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糖尿病の検査ってどうやってやるの?〜診断基準や方法を分かりやすく紹介〜

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糖尿病の検査ってどうやってやるの?〜診断基準や方法を分かりやすく紹介〜

「糖尿病の検査って何をするんだろう」「どうなると糖尿病と診断されるのだろう」と思う方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、糖尿病の検査や診断基準について紹介します。

難しい言葉は極力使わず、わかりやすく説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

集&執筆者情報:こちらをご覧ください

糖尿病で大切なのはまず検査

生活習慣が原因となって起こる2型糖尿病は、ゆっくりと進行するため発症しても最初は自覚症状がないことが多いです。そのため長期間気付くことがなく、分かったころには進行していた…なんていうことも少なくありません。

そこで、病院で行う検査が糖尿病の発見には非常に重要となります。

た、会社の健康診断で血糖値の検査が項目に入っていることがあります。気になる方は、忙しい合間を縫ってでも健康診断を受けましょう。

参考記事:糖尿病は生活習慣を見直せば治るの?

糖尿病の検査について

検査はどこでできる?

糖尿病の検査は主に内科、糖尿病内科がある病院、クリニック等で行うことができます。ぜひご自身の行きやすい医療機関を探してみてくださいね。

費用の目安 

保険の負担割合や受診する医療機関によって様々ですが、おおよそ2,000~4,000円で行うところが多いようです。

あくまで参考程度ですので、詳しく知りたい方は受診する医療機関に問い合わせてみましょう。

検査項目と方法について

糖尿病の検査とは

では、糖尿病の検査とは何をして、どういったことを調べるのでしょうか。ここで少し紹介していきます。

参考記事:とても簡単な糖尿病セルフチェックリスト

血液検査ですぐわかるのはHbA1c

一般的に医療機関では血液検査で診断をします。検査で必ず行われるのは血糖値の測定HbA1cの2つです。

血糖値は、血液中に糖がどの程度含まれているかを示すもので、その場ですぐ値が分かる検査キットがあります。

HbA1cは長期間(約2ヶ月)の血糖値の平均を示すものです。

この2つは1回の血液検査で調べることができますので、すぐに数値が分かります。
 
そのほか、ブドウ糖負荷試験(OGTT)という検査もあります。

ブドウ糖負荷試験(OGTT)はブドウ糖が含まれる飲料を飲む前後に血糖値を測り、どの程度変化があるかを調べる検査です。

ブドウ糖飲料を飲んだ後の血糖値測定は1回だけでなく、30分おきに何度も測ります。そして糖尿病の診断には、飲用してから2時間後の値を使用します。

血糖値の検査

糖尿病の診断基準を紹介 

糖尿病の診断基準は以下の通りです。

①:検査を2回行い、以下の糖尿病型に2回とも該当する場合(その内1回はHbA1cではなく血糖値が該当する)

【糖尿病型(HbA1cと血糖値の2種類の検査項目があります)】
 [HbA1c]6.5%以上
 [血糖値]空腹時の血糖値が126mg/dl以上
 [血糖値]随時200mg/dl以上
 [血糖値]ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値が200mg/dl以上

※ OGTTはブドウ糖を服用して血糖値を測定するので血糖値の分類に入ります
※ 2回ともHbA1cのみが該当する場合は糖尿病とは診断されません
※ 1回の検査でHbA1c、血糖値のどちらも該当した場合は、その時点で糖尿病と診断されます

②:上記①の[血糖値]の値が糖尿病型に該当する+慢性高血糖の症状がある

1回の検査で、血糖値の値が糖尿病型(上記①の項目参照)に該当していて、慢性高血糖の症状があれば糖尿病と診断されます。

慢性高血糖の症状とは、口の中がやたらと乾く、喉がかわいて水を異常に飲みすぎてしまう、尿回数や尿量が多い、体重が減るなどの症状です。

また、このような症状はなくても、糖尿病の合併症である網膜症という目の病気が発見されれば、糖尿病と診断されます。   

③:検査時に診断基準未満だとしても、過去に糖尿病と診断されたことがある

検査で診断基準を満たさなくても過去に糖尿病と診断されたことがあれば、糖尿病と診断されます。

参考記事:糖尿病とはどんな病気?症状・原因・治療などをわかりやすく解説

薬局の市販検査薬はどうか

尿の検査

実は薬局でも糖尿病の検査キットが購入できます。

薬局で販売しているものは血液検査ではなく尿検査薬で、尿に糖が含まれている(尿糖)かどうか調べることができます。

もちろん、クリニック等で検査をしてもらうことは必要ではありますが、自覚症状が現れにくい糖尿病に気付くきっかけとしては、とても有効な検査薬でしょう。

まとめ

糖尿病の検査まとめ

・2型糖尿病は、最初は自覚症状がないまま進行するため検査が大切
・糖尿病の検査は主に内科、糖尿病内科がある病院、クリニック等で行うことができる
・検査は血液検査で行う
・血糖値、HbA1c、ブドウ糖負荷試験というもので診断される
・市販の検査薬は糖尿病に気付くきっかけとしては有効だが正確な診断はできない

以上、糖尿病の検査についてご紹介いたしました。

糖尿病は進行してから発見されると、治療もとても大変です。

なかなか病院に足が向かない、という方は多いでしょう。しかし、あのとき行っておけば…と後悔している患者様もいらっしゃいます。

気になることがあったら早めに医療機関で検査をすることをオススメいたします。ご自身のお身体、どうぞ大切にしてくださいね。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値やお薬の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
シンクヘルスの紹介

 

参考文献
医療情報科学研究所編(2019):病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌,第5版,株式会社メディックメディア,東京,22‐23,32-35,
一般社団法人日本糖尿病学会(2019):糖尿病診断の指針,糖尿病診療ガイドライン2019,株式会社南江堂,東京,5-6.

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