を高めることで風邪やストレスに強い体づくりにも役立ちますよ。おいしいメロンを食べて、美肌や健康効果まであるなんて一石二鳥ですね。
むくみを解消するカリウム
カリウムは、余分な塩分を体の外へ出す働きがあります。そのため私たちの体は、常に一定の塩分濃度に保たれているのです。
塩分を排出すると同時に水分も出ていくため、カリウムを摂取すると顔や足のむくみを解消できますよ。
さらに血圧を下げる効果もあり、高めの血圧が気になる方にもおすすめです。
そんなカリウムはメロンに多く含まれているので、普段の食事やおやつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
肉をやわらかくするたんぱく質分解酵素
メロンには、ククミシンというたんぱく質分解酵素が含まれます。
たんぱく質分解酵素とは、名前の通り肉や魚に含まれるたんぱく質を分解する働きを持った酵素のことです。
そのため、ククミシンも硬い肉を柔らかく焼き上げる際に役立ちます。
ちなみに、酵素は加熱すると効果が失われてしまいます。
ゆえに生のメロンをミキサーにかけた漬け汁に、硬くなりやすい肉を漬けてから焼くと柔らかくジューシーなお肉に仕上がるでしょう。
赤肉メロンと緑肉メロンの栄養成分の違い
身がオレンジ色をした赤肉メロンと、緑色をした緑肉メロン、この2つのメロンはある栄養成分に大きな違いがあります。それは、抗酸化物質であるβ‐カロテンです。
私たちの体には活性酸素という物質が存在し、増えすぎると酸化により体のいたるところにダメージを与えます。抗酸化物質は自らが酸化されることで、私たちの体を酸化によるダメージから守る働きがあります。
その点で赤肉メロンは、緑肉メロンに比べてβ‐カロテンを豊富に含んでいるので、老化や動脈硬化の予防効果が期待できるでしょう。
メロンはダイエットにむいているのか
メロンは水分を多く含んでいるためカロリーが低く、ダイエット中の方にもオススメの食材です。
一方で、糖度が高いことから糖質が気になる方もいらっしゃいますよね。
そこで、気になるメロンのカロリーや糖質を100gあたり、1玉あたり、1/4玉あたりでみていきましょう。
メロンのカロリーと糖質
緑肉種メロン100gあたりのカロリーは45kcal、糖質は9.2gです。果物の定番であるりんごやバナナと比べると、カロリーや糖質が少ないとわかります。
個体差はありますがメロン1玉(可食部504g)あたりでみると、カロリーは212kcal、糖質46.4gです。
1回で1玉を食べきる機会はなかなかないと思いますので、実際に食べる量として1/4玉についても見てみましょう。
メロン1/4個分(約126g)のカロリーは53kcal、糖質は11.6gです。
ダイエット中のおやつのカロリーは、80~100kcalまでが望ましいといわれていますので、メロンは安心して食べられるでしょう。
また、糖質については巷でよく聞く「ロカボ」の観点でみても、メロン1/4個というのは適切な量といえます。
なおロカボとは、極端に糖質を制限するのではなく、無理ない範囲で適正な糖質制限を行うというものです。
その中で、糖質量を「1食20-40g、デザートは10g以下、1日70-130g」に抑えることを推奨しています。デザートとしてメロンを取り入れるなら、1/4個よりほんの少し量を減らして食べるとよいでしょう。
参考記事:ダイエット中におやつはOK?〜選び方・おすすめレシピ・ランキングを一挙公開~
参考記事:流行りのロカボとは?糖質制限との違い・効果・食品まで幅広く紹介
参考記事:メロンのカロリーと糖質は低め〜種類別や栄養も分かりやすく紹介〜
食べすぎると下痢になるって本当?
よく冷えたメロンは、おいしくてつい食べすぎてしまうこともありますよね。ただ、メロンを食べすぎると下痢になってしまうかもしれません。
メロンには水分が多く含まれており、冷やしたメロンを一度にたくさん食べることで腸の粘膜が刺激され、消化不良により下痢を引き起こす可能性があります。
また、メロンを食べて舌がピリピリしたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、メロンが成熟する過程で発生したエタノールなどの揮発成分が口の中を刺激することで起きる現象です。いずれにしても、メロンの食べすぎは体によくないといえるでしょう。
喉がかゆくなるのはアレルギーかも
メロンを食べて口の中に違和感を覚える原因は、メロンの揮発成分の他に食物アレルギーの可能性が考えられます。
メロンは口腔アレルギーというアレルギーで、近年症例が増えています。他にも桃やりんごといった食品が原因となり、なんと花粉症との関連も報告されているのです。
メロンを食べて口や喉がかゆくなったという方は、一度医療機関を受診することをおすすめいたします。
参考記事:花粉症に効く食べ物ってあるの?~お茶や果物についても解説~
1日に食べてもよい量
メロンの食べすぎを防ぐには、1日に食べてもよい量を把握するとよいでしょう。
そこで目安として参考になるのが「食事バランスガイド」です。
食事バランスガイドは、1日分の主食(ごはんやパン)、副菜(野菜やきのこ類)、主菜(肉や魚)、牛乳・乳製品、そして果物をSVという単位で管理することで、バランスのよい食生活を目指せるという指標です。
果物は1SV100gで、1日2SVが望ましいとされています。よって、メロンを1日に食べてもよい量は200gといえるでしょう。ちなみにメロン200gをわかりやすく示すと、メロン1/2玉が252gのため、1/2個を目安にすると感覚がつかみやすいですね。
ただし、メロンの他にも様々な果物を組み合わせると、メロンに不足している栄養素を補うことができます。そのため実際に食べる量としては、栄養バランスを考慮して1/2個よりも少ない方がよいでしょう。
メロンは妊娠中にもおすすめ
妊娠中はホルモンの変化により体の水分量が増加し、むくみが出やすくなります。先ほどもご紹介したとおり、メロンに含まれるカリウムは体内の水分を外に出す働きがあるのでむくみを解消してくれます。
そこでカリウムを豊富に含むメロンは、妊娠中のむくみ対策にぴったりの果物ですよ。
まとめ
以上、メロンには美肌を保つのに役立つビタミンCやむくみに効果的なカリウムなど、美容と健康に役立つ栄養素が含まれています。
さらに赤肉メロンには抗酸化作用の強いβ‐カロテンが含まれているので、老化や動脈硬化の予防効果が期待できますよ。
メロンは水分が多くカロリーは低めなので、ダイエット中の方におすすめの果物です。ただし冷たいメロンを食べすぎると下痢の原因となるため、食べすぎには注意が必要です。そこで1日に食べる量は1/4個(126g)を目安にするとよいでしょう。
また、メロンを食べると喉がかゆくなるという方は、食物アレルギーの可能性があります。その場合には、医療機関を受診することをオススメします。
それでは、当記事を参考にして、メロンを食後のデザートやおやつとして取り入れてみてください。
なお弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
厚生労働省 e-ヘルスネット
J-Stage 果汁に含まれるタンパク質分解酵素の作用を SDS-PAGE により確認する
農林水産省 メロンを食べたら苦味を感じたが、どうしてですか。
独立行政法人 環境再生保全機構 よくわかる 食物アレルギー 対応ガイドブック2021