ボディメイクは食事の摂り方が重要!〜初心者の方にもわかりやすく解説〜
当記事の執筆は、健康運動実践指導者 河内義紀が担当しました。
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5月も下旬になり、少しずつ暖かくなってきましたね。
夏に向けて、「今年こそ、体を引き締めたい。」と思っている方が多いのではないでしょうか?体を引き締めるには、ボディメイクが有効です。
しかし、やり方を間違ってしまうと、引き締まらずに体重のみ減ってしまう可能性があります。
そこで、今回は体を引き締めるために必要な栄養素から食事のポイントまでご紹介します。ボディメイク初心者の方にもわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
ボディメイクとは
ボディメイクとは、「健康的で美しい体を作ること」をいいます。
ただ、体重を減らすだけでなく、理想的な体形に近づけることを重要視しているのが特徴です。主に、食事のコントロールとトレーニングを行い、引き締まった体を目指します。
ボディメイクとダイエットとの違い
ボディメイクとダイエット、よく聞く単語ですが目的が違います。体作りを行うなら、ぜひ違いを知っておきましょう。
まず、ダイエットとは、痩せることを目的としています。食事の制限やトレーニングなど、ダイエット方法はさまざまです。また、短期間でダイエットを行うと、リバウンドを引き起こしやすくなるため注意が必要です。
一方、ボディメイクは先ほどもふれましたが、理想的な体形に近づけることを目的としています。体重を減らすだけでなく、ボディラインを整えることがダイエットとの違いです。トレーニングで体を鍛えることで筋肉がつき、基礎代謝が高まります。
そのため、リバウンドのリスクが減るだけでなく、健康的に痩せることができるのです。
【大丈夫】ボディメイクで体重が増えるワケ
「食事や運動に気をつけているのに、体重が減らずにむしろ増えた。」という経験はありませんか?努力しているのに体重が減らないと、がっかりしますよね。では、なぜ体重が増えるのか理由を解説していきます。
まず、トレーニングを行った後から、体内に蓄積された脂肪が消費されます。
それと同時に、筋タンパク質の合成量(※)が増え、筋肉がつくのです。筋肉と脂肪では、筋肉の方が重い(体積が同じ場合)ため、トレーニング開始前より筋肉量が多くなると、体重が増えるのです。
一方、筋肉がつくと美しく引き締まった体を目指せます。まさに、「ボディメイク」できるのです。
そのため、多少の体重増加は気にせず、安心してトレーニングを行いましょう。
※筋タンパク質の合成量とは、筋肉(タンパク質)の量が増えること
ボディメイクに必要な栄養素を紹介
筋肉をつけて体を引き締めるには、体を構成する栄養素が欠かせません。
また、筋肉をつけるには、タンパク質や炭水化物だけでなく、脂質やビタミン・ミネラルなども必要です。
そのため、バランス(主菜・主食・副菜がそろっている)よく食べることがボディメイクには大切なのです。今回は、とくにボディメイクする上で欠かせない栄養素をご紹介します。
筋肉を作るための材料【タンパク質】
筋肉をはじめ、体を構成する栄養素の1つにタンパク質があります。タンパク質は、肉や魚・卵・大豆・乳製品などに含まれており、さまざまな食材からバランスよく摂ることが大切です。
また、タンパク質の摂取量は、人によって大きく変わってきますので、以下を参考に計算していきましょう。
タンパク質の推奨量
成人男性:60g、成人女性:50g
体重(kg)×タンパク質 1.5〜1.7(g)=1日に必要なタンパク質の量
たとえば、体重70kgだとすると、1日のタンパク質摂取量は105〜119gになります。複数回(間食もあり)に分け、タンパク質を摂ってみてください。
健康的な体を維持する【炭水化物】
体のエネルギー源であり、タンパク質の合成を助ける栄養素が炭水化物です。「炭水化物=太りやすい」と思っている方も多いと思います。
しかし、トレーニング中に炭水化物が不足してしまうと、筋肉を分解してエネルギーを作らなければなりません。
そのため、炭水化物は筋肉を維持したいボディメイクにとって、とても大事な役割を担っているのです。炭水化物の目標量は、以下を参考に計算してみましょう。
50〜65%(性別や年齢は問わない)
たとえば、1日の摂取カロリーが2,000kcalだとすると、炭水化物での摂取カロリーは1,000〜1,300kcalになります。
炭水化物は1gで4kcalであるため、250〜325gを摂る必要があるのです。
食事で意識するポイントを解説
ボディメイクでは栄養素も大事ですが、食べる時間や順番によって大きく効果が変わってきます。
これからお伝えするポイントは、ボディメイク初心者の方でも、すぐに実践できる内容です。ぜひ、今日から取り入れてみましょう。
筋トレ前後の食事のタイミング
筋肉を効率よくつけるためには、トレーニングを行う日の食事も大切です。トレーニング前後に摂るべき栄養素を解説していきます。
【筋トレ前】
筋トレ前は、炭水化物を中心としたバランス(主食・主菜・副菜がそろっている)の良い食事を摂りましょう。
筋トレは、多くのエネルギーを必要とします。空腹の状態でトレーニングを行うと、筋肉の分解が進み、運動の効果を低下させる恐れがあります。
そのため、体内にエネルギー源を蓄えておき、トレーニングする必要があるのです。
【筋トレ後】
筋トレ後は、タンパク質と一緒に糖質を摂取しましょう。
なぜ、タンパク質と糖質を摂るべきなのかというと、トレーニング後で筋タンパク質と筋グリコーゲン(※)の合成が高まって筋肉がつきやすい状態になっているからです。
