はちみつのカロリー&糖質はどれくらい?~砂糖との比較や注意点を解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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健康に良さそうなイメージのあるはちみつですが、そのカロリーや糖質は他の甘味料と比べると高いのでしょうか?
今回ははちみつのカロリーや糖質量を中心に、体に良い点や食べるときの注意点などついてわかりやすく解説していきます。
当記事を読むことで、日々の食生活にてはちみつを楽しむきっかけになればと思いますので、最後までお付き合いください。
目次
はちみつ大さじ1杯のカロリー&糖質
はちみつ大さじ1(約21g)のカロリーは69kcal、糖質は15.8gです。ちなみに、小さじ1(約4g)はカロリー13kcal、糖質3.0gです。
砂糖よりもカロリーは低いの?
はちみつは砂糖よりも体に良いイメージがありますが、たしかに同じ重量で比べるとはちみつの方が砂糖よりもカロリー・糖質ともに低いです。
※100gあたり | カロリー(kcal) | 糖質(g) |
はちみつ | 329 | 75.3 |
砂糖(上白糖) | 391 | 104.2 |
ただし大さじ1杯分を比較したときは、はちみつの方が砂糖よりも量が多いためカロリーと糖質が高くなります。
大さじ1杯分の重量(g) | カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
はちみつ | 21 | 69 | 15.8 |
砂糖(上白糖) | 9 | 35 | 9.4 |
はちみつを砂糖の代わりに使う時には、使用量を控えめにするとカロリーや糖質の摂り過ぎを防げますよ。
参考記事:砂糖のカロリー&糖質は本当に高い?~砂糖を摂ると太るのか徹底検証〜
メープルシロップで代用できるのか
味はもちろんはちみつと異なりますが、メープルシロップははちみつの代用として使えます。
ちなみに、メープルシロップのカロリーは100gあたり266kcal、糖質は66.3g(※)です。
(※)メープルシロップの糖質は差し引き法による利用可能炭水化物を参照
メープルシロップはかえでの木から採れた自然の甘味料で、上記の表にあるように糖質・カロリーともにはちみつより控えめなのと、カルシウムやマグネシウムなどの栄養素が甘味料の中では豊富に含まれています。
はちみつが手に入らない場合、ぜひ活用してみてください。
参考記事:体に悪いは本当?メープルシロップの糖質について~砂糖やはちみつと比べました~
はちみつは糖質制限中に食べられるの?
そもそも糖質が高い食品になりますので、糖質制限中に過剰に摂取することはおすすめできません。
一方で、はちみつは特徴的な香りでさまざまな食事シーンで使えるため、嗜好品として分量をわきまえ上手に取り入れるとよいでしょう。
糖尿病の方は摂取してOKか
糖尿病の方は糖分をコントロールする必要があるため、基本的には摂取が望ましいとは言えません。とはいえ、どうしても食べたいということであれば、かかりつけの医師に相談の上、摂取するかの判断を行ってください。
参考記事:はちみつは血糖値に影響するの?〜糖尿病に良いのか検証しました〜
漢方では治療薬として活用されている
糖質やカロリーは高いはちみつですが、口内炎の改善や胃の粘膜の保護といった効能が重視され、漢方では治療薬として使われています。
はちみつに含まれる栄養素
ブドウ糖と果糖が豊富
はちみつの栄養において特徴的なメリットはブドウ糖と果糖が主成分であることです。
ブドウ糖と果糖は単純な組成(単糖類)のため最も体内に吸収されやすく、即エネルギー補給ができるという優れた特徴があります。
特に勉強など頭を使って疲れた際などに効果を発揮しますので、ぜひ活用ください。
参考記事:脳の栄養「ブドウ糖」とは〜効果から食べ物まで幅広く紹介〜
微量だがビタミン、カルシウム、カリウムなども
豊富とは言い難いですが、はちみつにはビタミンB群やC、鉄分、カルシウム、カリウムなど、人が生活する上で重要となる栄養素が含まれており、微力ながらその他の健康に役立つ要素を兼ね備えています。
はちみつの選び方と保存方法
水あめなどが添加されているものもありますが、100%純正のはちみつが望ましいでしょう。レンゲなど花の種類により風味や味も異なりますので、お好みのはちみつを選ぶとよろしいかと思います。
そして、購入後は直射日光の当たらない涼しい場所に保管するようにします。虫などが入らないよう、容器の蓋はしっかり閉めてくださいね。
【注意】1歳未満の赤ちゃんには使用しない
意外に知らない人も多いでしょうが、1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると乳児ボツリヌス症にかかるケースがあります。ボツリヌス菌は熱に強く、通常の加熱や調理ではなくなりません。
というのも一般的に、はちみつは包装前に加熱処理を行わないので、ボツリヌス菌が混入している場合があります。
通常、大人の腸内ではボツリヌス菌が食品などを通じ口から体内に入ると、他の腸内細菌との競争に負けるので、一般的には何も起こりません。
しかし赤ちゃんの場合、まだ腸内環境が整っていない中、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すので、便秘、元気を失う、ほ乳力の低下、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる、といった症状を引き起こすケースがあります。
ほとんどの場合、適切な治療により回復しますが、まれに命を落とす場合も。
そのため、くれぐれも1歳未満の赤ちゃんにははちみつやはちみつ入りの飲料・お菓子などの食品を与えないように注意が必要です。
まとめ
以上、はちみつについてまとめますと
・大さじ1杯分を比較すると砂糖よりもはちみつの方がカロリー・糖質が高い
・糖質制限や糖尿病には不向き
・ブドウ糖と果糖の成分が即エネルギーにつながる
・1歳未満の赤ちゃんにとってはちみつの摂取は禁止
以上となります。
はちみつは不健康な要素が少ない食べ物ですが、摂取しすぎは体の栄養バランスを崩しますので、程よく楽しむように心がけましょう。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスではカロリー&糖質を含む食事・体重・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
一般社団法人 全国はちみつ公正取引協議会 よくある質問
一般社団法人 日本養蜂協会
厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから