マッシュルームに含まれる栄養とは~管理栄養士監修レシピもご紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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まるくて可愛らしい見た目の、マッシュルーム。
マッシュルームはクセがないため食べやすく、さまざまな洋食料理で楽しまれているきのこです。
きのこといえば、低カロリーでヘルシーなイメージを持つ方も多いでしょう。
一方でマッシュルームから栄養を補おうと考える方は、少数派かもしれません。
そこで今回は低カロリーというだけではない、マッシュルームの魅力をお伝えしていきます。
マッシュルームを主役にしたレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マッシュルームの栄養と効能
マッシュルームには、うま味成分や免疫力を高める栄養素がたっぷり。
さっそく、その魅力に迫りましょう。
ちなみにマッシュルームのカサの色によってホワイト種、ブラウン種など品種が異なります。
品種によって風味が異なるため料理によって使い分けている方もいらっしゃるようですが、栄養面で大きな差はありません。
うま味成分「グアニル酸」と「グルタミン酸」
マッシュルームには、うま味成分である「グアニル酸」と「グルタミン酸」が含まれます。
グアニル酸は、きのこに多く含まれるうま味成分です。
そしてグアニル酸とグルタミン酸と組み合わせると、うま味の相乗効果が得られます。
一方でグルタミン酸は、マッシュルーム以外にも下記の食材に多く含まれます。
・トマト
・長ねぎ
・しょうが
・チーズ
これらの食材を一緒に食べれば、マッシュルームに含まれる成分との相乗効果でうま味がさらに引き立ち、よりおいしく感じるでしょう。
参考記事:しいたけに詰まった驚きの栄養成分と効能効果を解説!~簡単レシピもご紹介~
生活習慣病の予防に役立つ「食物繊維」
食物繊維といえば便秘解消に役立つイメージが強いと思います。
しかし、それだけではありません。
食物繊維には体内の余分な脂質、糖質、塩分などを排出する働きもあるのです。
ちなみに脂質、糖質、塩分を摂りすぎると脂質異常症、糖尿病、高血圧など生活習慣病のリスクが高まります。
したがって食物繊維を十分に摂ることは生活習慣病の予防、改善につながるのです。
また、マッシュルームに含まれる食物繊維の1種に「β-グルカン」があります。
β-グルカンには、免疫力を高める働きが期待されていますよ。
参考記事:低カロリーで健康にもいい!なめこの栄養と効果~簡単レシピもご紹介~
骨の健康に欠かせない「ビタミンD」
ビタミンDは、骨の原料となるカルシウムの吸収を助ける栄養素です。
ゆえにカルシウムを十分摂取しても、ビタミンDが不足していると骨がもろくなることもあります。
したがってカルシウムを効率よく摂りたい方は、ビタミンDの多い食材を組み合わせるとよいですね。
たとえばカルシウムの多い牛乳と合わせて、ミルク煮にマッシュルームを入れるのもオススメです。
またビタミンDは、免疫機能にも関わっていますよ。
加熱すると栄養は変わるのか
マッシュルームの加熱方法によっては、栄養価や吸収率が変化する場合もあります。
たとえば、下記の加熱方法です。
・油炒め:ビタミンDは油脂との相性がよいため、体内での吸収率がアップする
・茹でる:水に溶けやすいビタミンやミネラルが減少する
したがってマッシュルームの栄養を効率よく得るには、天日干ししたのちに油を使って調理するとよいでしょう。
生のまま食べられるマッシュルームもある?
新鮮なマッシュルームは、生のままでも食べられます。
薄くスライスしてサラダなどに入れると、普段とは違った食感や風味を楽しめますよ。
新鮮なマッシュルームの見分け方は、次の通りです。
②触った時にしっかりしている
一方で傘が開いて黒っぽくなっているものや、水分がにじんでいるものは鮮度が落ちています。
きのこは基本的に加熱して食べるものですから、新鮮かどうか見分けがつかない場合には加熱しましょう。
マッシュルーム缶に栄養はある?