そのため、運動後なるべく早く、栄養を補給することが大切です。
※筋グリコーゲンとは、筋に蓄えられる糖の一種
食べる順番は野菜→タンパク質→炭水化物
ボディメイクにおいて食べる順番は、体重の増減に大きく関わってきます。
体重を減らすには、「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番で食べることを意識しましょう。
野菜を最初に食べる理由は、急激な血糖値の上昇を防ぐためです。食事を摂る際、空腹であることが多く、食べた物が体に吸収しやすい状態になっています。
吸収しやすい状態で最初に炭水化物を入れてしまうと、血糖値が急激に上がり、太りやすくなるのです。
また、先に野菜から食べることで、糖質の摂り過ぎを防ぐ効果も期待できます。
参考記事:白米はダイエット中でも食べられる!〜太りにくい食べ方やその理由を一挙公開〜
プロテインを活用しよう
「身体を引き締めたい」と考えている人の中で、プロテインを飲もうか検討している方も多いのではないでしょうか。
では、プロテインのメリットをご紹介します。
・食事では補いきれないタンパク質を摂れる
・吸収が早く、筋肉の修復効果を高める
があげられ、タンパク質の摂取にプロテインは有効だと考えられますね。
プロテインを飲むタイミング
プロテインを摂取するタイミングは、筋トレ後の24〜48時間以内がベストです。筋肉を構成するタンパク質の合成速度は、運動後24〜48時間持続することが報告されています。
そのため、1日あたりのタンパク質必要量を確保できるよう、食事から摂るもの+αでプロテインを活用することが効果的です。
プロテインの摂取量
プロテインの摂取量は、人によって違います。なぜ、人によって違うかというと、体重や食事から摂っているタンパク質の量が異なるからです。
また、運動をしているかしていないかによっても、プロテインの量が変わってきます。
たとえば、ボディメイクを始めた体重70kgの方ですと、、1日のタンパク質摂取量は約105gとなります。1食あたりは35gですが、身近な食材に含まれるタンパク質量は、
・納豆(1パック50g)→8.3g
であり、毎食タンパク質35gを食事から摂取することはとても大変です。
そのため、食事で足りない分はプロテインを取り入れるようにしましょう。
プロテインの摂りすぎに注意
プロテイン飲料などによる人工的なプロテインの過剰摂取は、かえって腎臓の負担になってしまうこともあります。プロテイン飲料などは補助的に、1日の適量を守って摂取するようにしましょう。
理想的な体を作る生活習慣
ボディメイクは、生活習慣を改善することが基本です。「タンパク質を意識する」「食べる順番は炭水化物が最後」など食事の摂り方も生活習慣の一つです。
そこで、今回は食事以外で改善するべき生活習慣を紹介していきます。
運動で筋肉量を増やそう
ボディメイクでは、トレーニングで筋肉をつけることが大切です。筋肉の材料であるタンパク質を意識して摂っていても、筋肉に負荷をかけなければ、思ったように筋肉はつきません。
さらに、トレーニングは引き締まった体を作るだけでなく、太りにくい体質を作ることにもつながり、リバウンドの防止になるのです。
また、運動を行う上で大切なことは適切な強度で鍛えることです。適切な強度で鍛えていないと、うまく筋肉がつかなかったり、怪我につながってしまう可能性があります。
気になるトレーニングの強度などについては、来月のブログで詳しくご紹介します。お楽しみに!
質の良い睡眠で代謝アップ
体重を効率良く落とすには、睡眠中に体内から分泌される成長ホルモンが重要です。なぜ、成長ホルモンが大切かというと、代謝をコントロールする役割があるからです。代謝を高めることで、脂肪が燃えやすくなります。
しかし、睡眠の質が悪かったり睡眠時間が不足すると、成長ホルモンの分泌量が低下し代謝が落ちやすくなるのです。
そのため、睡眠の質を高めるため、以下の図を参考にしてみましょう。
(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット)
参考文献:40代が痩せるには何が必要?〜ダイエット方法やメニューをシンプルに紹介〜
まとめ
以上、ボディメイクにおける食事の摂り方を解説しました。
体を引き締めるには、タンパク質や炭水化物など、筋肉をつけるために必要な栄養素を積極的に摂ることが大切です。
また、ボディメイクをしている人の必要なタンパク質量は、
体重(kg)×タンパク質 1.5〜1.7(g)=1日に必要なタンパク質の量
そして、食事で意識するポイントは、以下の通りです。
・筋トレ後は、タンパク質と一緒に糖質を摂取する
・食べる順番は、野菜→タンパク質→炭水化物
・プロテインを飲むタイミングは、筋トレ後24〜48時間以内がベスト
(1日のタンパク質摂取量を確保できるよう、プロテインをうまく活用する)
さらに、運動や睡眠などの生活習慣を改善することで、理想的な体形が目指せます。
それでは当記事を参考に、食事の摂り方を意識して、ボディメイクに役立てていただけるとうれしいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値・体重・血圧などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
・若松和紀(2013):新版図解 スポーツトレーニングの基礎理論, 西東社
・Phillips SM et al. (1997).Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans. Am J Physiol. Jul;273(1 Pt 1):E99-107.