脂質異常症だとカレーは食べられない?~カロリー&脂質控めレシピも紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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「脂質異常症になったらカレーは食べられないの?」
子どもから大人までみんなが大好きなカレーですが、脂質異常症の方にはカロリー・脂質ともに少し高めです。
食べるのが好きな方にとって、食事制限はとても辛いことですよね。ところが、ポイントを押さえれば脂質異常症の方でもカレーを食べられるのですよ。
そこで今回は、脂質異常症の方のカレーを食べる際の注意点について、かんたんに解説します。オススメのカロリー&脂質控えめなカレーレシピも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
脂質異常症の人はカレーを食べてもよいのか
結論からいいますと、脂質異常症の方にはカレーはあまりオススメできません。
なぜなら脂質異常症の治療の基本は、適正エネルギー量を守ることだからです。
参考までに、身長160cmの成人の適正エネルギー量は1690kcalなので、1食あたり約560kcalです。外食などのカレーは1食あたり764kcalあるので、全部食べるとカロリーオーバーになってしまいます。
また、カレーに使用するルーやお肉には飽和脂肪酸(※)が多く含まれます。飽和脂肪酸を摂りすぎると悪玉コレステロール値が高くなるので、脂質異常症が改善されません。
(※)肉の脂身や乳脂肪などのいわゆる動物性脂肪に多く含まれる脂肪酸
ただし量に気を付け、飽和脂肪酸の少ない材料を使用すれば、脂質異常症でもカレーは食べられます。
詳しいポイントは、のちほど解説しますね。
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カレーはコレステロールが多い?
カレー1食分のコレステロールは65mgと、やや多いです。なお、悪玉コレステロール値の高い方は重症化予防のために、1日あたりのコレステロール摂取量を200mg以内に抑えることが望ましいです。
1食あたりとってもよいコレステロール量は66mgまでなので、カレーはギリギリセーフといったところでしょう。
ちなみにコレステロールは卵や肉、魚介類、菓子類に多く含まれます。カレーのトッピングに卵を追加する場合は、とくに注意が必要です。
卵1個あたりのコレステロールは185mgと、かなり多いです。カレーにトッピングする際は卵の量を半分にし、他の2食はコレステロールの少ない食事を意識すると、1日の中でバランスがとれますよ。
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脂質異常症の人がカレーを食べる際のポイント
脂質異常症の方がカレーを食べる際のポイントは3つあります。
①脂質の少ない具材を選ぶ
脂質の多い食材はカロリーが高いです。そこで、脂質の少ない具材を選ぶとカロリーを抑えられます。
先ほどご紹介したカレーは、豚バラ肉を使用したもので764kcalでした。ところが豚バラ肉を鶏ひき肉に変更すると651kcalと、なんと100kcal以上抑えられるのです。
また脂質異常症を改善するには、飽和脂肪酸の少ない具材を選ぶことも大切です。豚バラ肉を鶏ひき肉に変えると、8割近くも飽和脂肪酸を減らせます。
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②市販のルーは使わない
市販のカレールーには脂質が多く含まれ、その半分が飽和脂肪酸です。そこで活躍するのがカレー粉です。
カレー粉を使うと、1食あたりのカロリーは70%、脂質は97%もカットできます。またカレー粉には飽和脂肪酸が少なく、1食あたりたった0.1gしか含まれません。
カレー粉を使用して最低限の油で作ったカレーであれば、脂質異常症の方でも安心して食べられますね。
カロリーオフのルーを使えば大丈夫?
