意外に知らない海苔の栄養〜効果効能や食べ過ぎのデメリットも〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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おにぎりやお弁当、手巻き寿司などによく使われ、日本人にとっては身近な存在であるのり。そんなのりの栄養素について考えたことはあるでしょうか?
のりは意外にも、栄養価の高い食材です。たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど身体にとって必要な栄養素が豊富に含まれているのです。
なお、私たちが普段から食べ慣れているのりには、焼きのり・味付けのり・韓国のりなどが挙げられます。今回は、一般的によく使われている焼きのりの栄養素について主にお伝えいたします。
味付けのりや韓国のりとの栄養面の違いも説明いたしますので、最後までご覧ください。
目次
海苔の栄養
海苔に含まれている栄養素でとくに多いのは、たんぱく質と食物繊維です。しかし、海苔100gあたりで考えると多く含まれているものの、海苔は1枚3g程度です。なお葉酸・ビタミンB12・ヨウ素といった栄養素は、海苔1枚でも充分に摂れます。海苔にはその他にも、ビタミンCやβカロテン、鉄分、カルシウム、EPA(エイコサペンタエン酸)、タウリンなども含まれています。
では、それぞれの栄養素について解説していきましょう。
体をつくるたんぱく質
たんぱく質は、身体の筋肉や皮膚を構成したり、代謝や免疫力を高めたりなど身体にとってはとても重要な栄養素の一つです。
そして海苔にはこのたんぱく質が、全体の約40%も含まれています。また、海苔に含まれているたんぱく質は良質なたんぱく質(※)であるため、効率よく体に吸収されます。
(※)良質なたんぱく質とは、体内で合成できない9つの必須アミノ酸がバランス良く含まれているたんぱく質のこと
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便通の改善に食物繊維
たんぱく質についで多く、成分の36%を占めているのが、食物繊維です。
食物繊維は、便通の改善や血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるので、ダイエット中の方や生活習慣病の方は積極的に摂ることをオススメします。
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葉酸で貧血予防
葉酸は水溶性ビタミンの一種であり、ビタミンB12と共に貧血を予防し、妊娠中の胎児の発育にも大きく関わっているのが特徴です。
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、妊娠を計画している女性や、妊娠・授乳中の女性は積極的に葉酸を摂るようにと定められています。
海苔にはこの葉酸が豊富に含まれており、海苔1枚で成人が一日に必要な量の約4分の1を摂取出来ます。
葉酸と共に貧血を防ぐビタミンB12
ビタミンB12はDNAの生成を助ける栄養素の一つで、葉酸と共に貧血を防ぐ役割があります。
なおビタミンB12は、基本的に動物性食品(肉や魚介類など)に含まれているのですが、植物性食品の中でものりには多く含まれているのが特徴です。海苔1枚で、成人が一日に必要な量の3/4を摂取できます。
甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素
ヨウ素は甲状腺で甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促し、子どもの成長にも欠かせないホルモンの一つです。
そしてヨウ素は海苔の他に、昆布やわかめにも多く含まれています。海苔1枚で一日に必要な量の3分の2を摂取できます。
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海苔が健康に悪いと言われる理由
身体にとって重要な栄養素を多く含む海苔ですが、一方で健康に悪いと言われることもあるそうです。
その理由として、先ほど紹介したヨウ素の摂り過ぎが原因で起こる甲状腺機能低下症という病気があるから、と考えられます。
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、無気力、皮膚の乾燥、むくみ、体重増加、便秘などを引き起こす病気です。
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、ヨウ素の上限量は成人で1日3.0mgまでとされています。この数値を海苔に当てはめると約47枚分に相当します。
1日で47枚も海苔を食べるというのは考えにくいですが、海苔以外のヨウ素を多く含む食材(昆布・わかめなど)との食べ合わせにより、摂り過ぎにつながる可能性もあるので気をつけましょう。
焼き海苔・味付け海苔・韓国海苔それぞれの栄養の違い
では次に、焼き海苔・味付け海苔・韓国海苔それぞれの栄養の違いについて見ていきましょう。
カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維 | 葉酸 | ビタミンB12 | ヨウ素 | 塩分 | |
焼きのり | 297kcal | 1.9g | 41.4g | 3.7g | 36g | 1900μg | 58.0μg | 2100μg | 1.3g |
味付けのり | 301kcal | 14.3g | 40g | 3.5g | 25.2g | 1600μg | 58.0μ | – | 4.3g |
韓国のり | 400kcal | 4.2g | 20.7g | 35.2g | 18g | 950μg | 28.4μg | 1050μg | 17.2g |
*100gあたり
上記の表から、焼き海苔は味付けのりや韓国のりと比べて低カロリー・低糖質であり、その他の栄養素も多く含まれていることがわかります。
これ対して味付け海苔は醤油や砂糖で味付けされていることから、糖質量が焼き海苔や韓国のりよりも高くなります。また、韓国海苔はごま油と塩で味付けされているので、焼き海苔と比較すると糖質だけでなく脂質と塩分も高いのが特徴です。
糖質・脂質・塩分の摂り過ぎが健康に影響を及ぼすことがある一方、どれも人にとって必要な栄養素なので適量の摂取を心がけましょう。
ただ実際に、日々の食生活で海苔を食べるのは数枚程度と、大量に食べることはまれでしょうし、その範囲であればどの海苔を食べても差し支えありません。ですが味付けのりや韓国海苔をそのまま食べると糖質や脂質、塩分が気になるという方は、サラダや和え物などに混ぜて調味料代わりに少量で活用するのも手でしょう。
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その他、光海の味付け海苔や焼海苔も絶妙な味ですので、興味がある方はトライしてみてください。(URLはこちら)
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毎日海苔を食べ続けた結果どうなる?
バランス良く栄養素を含む海苔は毎日食べ続けることにより、生活習慣病の予防や美肌効果など身体にとって良い影響を与えると考えられます。
では、実際にどれくらいの量を摂れば毎日を健康的に過ごせるのか気になりますね。
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食べ過ぎに注意〜1日2枚程度が目安です〜
海苔を食べる量は1日2枚程度が良いと考えられます。なぜなら、海苔2枚でビタミンB12や葉酸などの栄養素を十分に摂取出来るからです。
繰り返しになりますが、海苔は食べ合わせや継続した食べすぎによって、ヨウ素の過剰摂取を引き起こす可能性があります。くれぐれも、食べ過ぎには気をつけていきましょう。
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まとめ
今回は、海苔の栄養素について解説いたしました。
のりには、身体にとって必要な栄養素がバランス良く含まれているとおわかりいただけたかと思います。しかしながら、食べ過ぎると体に不調をきたすこともあるので、1日2枚程度を目安に食べることをオススメします。
さっそく今日から、海苔を食卓に並べてみると良いですね。
それでは、当記事が参考となり、海苔を毎日の食事に取り入れていただければ幸いです。
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参考文献
新食品成分表FOODS2021 東京法令出版株式会社
日本人の食事摂取基準2020年版
厚生労働省 e-ヘルスネット
海苔JAPAN 海苔で健康推進委員会ホームページ 海苔のタウリンで生活習慣病予防
農林水産省 EPA
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
カロリーSlism 韓国海苔