ケールの栄養は天然のサプリメント~生や加熱での効果の違いも解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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ケールと聞いてピンとこない方も、青汁と聞けばいかがでしょうか?
そう、あの青汁の成分として有名なケール。
生活習慣病を予防する働きのある栄養素も豊富に含まれます。
何となく体によさそう、と感じられている理由を、ケールの栄養素から紐解いていきます。ケールを使った美味しいレシピも紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ケールの栄養成分と効能効果
ケールには、美肌や健康に役立つ栄養素がたっぷり含まれています。
それぞれの栄養素と働きについて、解説していきます。
美肌に役立つビタミンC
ケールに含まれるビタミンCは、同じアブラナ科のブロッコリーと比較して約1.6倍。
美肌=ビタミンCはすでにあなたも周知のことでしょう。コラーゲン合成に関与するビタミンCは、乾燥する季節には欠かせません。
そして、ビタミンCの1日の摂取目標量は100mgです。ケールは1枚(約100g)で、目標量の3/4が摂れる優れモノです。
血圧に関与するカリウム
カリウムは、血圧上昇を抑える働きがあり、日ごろから摂取をすることで高血圧予防に有効とされているミネラルです。
カリウムは体内の水分バランスを保つ働きがあるため、むくみを感じやすい人は不足している可能性も。
なお、塩辛い物が好きでラーメンは汁まで飲んでしまう、という方は塩分を控えるのと合わせて、カリウムが含まれる食品の同時摂取もおすすめです。なぜなら、カリウムは体の余分な塩分を排泄する働きがあるからです。
ケールにはカリウムが豊富に含まれるので、日々の食事に取り入れると高血圧やむくみ予防になるといえます。
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体内に含まれる最も多いミネラル
実は体内に最も多く含まれるミネラルは、カルシウムです。そしてカルシウムの99%が骨と歯に存在するほど、骨や歯に重要な栄養素です。
骨はカルシウムの貯蔵庫とも呼ばれ、体内のカルシウム量のバランスを取っています。カルシウムは不足すると骨粗しょう症などの原因になるので注意が必要です。
とくに日本人は、カルシウム摂取が不足傾向なので積極的に摂りたいですね。
なお、厚生労働省の食事摂取基準によると、30~74歳の男性はカルシウムの推奨量が750mgとされています。しかし令和元年の国民健康栄養調査によると、平均摂取量は505mgと下回っています。
ケール1枚(約100g)にはカルシウムが220mg含まれているので、不足分の大半を補うことができるでしょう。
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生活習慣病予防に欠かせない食物繊維
食物繊維は摂取量と生活習慣病(※)に関する研究が広く検証されているほど、関連性が強いと考えられている栄養素です。
(※)糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化などのこと
実は食物繊維の摂取量が多いと、生活習慣病の発症率が抑えられるのです。
また食物繊維には水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性があります。ケールに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維が多く、便通をよくするのに有効です。
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抗酸化作用をもつ「βカロテン」「ルテイン」「ポリフェノール」
ケールには抗酸化力を発揮する、βカロテン、ルテインやポリフェノールが含まれます。抗酸化成分は、体内の中でのさびとなり肌の老化にかかわる活性酸素に対抗する役割を持ちます。
活性酸素は増えすぎると生活習慣病などにも影響するといわれている物質です。
その他、抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eを総称してビタミンACE(エース)と呼びますが、この抗酸化ビタミンすべてを含むのもケールの魅力ポイント。
またルテインは抗酸化力以外に暗闇での視力を高め、ブルーライトなどの光刺激から網膜を保護するなど、目の調子を整えることが報告されています。
PC、スマホ利用により、ほとんどの人が日常で目を酷使し続けている今、注目の成分です。
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ケールは生で食べると危険って本当?
