シンクヘルスユーザーインタビュー⑤妊娠中に発覚した糖尿病~境界型糖尿病をアプリでサポート~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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妊娠中は健診のたび、赤ちゃんに異常がないかドキドキするものです。
また妊婦健診では赤ちゃんだけでなく、妊婦さん自身の健康状態もチェックします。
そんな妊婦健診で突然妊娠糖尿病であることを告げられると、驚きと不安でいっぱいになりますよね。
今回は妊娠中に妊娠糖尿病となり、出産後は境界型糖尿病と診断された蒼蒼さんにお話をうかがいました。ぜひ最後までご覧ください。
目次
蒼蒼さんのプロフィール
蒼蒼さん
(30代・女性 シンクヘルス利用中)
第二子妊娠中に妊娠糖尿病と診断される。出産後に境界型糖尿病と言われたものの、忙しい日々の中で食事や運動による血糖管理は難しく、一旦中断。最近体の不調を感じ、血糖管理を始めた。
きっかけは妊婦健診
現在2人の子をもつ母である蒼蒼さんは、2人目のお子さんを妊娠中に妊娠糖尿病と診断を受けます。
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病とは、糖尿病を発症していない女性が妊娠中に糖代謝異常を起こすことです。糖代謝異常とは、血糖値の調整が上手くいかなくなった状態のことです。
妊娠糖尿病では、糖尿病と診断されるほど高くはないものの血糖値が高めとなります。
なお妊娠糖尿病になっても、出産後は血糖値が正常になることが多いです。しかし、妊娠糖尿病になった方はそうでない方と比べて、将来糖尿病になりやすいといわれています。
そのため出産後に血糖値が正常になっていたとしても、定期的に検査を受けることが大切なのです。
参考記事:【医師監修】妊娠糖尿病とは〜原因・治療・食事までシンプルに解説〜
食事療法で血糖管理
妊娠糖尿病と診断された蒼蒼さんは、食事療法によって血糖管理を行います。
具体的には、
・食事の回数を1日5回にする
といった方法を実践されたそうです。
食事療法では、適切なカロリー・糖質量の中でバランスよく食べることが基本です。
昔運動をしていたころの習慣で満腹になるまで食べることの多かった蒼蒼さん。腹8分目の食事を意識することで、自然と適切なカロリー・糖質量に近付いたと考えられます。
さらに食事の回数を1日3回から5回にすることで、血糖値の急上昇を防ぎました。これは分食と呼ばれる食事療法の1つで、1日3回の食事では食後の血糖値が高くなりすぎる場合に有効です。
出産後は境界型糖尿病に
妊娠糖尿病の方は、出産後6~12週間後に75gブドウ糖負荷試験(※)を受け、血糖値を測定します。
(※)75gのブドウ糖が入ったサイダーのようなものを飲み、30分後、1時間後、2時間後に採血を行い、血糖値を測定する検査
検査の結果、蒼蒼さんは糖尿病ではないものの、「境界型糖尿病だ」と告げられたのです。
境界型糖尿病とは
境界型糖尿病とは、いわゆる糖尿病予備群のことです。
糖尿病の検査を行うと血糖値によって、正常型・境界型・糖尿病型の3つにわけられます。
・境界型:血糖値が糖尿病ではないものの高い状態
・糖尿病型:血糖値が基準値を超え糖尿病となった状態
境界型糖尿病はまだ糖尿病ではありませんが、糖尿病になるリスクが非常に高い状態なのです。
参考記事:糖尿病予備群を正しく知ろう 〜症状・血糖値の仕組み・予防をわかりやすく解説〜
忘れたころに感じた体の不調
忙しさの中で血糖管理のことは後回しになっていた蒼蒼さんですが、体調不良が続くことで血糖値が原因ではないかと感じます。
そこで再び、食事を中心とした血糖管理を始めるのです。
クリニックを受診
血糖管理を再開した蒼蒼さんは、境界型糖尿病の治療のために通うクリニックを決めます。
境界型糖尿病は自覚症状がなく、一般的な健康診断では引っかからないことも多いです。そのため自分で専門のクリニックを受診する必要があります。
定期的に医師の診察を受けることで、糖尿病への移行や合併症、動脈硬化の進行を防ぐのが目的です。
日々の記録はアプリで
定期的な医師の診察とともに大切なのが、日々の食事や血糖変動の記録です。
蒼蒼さんは血糖測定機器のデータを同期できるシンクヘルスアプリで、記録をおこなっています。シンクヘルスアプリは連携できる機器と同期することで、データ入力の手間を省きます。
仕事や育児など忙しい日々の中で血糖管理を続けるには、少しでも負担を減らす工夫が必要です。シンクヘルスアプリは、日々の食事や血糖変動を手入力や音声入力で記録できます。
課題は運動の習慣化
食事管理と同じく血糖管理に大切なのは、運動です。
というのも、食後の運動は血糖値の上昇を緩やかにし、運動を継続することで筋肉が増えるとインスリン抵抗性(※)の改善につながります。
(※)インスリンの効果が十分に発揮できない状態
蒼蒼さんも現在、運動を習慣化することを目標としています。
運動器具が身近にあるとよいのですが、なかなか難しいことも多いでしょう。そんなときは、家で動画を見ながら取り組める運動がオススメです。
シンクヘルスでも現在、自宅や会社で取り組める運動を動画で紹介しています。時間をかけるものや隙間時間で取り組めるものなど、くわしくはこちら
参考記事:【糖尿病の方必見】筋トレは血糖値の改善に有効〜オススメの筋トレを紹介〜
境界型糖尿病は糖尿病に進行しやすい
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本において糖尿病予備群(境界型糖尿病)は1000万人いると推測されています。
くり返しになりますが、境界型糖尿病は現時点で糖尿病にはなっていないものの、糖尿病になるリスクが非常に高い状態です。
境界型糖尿病のうちに食事や運動などの生活習慣を見直すことで、糖尿病への移行を防ぐチャンスといえるでしょう。
参考記事:【医師監修】隠れ糖尿病ってなに?~診断基準や気になる症状についても解説~
気になる方は検査を
境界型糖尿病は自覚症状がなく、一般的な健康診断ではわからないことがほとんどです。ところが糖尿病であっても自覚症状が出るころには、かなり進行しているというのが現実です。
とくに、蒼蒼さんのように妊娠糖尿病になった方や家族に糖尿病の方がいらっしゃる場合は、糖尿病になるリスクが高いと考えられます。
気になる方は、ぜひ糖尿病外来などで検査を受けることをおすすめいたします。
まとめ
妊娠糖尿病と診断され、出産後に境界型糖尿病となった蒼蒼さん。
育児や仕事で忙しい中、工夫しながら食事や血糖変動を管理し健康を保つため努力されています。境界型糖尿病は自覚症状がないため、受診に至らないことが多いです。
そのため、
・家族に糖尿病の方がいる
という方は、検査を受けるとよいかもしれません。
なお、日々の食事や血糖変動の記録は無料アプリ・シンクヘルスがサポートします。
シンクヘルスアプリは血糖測定機器と連携し、データを同期することができます。さらに、食事や運動、体重、血圧なども手入力や音声入力で記録できるので、1つのアプリで一括管理が可能です。日々の健康管理にぜひお役立てください。
参考文献
・厚生労働省 平成28年「国民健康・栄養調査」の結果
・国立国際医療センター糖尿病情報センター 糖尿病予備群といわれたら