糖尿病にブドウ糖は必要なの?~低血糖時にオススメの摂り方も紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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あなたは「ブドウ糖」と聞いて何を想像しますか?
糖尿病の方や血糖値が高めの方は「ブドウ糖負荷試験」を受けたことがあるかもしれません。「ブドウ糖は脳の唯一の栄養源」と聞いたことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
ぶどう糖は糖尿病の方や血糖値が気になる方にとって、とても重要なものです。
そこで、今回はぶどう糖についてわかりやすく説明いたします。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
糖尿病の人がブドウ糖をとっても大丈夫?
糖尿病の方は血糖値が高い状態にあるため、ぶどう糖を普段から積極的にとる必要はありません。
必要以上の糖をとることで、血糖値の乱れにつながる可能性があります。ただし、糖尿病の方とブドウ糖には密接な関係があるため、必要ないから関係ないとも言えないのです。
糖尿病とブドウ糖の関係
じつは糖尿病とブドウ糖には、深い関係にあるのです。
まず、糖尿病の方はそうではない方と比べて血液中のブドウ糖濃度が高い状態にあります。その理由はインスリンという、血糖値を下げるホルモンの作用や分泌量がが十分ではないからです。
また、糖尿病の検査の一環として「75g経口ブドウ糖負荷試験」というものがあります。これはブドウ糖を溶かした液体を飲み、血糖値がどのように上昇するのかをみます。糖尿病であるかどうかを調べる際にも、ブドウ糖が使われるのです。
そして、糖尿病と診断された方が薬により血糖値を下げる際、とくに服薬初期は予想よりも薬が効いてしまい低血糖になることがあります。その際、血糖値をすばやく上げたいのでブドウ糖を含んだ食品を摂るといった対策をとります。
以上のように、糖尿病の方にとってブドウ糖は
・糖尿病の診断
・低血糖対策
3つのポイントで関りがあるといえるのです。
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低血糖時はブドウ糖をとるべき
糖尿病の方が低血糖を起こしたときは、ブドウ糖が欠かせません。なぜなら、ブドウ糖はすばやく吸収されて血糖値を急上昇させるからです。
ブドウ糖はグルコースとも呼ばれ、最も代表的な単糖です。単糖とは糖の最小単位で他に果糖(フルクトース)やガラクトースがあり、この単糖がいくつか連なって砂糖やご飯・パンに含まれるでんぷんを構成しています。
糖質は消化液で単糖まで分解されて初めて体に取り入れることができますが、ブドウ糖ははじめから単糖なので消化液で分解する必要がなく、砂糖よりさらに早く吸収されます。
すぐに血糖値を上げたい低血糖時は、体にすばやく吸収・利用されるブドウ糖が最も適した糖なのです。
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ブドウ糖をとる目安は「10g」
低血糖時はブドウ糖10gを目安として摂ります。
一般的には血糖値が70mg/dlを下回ったら、ブドウ糖10gをとり、15分たって改善しなければさらにブドウ糖10gをとります。
その際砂糖20gでも代替えできるのですが、もしαグルコシターゼという種類のお薬を服用されているなら、砂糖ではなくぶどう糖でないといけません。
なお、低血糖時の対応の詳細については、かかりつけの医師、管理栄養士にご確認ください。
オススメのブドウ糖商品と目安量
オススメのブドウ糖は、ブドウ糖100%のタブレットやブドウ糖90%配合の大粒ラムネです。
そして、目安となるブドウ糖10gに匹敵する量は、
参考:大丸本舗 ぶどう糖
大丸本舗の「ぶどう糖100%」なら3~4個です。
森永製菓の「大粒ラムネ」なら11個です。
ブドウ糖果糖液糖でも効果的?
ブドウ糖果糖液糖は、ブドウ糖と果糖が混ざった液状の糖です。ジュースなどの材料としてよく使われます。
簡単にいうと、砂糖が消化された形をイメージするとわかりやすいです。固形状のブドウ糖と同じく血糖値を急上昇させるので、糖尿病の方にはあまりおすすめできません。
一方で、低血糖の際はブドウ糖果糖液糖入りのジュース150~200mlを目安に飲むとブドウ糖10gをとれます。固形のブドウ糖が苦手な方は、低血糖時にブドウ糖果糖液糖入りのジュースを飲むのもよいでしょう。
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ブドウ糖は血糖値スパイクを起こしやすいのか
ブドウ糖は血糖値を急激に上げるので低血糖対策に役立ちますが、反対に血糖値スパイクを引き起こしやすいともいえます。
血糖値スパイクとは、食後血糖値が急激に上昇しその後急下降することです。
血糖値スパイクが起こると血管が傷つき、動脈硬化を進行させます。動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性があります。
血糖値スパイクを起こさないためにも、良好な血糖管理を維持できるような生活習慣を心がけたいですね。
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まとめ
以上、糖尿病の方とブドウ糖の関係について説明いたしました。
ブドウ糖は急激に血糖値を上げるので、糖尿病の方は普段はあまりとらない方がよいです。一方で、低血糖の際にブドウ糖などで対策する必要があります。普段から持ち歩き、1回に食べる量を確認しておくのがオススメです。
それでは、当記事を参考にぶどう糖との上手な付き合い方を考えていただけると嬉しいです。
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参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
国立国際医療研究センター(糖尿病情報センター) 低血糖
有限会社大丸本舗 ぶどう糖商品情報
森永製菓株式会社 ラムネ商品情報