糖尿病でもクリスマスメニューを楽しみたい!~カロリー&糖質を抑えるコツを紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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糖尿病と診断された方はカロリーや糖質の摂取を抑えるなど、普段から食生活の改善を頑張っていらっしゃることでしょう。でも年に一度のクリスマスくらい、みんなと同じメニューが食べたいですよね。
しかし、クリスマスメニューの定番であるフライドチキンやケーキはカロリーや糖質の高く、糖尿病の方が食べるには少々注意が必要です。
そこで今回は、糖尿病の方がクリスマスメニューを食べる際に気を付けることや、要注意のメニューをお伝えします。糖尿病の方でも安心して食べられるよう、定番のメニューをアレンジしたレシピも紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
糖尿病でもクリスマスメニューは食べられるのか?
結論からいいますと、糖尿病の方でもクリスマスメニューは食べられます。
ただしカロリー、糖質そして脂質の多いクリスマスメニューを食べすぎると、血糖値が乱れてしまう可能性も。
そこで糖尿病の方が食事を摂る際の基本的なポイントとして、以下の3点があげられます。
・塩分を控える
・食物繊維をしっかりとる
これらを踏まえれば、糖尿病の方でも安心して家族や友人と一緒のクリスマスメニューを食べられますよ。
参考記事:【医師監修】糖尿病は生活習慣の改善で予防〜今から食事・運動・生活を見直そう〜
クリスマスメニューを食べるときに気を付けること
それでは糖尿病の方がクリスマスメニューを食べる際に気を付けたいことを、具体的に3つ紹介いたします。
適量を心がける
まずは、周りの雰囲気に流されて食べすぎないことが大事です。
クリスマスのようなお祝いごとの際は、今日だけだから!という雰囲気にのまれてお腹いっぱいになるまで食べすぎてしまいがちです。しかし、たった1回の食事によってこれまで頑張って食事制限していたことが無駄になってしまうことも。
そこで腹八分目を心がけたいですね。
後ほど、要注意なクリスマスメニューのカロリーと適量をご紹介しますので、参考にしてくださいね。
サラダなど野菜から食べる
量やメニューの他に、食べる順番も気を付けたいもの。
具体的には、食事の初めに野菜類を食べる「ベジファースト」を行うとよいでしょう。
ベジファーストの効果は、野菜に含まれる食物繊維により糖の吸収を緩やかにして食後血糖値の急上昇を防ぐことです。あらかじめ野菜サラダやスープなどで食物繊維を摂っていると、後に食べるケーキやピザなど糖質の高い食べものに含まれる糖質の吸収を緩やかにしてくれますよ。
さらに、野菜をよく噛んで食べて満腹中枢を刺激すると、食べすぎの防止につながります。
ちなみに、サラダを食べる際に大量のドレッシングをかけると、カロリーや塩分の摂りすぎとなってしまいますので、ご注意ください。
お酒を飲みすぎない
家族や友人とおいしい料理を囲むと、一緒にお酒も飲みたくなりますよね。しかし、アルコールは血糖コントロールを乱すため糖尿病の方にはオススメできません。糖尿病の方がお酒を飲む場合は、まず主治医に確認してOKがでてから飲むようにしましょう。
ちなみに、アルコールの目安量は男性が20g、女性が10gとされています。
ビール500mlのアルコール量が20gなので、男性であればロング缶1本、女性は1/2本までが適量です。
参考記事:糖尿病とアルコールの付き合い方~適量や飲み過ぎ対策を紹介~
要注意なクリスマスメニュー3選
糖尿病の方がクリスマスメニューを食べる際の注意点についてわかったところで、特に気を付けたいカロリー&糖質の高いメニューをご紹介しましょう。
フライドチキンは油で揚げているのでカロリーが高め
クリスマスになるとフライドチキンチェーン店には行列ができ、コンビニのレジ横にあるフライドチキンも飛ぶように売れていますよね。
フライドチキンは名前の通り油で揚げていますので、当然焼くよりカロリーが高いです。
商品にもよりますが1つ250~300kcalもあるため、フライドチキン1つに加えて他の料理も食べるとカロリーオーバーになってしまいます。
