菊芋に血糖値の上昇を抑える効果があるって本当?~簡単レシピもご紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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11月~12月に旬を迎える菊芋は、生でも食べられてさまざまなメニューに活用できます。
最近では「血糖値にいい」などといって、菊芋の成分が入ったサプリメントをよく見かけますね。
でも、本当に菊芋には血糖値を抑える効果があるのでしょうか?
当記事では、菊芋に含まれる栄養とその効果や、簡単に作れるレシピまでご紹介いきます。
菊芋についてしっかり理解いただき、日頃の食生活に活かしていただければ嬉しいです。
目次
菊芋の栄養と効能・効果
菊芋はでんぷんをほとんど含まないため、じゃがいもなど他の芋類と比べると糖質が低めです。その量は、芋類の中でも糖質が少ないといわれる里芋のなんと1/5以下。
さらに、血糖値や血圧に働きかける栄養素を含んでいます。
イヌリンが血糖値を抑制
菊芋には、イヌリンと呼ばれる水溶性食物繊維が多く含まれています。ちなみに、生の菊芋100g中には最大で17gものイヌリンが含まれています。
イヌリンは、小腸における糖の吸収スピードを緩やかにして、食後の血糖値上昇を抑制する効果が期待できるのです。
そのため菊芋は低GI(※)食品にあたり、糖尿病の予防に役立つと考えられています。
※GI値とは食後の血糖値の上昇幅を数値化したものです。低いほど食後の血糖上昇が緩やかになります。
また、食べた物が胃から腸へ移るスピードを緩やかにするため、お腹が空きにくくなる効果もあり、つい食べ過ぎてしまう方のダイエットサポートにも役立ちます。
参考記事:イヌリンとは?効果からサプリの選び方までわかりやすく解説
参考記事:血糖値とダイエットの関係~急上昇を防ぐ食べ方で太りにくい食生活に~
カリウムが高血圧を予防
菊芋にはイヌリン以外にも、塩分を体内から取り除くカリウムが多く含まれています。カリウムの働きにより、塩分が体内に多いことで起こる高血圧にも予防・改善効果が期待できます。
その他、筋肉の痙攣(こむら返り)などを防ぐ役割もあります。
参考記事:高血圧を予防する生活習慣とは~5つのポイントを各分野の専門家が解説~
参考記事:足がつる人必見!原因とその予防法を食べ物と栄養素の面から解説します
食べてはいけない人はいるの?
とくに食べてはいけない方はいませんが、イヌリンなどの成分が体質的に合わない方もいます。一度菊芋を食べて、体に何らかの変化を感じた経験のある方は、控えたほうがよいでしょう。
食べ過ぎるとお腹が緩くなる
菊芋に多く含まれるイヌリンは、食べ過ぎると下痢を引き起こす場合もあります。菊芋は健康によいからといって食べすぎると逆効果です。食事・栄養はバランスよくとりましょう。
菊芋の選び方・食べ方
菊芋はスーパーなどでよく見かけますが、新鮮かつ美味しいものを求めるなら大きめで硬いものを購入するとよいです。そしてチップス、唐揚げ、味噌汁など、様々な食べ方と相性がよいので、あなたの好みにあわせて調理してみてください。
ただし注意点は、加熱しすぎるとイヌリンの成分が減少することです。生のまま、もしくは短時間での加熱が望ましいことを覚えておきましょう。
また、菊芋をお茶にしたものもあるので、機会あれば飲んでみるのもお勧めします。
簡単!とっておきのレシピを紹介~菊芋チップス~
お手軽にできるレシピといえば、菊芋チップス。
子どもから大人まで楽しめて、おやつにもピッタリです。
【菊芋チップス】
・菊芋 2~3個
・塩 お好みで
【作り方】
①菊芋をスライサーで薄く切る
②油で、きつね色になるまで揚げる
③適量の塩を振る
とても簡単なので、ぜひお試しくださいね。
菊芋サプリは効果ある?
通販でよく、イヌリンの効果を押し出した菊芋サプリが出ていますが、一般的には効果は見込めるでしょう。しかし、過度な依存は望ましくありません。サプリはあくまでも補助食品であることを忘れないでください。
まず大事なのは、あなたの食生活や運動のバランスを見直すことです。
菊芋の育て方・保存方法
日当たり、水はけのよい土壌に植え付け、関東近辺だと3月上旬ごろ、涼しい気候では4月下旬から5月上旬ごろまでに植え付けます。
11月下旬ごろに茎が枯れてきたら収穫は可能です。収穫後の菊芋は日持ちしにくいものの、収穫しなければ3月頃まで土の中で保存可能ですので、必要な分だけを少しずつ掘り出すことをオススメします。
そして収穫後自宅で保存する際は、栄養分を残すためなるべく土を残したまま水洗いはしません。鮮度を保つため冷蔵庫に保存しておくとベターです。
まとめ
以上、菊芋についてまとめました。
イヌリンによって血糖値を抑え、カリウムにより血圧を抑制する効果があり、あらゆる食べ方が楽しめる菊芋。
ぜひ、スーパーで見かけたら当記事を思い出して、日々の食生活に取り入れてください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。菊芋など日々の食事管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
JAグループ 秋・冬の旬野菜 キクイモ(菊芋)
診療と新薬 2018; 55: 605-612 菊芋による食後血糖値上昇抑制効果
J-Stage キクイモ中のイヌリンの分析