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ウォーキングは糖尿病の治療に効果的〜正しい方法で血糖値を改善〜

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ウォーキングは糖尿病の治療に効果的〜正しい方法で血糖値を改善〜

当記事の執筆は、健康運動実践指導者  河内義紀が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

運動初心者の方でも始めやすいとよく聞く、ウォーキング。

実は、糖尿病の治療に効果があることをご存じでしょうか?ウォーキングは有酸素運動に含まれ、血糖値を改善する運動の一つです。

しかし、むやみやたらにウォーキングを行ってしまうと、運動の効果を感じにくくなる可能性があります。

そこで、今回は運動の専門家が糖尿病の治療や血糖値の改善に向けて、ウォーキングの正しいやり方を解説します。運動初心者でも実践しやすい内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ウォーキングが血糖値の改善に有効

ウォーキングが血糖値の改善に有効

散歩や通勤で皆さんが何気なくしているウォーキング。ジョギングよりも身体への負荷が少なく、運動が苦手な方でも気軽に始められるのが特徴です。

そんなウォーキングは、血糖値の改善に効果的です。なぜ血糖値の改善に効果的かというと、ウォーキングにより筋肉への血流量が増え、糖が細胞の中に取り込まれます。そして、インスリン(※)の効果が高まり、血糖値が下がりやすくなります。

(※)インスリンとは、糖の代謝を調節し血糖値を一定に保つホルモン

糖尿病の予防にも効果があるの?

ウォーキングを含めた運動は糖尿病の予防にも有効とされています。

また、運動は糖尿病の要因である肥満の予防・改善に効果的です。糖尿病の治療には時間や体力が必要です。そこで、ウォーキングなどの糖尿病予防に効果的な運動を積極的に行っていきましょう。

ウォーキングの目安

ウォーキングの目安

ウォーキングを行うにあたり、時間・頻度・スピードを意識して取り組むことで、運動の効果を高めます。身体の状態や体力レベルに合わせて、強度を設定していきましょう。

運動時間は週150分を目標にしよう

ウォーキングを実施する時間は週の合計時間で考えます。

目標は1週間に150分程度です。歩数を指標にする場合、目安として150分は約15,000歩に相当するので、1日8,000歩(生活での歩数を含む)を意識してみましょう。

そして、ウォーキングの頻度は、週3回以上(ウォーキングしない日が2日間以上続かない)行うと血糖値の改善に有効です。さらに1回のウォーキング時間は10分以上行い、運動に慣れてきたら30分を目安に徐々に時間を増やしていきます。

ただし、いきなり時間を増やしてしまうと、ウォーキングを続けることが億劫(おっくう)になりやすいです。無理ない運動の習慣をつけるためにも、運動初心者や体力に自信のない方は10分程のウォーキングから始めましょう。

スピードは「楽と感じる」程度

ウォーキングを行うスピードは、「楽と感じる」ぐらいから始めていきます。だんだん運動に慣れてきたら「ややきついと感じる」ぐらいまで、徐々にスピードを上げていきましょう。

次に、運動時の心拍数の目安は、50歳未満の方で100~120拍/分、50歳以上の方は100拍/分以内で行うように意識してみてください。

心拍数の測定は、手首の動脈に指先を添えて脈拍を数える方法がかんたんです。他にも、自動で測定してくれるスマートウォッチも便利なツールの一つです。自分に合ったやり方で、スピードをコントロールしていきましょう。

ウォーキングのポイントを解説

ウォーキングのポイントを解説

ウォーキングのポイントは大きく分けて2つあります。

1つ目はウォーキング前に準備運動をすることです。

準備運動の目的は、心臓や肺に急激な負担をかけないことです。また、関節の動かせる範囲を広げ、怪我の防止にもつながります。しっかりとストレッチで筋肉を伸ばしてから、ウォーキングを行いましょう。

2つ目はウォーキングのフォームです。

筋力トレーニングでフォームが重要なように、ウォーキングでも運動の効果を高めるためにフォームがとても大切です。

正しいフォームがさらに運動の効果を高める

正しいフォームは怪我を予防し、血糖値の改善につながる効果が期待できます。

フォームの中でも歩幅や腕振りを意識すると、筋肉の活動量が増えやすくなります。その結果、筋肉への血流量も増え、血糖値が下がりやすくなるのです。

次に、フォームについて詳しく解説していきます。

【正しいフォーム】

①あごを軽く引き、前を向く
②目線はやや遠くに(15mほど先)
③背筋を伸ばし、胸を張る
④肘は軽く曲げ、前後に大きく振る
⑤歩幅を広げ、かかとから接地する
⑥重心を前へ移動させ、つま先で蹴り出す

【悪いフォーム】

・下を向き、目線が下がる
・背中が丸まる
・歩幅が狭い

 

いくつかポイントをあげましたが、あなたのフォームはどうでしたか?

正しいフォームを意識できている方は、この調子で継続してくださいね。

一方、今までフォームをあまり意識していなかった方は、ポイントを抑えて実践してみましょう。フォームを修正するのは、かんたんなことではありません。しかし日々の努力の積み重ねが、正しいフォームの習得、その先の血糖値の改善へとつながっていくのです

まとめ

以上、ウォーキングが糖尿病の治療や血糖値の改善に与える影響について解説しました。

ウォーキングは糖尿病の治療や予防に効果的です。運動の時間・頻度・スピードを意識することで、より血糖値の改善が期待できます。

以下が時間や頻度、スピードの目安です。

時間:週150分(1回の運動時間は10分以上)
頻度:週3回以上(ウォーキングしない日が2日間以上続かないこと)
スピード:楽と感じる程度(心拍数の目安は50歳の方未満で100~120拍/分、50歳以上の方で100拍/分以内)

さらに、正しいフォームのウォーキングが運動の効果を高めます。ぜひ意識して、取り組んでみてくださいね。

それでは当記事を参考に、日々の生活にウォーキングを取り入れて、糖尿病の治療に役立てていただけるとうれしいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。

バナー写真(CGM歩数)

 

参考文献
厚生労働省​​ 糖尿病
厚生労働省 e-ヘルスネット 糖尿病を改善する運動
公益財団法人 長寿科学振興財団健康長寿ネット ウォーミングアップの目的と方法
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 ウォーキング – 健康・体力アップ | 運動してみよう!
糖尿病ガイドライン2019 日本糖尿病学会(編集・著者)
糖尿病最新の治療2022-2024 荒木栄一/綿田裕孝/山内敏正(編集)

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