最近では市販でもカロリーオフのルーがあるので、そちらを使用するのもオススメです。カレー粉を使用する場合よりもカロリー・脂質ともに少し高くなりますが、手軽に作れるところが嬉しいですね。
ただし、普通のルーやカレー粉に比べると値段が高い点はデメリットといえます。
なお、全く油を使用しないカレールーも販売されています。値段はかなり高いのですが、脂不使用の美味しいカレーを手軽に食べたい方はぜひお試しください。
③サラダなどの副菜を添える
脂質異常症の治療では、食事はバランスよく食べることが大切です。バランスの取れた食事とは、主食・主菜・副菜がそろった献立です。
ところがカレーを単品で食べると、主食と主菜だけの食事になってしまいます。
そこで、カレーを食べる時はサラダなどの副菜を添えると、バランスの取れた食事になります。
外食の際もカレーの量を減らして、サラダを追加するとよいでしょう。なお、サラダにかけるドレッシングはノンオイルのものを選んでくださいね。
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注意!糖質も適正量に
脂質異常症の中でも中性脂肪の高い「高トリグリセライド血症」の方は、糖質量にも注意が必要です。
そもそも中性脂肪は、摂りすぎたエネルギーが体に貯め込まれたものです。私たちの体の主なエネルギー源は脂質や糖質ですが、摂取量が多いとエネルギーの摂りすぎになります。
そこで、脂質だけでなく糖質も適正量の摂取が大切なのです。
カレーの時はいつもより白米を多く食べてしまいがちですが、中性脂肪が高い方は食べすぎないように注意しましょう。
また、カレーによく入れるじゃがいもは糖質が高めです。糖質の低い野菜へ変更するとよいですね。
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【脂質異常症の方にオススメ】カレーレシピ
それでは鶏ひき肉とカレー粉を使用した、カロリー&脂質控えめなカレーのレシピを紹介します。脂質異常症の方でも安心して食べられるので、ぜひ作ってみてくださいね。
【カロリー&脂質控えめカレーレシピ】
・鶏ひき肉 100g
・玉ねぎ 1個
・にんじん 1本
・おろししょうが 小さじ1
・オリーブオイル 小さじ1
・カレー粉 大さじ3
・トマト缶 1缶
・ウスターソース 大さじ1
・コンソメ 小さじ2
・塩 小さじ1/2
・こしょう 少々
・パセリ お好みで
【作り方】
①玉ねぎとにんじんはみじん切りにして、電子レンジ600wで10分加熱する
②鍋にオリーブオイルとおろししょうがを入れて、香りが立ったら鶏ひき肉を加えて加熱する
③鶏ひき肉に火が通ったら①を入れ、カレー粉を加えて混ぜる
④③にトマト缶、ウスターソース、コンソメを入れたら、にんじんがやわらかくなるまで煮込む
⑤塩、こしょうで味をととのえたらできあがり
※写真ではしらたきご飯を添えています。しらたきご飯の作り方はこちら
【ポイント】
・血液中の悪玉コレステロールを減らす働きのあるオレイン酸を含む、オリーブオイルを使用
・鶏ひき肉を鶏むね肉のミンチに変更すると、さらにカロリー&脂質オフできる
・トマト缶の抗酸化作用で悪玉コレステロールの酸化を防ぐ
・しらたきご飯でカロリー&糖質をカット
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カレーが動脈硬化を予防するって本当?
ハウス食品の研究によると、カレーは健康な成人の動脈硬化を予防する可能性があるようです。
カレーに使用されるスパイスには抗酸化作用があります。研究によると、「カレーの抗酸化作用で、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化疾患の原因となる血管内皮機能が改善する効果」が見られたそうです。
今後もカレーの抗酸化力に期待大ですね。
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まとめ
以上、脂質異常症の方のカレーを食べる際の注意点をまとめました。
外食のカレーはカロリー・脂質ともに多いので、1食分ではなく量を減らした方がよいです。
また、カレーを食べる際のポイントは
②市販のルーは使わずにカレー粉を使う
③サラダなどの副菜を添える
が挙げられます。市販のカロリーオフのルーを使ってもよいですね。高トリグリセライド血症の方は、ご飯や具材の糖質にも気を配りましょう。
それでは当記事を参考に、脂質異常症の方でもポイントを押さえてカレーを食べていただけると幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
地方独立行政法人東京都立病院機構 脂質異常症の食事
一般社団法人日本動脈硬化学会 脂質異常症診療のQ&A 動脈硬化性疾患予防のための 脂質異常症治療 のエッセンス
ハウス食品 プライムバーモントカレー プライムジャワカレー カレーの血管内皮機能改善効果を確認