ケールは生で食べても問題ありません。少し葉がごわついていますが、そのままミキサーでドリンクにすると摂取しやすいです。
ケールを食べることでデメリットや副作用はあるのか
ケールは通常の食事に含まれる摂取量であれば安全、といわれています。しかし、授乳中や妊娠中の人は、安全を確保するだけの情報が少ないため、多量摂取を控えるようにしましょう。
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ケールは冷凍保存できる食材か
自家製青汁などでジュースにする場合は、栄養素をぎゅっと閉じ込められる冷凍もおすすめです。ケールは冷凍したほうが抗酸化成分が増加する可能性もあるといわれるほど。
冷凍したケールはそのままお好きな食材と共にミキサーにかければ、オリジナルスムージーのできあがりです。
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ケールは加熱すると栄養はどうなるの?
ケールを加熱すると、ビタミンCなどの熱に弱いビタミン類は損失してしまいます。さっと軽く湯通しする程度にとどめましょう。なお、湯通しすることで苦味が多少緩和されますので、より食べやすくなります。
また、スープなど汁ごと食べられる調理法にすると、水溶性のビタミンCを余すことなく摂れるのでオススメです。
ちなみに調理法の違いによるビタミンC量を比較した研究では、生に次いで、さっとゆで、冷凍、加熱、冷凍+加熱の順で徐々にビタミンC量が減っていきます。
ビタミンC量を逃さず摂るなら、さっとゆでた状態か、冷凍を活用すると良いでしょう。
ケールを使った美味しいレシピ
栄養価を余すことなく摂るなら、断然サラダがよいでしょう。
またケールに含まれるβカロテンは、油とともに摂取することで吸収が高まりますので、亜麻仁油やえごま油などを一緒にかけると効果がアップします。
しかし、苦味が際立っているのも事実です。そこで苦味を抑え、栄養価の損失も最小限に抑える場合には、軽く塩ゆでがおすすめです。
それでは、ケールの栄養をなるべく損なわずおいしく食べられるレシピをご紹介します。
【生ハムアボカド巻き】
・ケール 2枚
・生ハム 6枚
・アボカド 1個
【作り方】
①沸騰したお湯にケールの葉を数十秒入れ、軽く柔らかくなったら取り出し、3cm幅に切り水気を切る(茎の部分は少し細目にカットすると食べやすい)
②生ハムでケールとアボカドを巻いたらできあがり
※お好みでクリームチーズなどと一緒に巻くのもオススメ
【ポイント】
塩味の強い生ハムと良質の脂質を含むアボカドが、ケールのクセをまろやかに食べやすくします
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【鶏肉とレンコンきのこの塩麹(こうじ)和え】
・ケール 4枚
・鶏ささみ 150g
・れんこん 1/2個
・エリンギ 1本
・パプリカ 1個
・えのき 1/2束
・バター 10g
・塩麹 15g
・塩・こしょう 少々
【作り方】
①沸騰したお湯にケールの葉を数十秒入れ、軽く柔らかくなったら取り出し、3cm幅に切り、水気を切っておく
②鶏ささみを、塩麹に漬け、しばらく置いておく
③れんこんは薄切り、パプリカ・エリンギ・えのきは一口大にカットする
④鍋にバターを入れ②・③を順に、火が通るまで炒める
⑤塩こしょうで味をととのえたら火を止め、①を和えてできあがり
【ポイント】
ケールを最後に和えることで栄養価の損失を最小限に抑え、損失しやすいビタミンCは含有量の多いパプリカでカバーします
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まとめ
以上、ケールは生活習慣病などに効果的な栄養成分を多く含んでいる、とわかりました。
とくに塩分の多い食生活を送っている方や、目の疲れやすい現代人にオススメです。ケール入りの青汁が多く世に出回っているのも納得ですね。
当記事を参考に、ぜひケールを食事の一品として取り入れてみてください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 食事摂取基準2020 令和元年国民健康・栄養調査報告
消費者庁 機能性表示食品について
厚生労働省 e-ヘルスネット
Elzbieta Sikora et al.The antioxidant activity of selected cruciferous vegetables subjected to aquathermal processing:Food Chemistry.2008;107:55-59。