骨なしのフライドチキンであれば半分まで、骨付きならサイズの小さいものを1つまでなど、上限を決めてから食べるとよいでしょう。
甘い誘惑のクリスマスケーキ
クリスマスの楽しみといえば、ケーキですよね。しかし、ケーキは糖尿病の方にとって最も避けるべき食べ物といってもよいでしょう。
土台となるスポンジには大量の砂糖が使われ、たっぷり塗られたクリームには脂肪が多く含まれケーキのカロリーをグンとあげています。
参考までに、ショートケーキ1切れあたりのカロリーは354kcal、糖質は26.3g、脂質は26.5gです。
先ほどのフライドチキン1つとショートケーキ1切れを食べただけで、人によっては1食あたりの摂取カロリーを超えてしまい、それ以上食べられないかもしれません。
食べるとしたら糖質は10g以下が望ましいので、ショートケーキですと1切れの約1/3になります。
そこでケーキを1切れ食べたい方は、低糖質ケーキを選ぶとよいでしょう。最近では美味しい低糖質ケーキも、たくさん販売されていますよ。
参考記事:糖尿病に間食&おやつはダメ?現役管理栄養士が徹底指導
ピザは糖質&脂質が高めなのとハイカロリー
クリスマスのようなパーティーには欠かせないピザ。野菜やきのこものっているので、フライドチキンやケーキほど警戒している方もさほど多くはないようです。
しかし、生地には小麦粉が使われて糖質も多く、トッピングや大量のチーズにより脂質も多くカロリーが高い料理でもあります。
ピザ100gのカロリーは165kcal、糖質が17.1gです。ピザ100gをわかりやすく示すと直径20cmの1/5切れにあたります。
1枚あたりの大きさは、一般的なピザチェーン店のMサイズ(約23~25cm)より少し小さいサイズですが、1/5切れだけでは物足りませんよね。
1切れあたりのカロリーが高いほど食べられる量が少ないので、パーティーの雰囲気を楽しめてもお腹は満足できない、糖尿病の方にとってハイカロリーな料理を食べるデメリットはそこにあるのです。
とはいえ、最近では市販の低カロリー・低糖質のピザもあります。たくさん食べたい方は、低カロリー・低糖質のものを、食べる量は少しでもよいからハイカロリーなものを食べたい方は量に気を付けて普通のピザを選ぶとよいでしょう。
参考記事:ピザのカロリーと糖質は高め〜ダイエット中はトッピングも気をつけよう〜
ヘルシーに大変身!糖尿病の方向けクリスマスメニュー
先ほど要注意なメニューで触れたチキンですが、使う部位と調理方法を変えるだけで、カロリーや糖質が気になる糖尿病の方でも安心して食べられるようになります。
今回は、色鮮やかな野菜も使いクリスマスにピッタリのカラフルなレシピをご紹介しましょう。
【カラフルロールチキン】
・鶏むね肉 1枚
・インゲン 3本
・赤パプリカ 30g
・ハーブソルト 適量
・塩こしょう 少々
※酒
※醤油
※ラカントシロップ
パセリ お好みで
【作り方】
①パプリカを細い棒状に切り、インゲンをゆでて冷ます
②鶏むね肉の皮をとり、厚みが均一になるように観音開き切りにしてハーブソルトで下味をつける
③①を②で巻きラップにくるんで両端を絞って輪ゴムで縛って袋に入れ、お湯を沸かして火を止めた鍋に入れ2時間放置する
④※の材料を小鍋で煮詰めてソースをつくる
⑤③を取り出し1㎝の厚さに切り分けて盛り付けし、ソースとパセリを添えたらできあがり
【ポイント】
・厚みはできるだけ均一にすると、火が通りやすく巻きやすい
・むね肉(皮なし)にすると脂質とカロリーの大幅カットが可能
まとめ
糖尿病の方がクリスマスメニューを食べる際に、一番気を付けるべきは「適量を食べること」です。
さらに、野菜から食べる「ベジファースト」を心がけると、食後の血糖上昇を緩やかにできます。よく噛むことで満腹感を得られる点もうれしいですね。
また、パーティーにつきもののお酒は主治医の許可を得てから飲むとよいでしょう。
定番のクリスマスメニューは、カロリーや糖質が高く気をつけなければならないものばかりですが、適量を心がけたりヘルシーなレシピのものに変えると、糖尿病の方でも安心して食べられますよ。
それでは、当記事を参考にオリジナルのパーティーメニューをつくっていただき、糖尿病の方も楽しくクリスマスを過ごしていただければうれしいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
カロリーSlism TOP