マッシュルーム缶にも、栄養はあります。
ただし缶詰は水煮のマッシュルームですから、生のものに比べて水に溶けやすい栄養素は少ないです。
参考までに、生と缶詰のマッシュルームを比較してみましょう。
なお、マッシュルームは流通量の多いホワイト腫の値を採用しています。
この表を見ると、ビタミンB群やカリウムの含有量が少ないとわかりますね。
ビタミンB群やカリウムは、水に溶けやすい性質を持つ栄養素なのです。
ただしマッシュルーム缶には「保存性が高く、下処理も不要」といった缶詰ならではのメリットもあります。
生と缶詰のメリットやデメリットを理解し、ライフスタイルや目的に合わせたマッシュルームを選ぶとよいでしょう。
マッシュルームのカロリー
マッシュルームは、100gあたり15kcalとカロリーが低いです。
なおマッシュルーム以外のきのこ類も、一般的な食材と比べると低カロリーです。
参考までに、きのこ類のカロリーをまとめてみました。
きのこ類の中でも、マッシュルームは極めて低カロリーであるとわかりますね。
いつもの料理にマッシュルームを加えれば、カロリーを気にせずにうま味を加えられてオススメです。
またマッシュルームは、ホールのまま調理すれば食べ応えもあります。
したがって、マッシュルームはダイエット中も楽しめる食材と言えますね。
参考記事:きのこの栄養成分で健康をサポート~必見のダイエット効果や食べ方も大公開~
1日何個を目安に食べたらよいのか
「マッシュルームを1日何個食べるとよい」といった明確な基準はありません。
ただし栄養バランスを考慮すると、ほかのきのこと合わせて1日小鉢1皿分を食べるとよいでしょう。
なぜなら、厚生労働省が示す「健康日本21」では、健康な生活を維持するために「野菜を1日350g以上食べる」ことが推奨されているからです。
なおこの野菜の中には、マッシュルームなどのきのこも含まれます。
食材の種類にもよりますが、加熱した野菜やきのこだと小鉢1皿でおおよそ70gです。
したがって1日350g以上摂るには、1日に小鉢5〜6皿分の野菜が必要になります。
野菜も種類によって含まれる栄養素が異なりますから、できるだけ多くの食材を組み合わせると栄養も満遍なく補えます。
したがってマッシュルームを含むきのこも、1日小鉢1皿分を目安にするのが好ましいというわけです。
【簡単!】マッシュルームを使ったオススメレシピ
ここではうま味の相乗効果を狙った、きのこのガーリックチーズソテーをご紹介します。
うま味が引き立つからこそ、シンプルな味付けでも箸が進みます。
マッシュルームはホールでも、スライスでもよいので、お好みでお楽しみください。
【きのこのガーリックチーズソテー】
・マッシュルーム 6個
・お好みのきのこ 100g
・粉チーズ 大さじ1
・にんにく 1かけ
・塩 少々
・こしょう 少々
・オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
①きのこは石づきを取り、好みの大きさに切る。
②にんにくは薄切りにする。
③フライパンでオリーブオイルとにんにくを熱し、香りが出てきたらきのこを炒める。
④きのこに火が通ったら粉チーズ、塩、こしょうで味を調えたら完成。
まとめ
以上、マッシュルームの栄養について解説しました。
マッシュルームの代表的な栄養素は、次の通りです。
・食物繊維:生活習慣病の予防、免疫力アップ
・ビタミンD:免疫力アップ、カルシウムの吸収を助ける
新鮮なマッシュルームは生食もできますが、鮮度が落ちているものそうでない場合は加熱して食べましょう。
ご紹介したレシピも参考に、ぜひマッシュルームのうま味を味わってみてくださいね。
それでは当記事を参考に、マッシュルームの魅力を再認識していただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
板木利隆、白鳥早奈英監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)p88
国立がん研究センター東病院 調理のポイント うま味の活用
厚生労働省 e-ヘルスネット eJIM
農林水産省 特集1 きのこ(3) 詳しく知って楽しく食べよう!おいしいきのこ図鑑
食品安全委員会 【読み物版】 [生活の中の食品安全 -毒キノコに気を付けよう- その1] 平成28年9月16日配信
文部科学省 食品成分データベース