冬瓜に栄養はあるの?~効果効能から簡単レシピまで管理栄養士がご紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
冬の瓜と書いて「冬瓜(とうがん)」と呼ぶウリ科の野菜。名前に冬がついているのに、その旬はなんと7月~8月の夏なのです。
同じウリ科のキュウリと比べると、まだまだメジャーな野菜とは言えませんが、実は大きく食べるところも多いので、1度買うとさまざまな料理に使えますよ。もちろん、体に嬉しい栄養もしっかり含まれています。
今回は、冬瓜の栄養とその効果、また調理方法についてもご紹介します。
冬瓜を食べたことがある人もない人も、今日のごはんに作りたくなるヘルシーレシピも必見です。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
冬瓜の栄養と効能効果
冬瓜は約95%が水分でできており、おもな栄養素はカリウム、食物繊維があります。
カリウムでむくみ対策
カリウムの働きは、体の余分な塩分を水分と一緒に排出することです。これにより、むくみの解消が期待できます。
カリウムは水に溶けだしやすい性質があるので、冬瓜を食べるときは煮汁も一緒に食べるような調理法がオススメですよ。
食物繊維が腸内環境を改善
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ働きが異なります。
水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になって腸内の有害物質を絡めとって排出する働きがあります。その他にも、腸から糖やコレステロールの吸収を抑制する効果も期待できるのです。
一方、不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸壁を刺激することで便通を促す働きがあります。ちなみに、冬瓜にはこの2種類の食物繊維が両方とも含まれていますよ。
参考記事:食物繊維を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介~ダイエット中にオススメな理由も解説~
皮やわたに栄養はあるの?
冬瓜を調理する際捨ててしまいがちな皮とわたですが、じつはこれらにも栄養は含まれています。
さらに、皮は「冬瓜皮(とうがんひ)」として古くから漢方薬に使われていました。
実際に漢方薬として使う場合は、他の漢方薬と組み合わせて使うので単体で使用することはほとんどありませんが、せっかく栄養があるのに捨ててしまうのはもったいないですよね。
そこで、皮は細く切って炒めるときんぴらに、わたは一口サイズにきって味噌汁の具として食べられます。
冬瓜は栄養がないと言われるワケ
先ほども触れましたが、冬瓜の約95%は水分でできているため栄養素の密度が低いといえます。
そもそも、冬瓜にはカリウムや食物繊維などの栄養が含まれていますが、水分量が多いために同じ重量の野菜類と比較すると、含まれている栄養素量は低い傾向にあるのです。
これが、冬瓜は栄養がないと言われる原因と考えられます。
低カロリーでダイエットにオススメ
冬瓜100gのカロリーは、なんとたったの16kcal!そのため、ダイエット中の方にはぜひ食べていただきたい食材でもあります。
また、カリウムと食物繊維はどちらもスリムな体づくりに欠かせない栄養素です。この2つを同時に摂れる冬瓜は、まさにダイエッターの味方と言えるでしょう。
ちなみに、冬瓜と同じように栄養がないと思われる野菜にきゅうりがあります。きゅうりは、「カロリーが低い野菜」としてギネス世界記録に認定されているのです。
どちらも、水分が多いためにカロリーが低いので、暑い夏は水分で体を冷やしつつ低カロリーな冬瓜やきゅうりをダイエットに活かしたいですね。
参考記事:きゅうりは栄養がない?~効能とあわせ管理栄養士が徹底解説~
冬瓜は下ごしらえでもっとおいしくなる!
冬瓜をおいしく食べるポイントは「下ごしらえ」です。他の野菜のように切ってそのまま調理もできますが、ウリ科独特の青臭さが苦手な方は食べにくいと感じるでしょう。
そこで、冬瓜の下ごしらえのポイントを2つご紹介します。
皮は厚めにむく
冬瓜の皮は硬いため、薄くむいてしまうと口当たりが悪くなってしまいます。
調理法によっては、皮を薄くむいて緑色を映えさせますが、その際は皮側に細かく切り込みを入れて火が通りやすい工夫をします。
一度ゆでてから調理する
冬瓜の果肉は茹ですぎると煮崩れてしまいます。そのため、下ゆでをして火を通すことで調理の際加熱する時間を短くでき、煮崩れを防げますよ。
また、下ゆですると味もしみやすくなるため、時短につながります。
余ったら冷凍保存する
大きな冬瓜を一度に調理して食べるのはなかなか難しいですよね。そんなときは、下ごしらえした冬瓜を冷凍保存するとよいですよ。
冷凍ができる保存袋に入れ、1週間を目途に食べきりましょう。
参考記事:冷凍野菜に栄養はあるの?~オススメレシピとともに管理栄養士が解説~
冬瓜の栄養を余すことなく摂れる調理法
先ほどもご紹介したとおり、冬瓜に含まれるカリウムは水に溶けやすいため、冬瓜は煮汁も食べる調理法がオススメです。
そこで、今回は夏が旬の冬瓜を使ったレシピのご紹介です。夏の暑さにも負けない、スタミナ満点のレシピですよ。
【冬瓜入り夏野菜カレー】
・冬瓜 100g
・なす 60g
・ピーマン 50g
・玉ねぎ 50g
・トマトジュース 100ml
・鶏むねひき肉 150g
・水 400ml
・サラダ油 小さじ1
☆にんにくチューブ 3cmくらい
☆しょうがチューブ 3cmくらい
☆カレールー 2皿分
☆塩、こしょう 少々
(作り方)
①なす、ピーマン、玉ねぎを一口大に切ってサラダ油とともにボールに入れたらサラダ油500Wの電子レンジで2分加熱する。
②鍋に水と鶏むねひき肉を入れて、中火で5分加熱する。
③②に一口大に切った冬瓜を入れて、さらに5分加熱する。
④火を止めて、トマトジュース、①、☆を入れて中火で3分加熱する。
⑤ごはんを盛った皿に盛りつけたら完成。
(ポイント)
・鶏ひき肉と一緒に冬瓜を茹でることで、鶏のうまみと冬瓜の栄養が無駄にならない
・じゃがいもや人参のかわりに冬瓜を入れてカロリーオフ
・カレーの香りで冬瓜の青臭さをカバーするので、苦手な方でも食べられる
今回は市販のルーを使用しましたが、カレー粉と片栗粉を使えばよりヘルシーになりますよ。
また、市販のルーでは一般的なルーより糖質を抑えたものもあるので、ダイエット中に糖質制限をしている方にはオススメです。
参考記事:トマトジュースの効果効能~飲み方を知るともっと効果的に~
おいしい冬瓜の選び方
せっかく調理するなら、おいしい冬瓜を選びたいですよね。
食べごろの冬瓜は、以下のような特徴があります。
・皮にある星模様がくっきりと見える
・表面に粉がふいている
また、ずっしり重みがあると実の詰まったものを選べますよ。お買い求めの際、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
夏が旬の冬瓜は約95%が水分でてきているので、栄養素の密度が低いために「栄養がない」と思われがちですが、カリウムや食物繊維などの栄養が含まれています。
また、調理の過程で捨ててしまいがちな皮やわたにも栄養があるので、捨てずに一工夫して食べるとよいですよ。
また、冬瓜をおいしく食べるには、皮を厚くむいたり下ゆでをするなどの下ごしらえがポイントとなります。
大きな冬瓜を買った時は、下ごしらえをして冷凍用の袋で保存できますよ。時短にもなりますし、家計にも優しいですね。
それでは当記事でご紹介した情報を参考に、低カロリーでヘルシーな冬瓜を日々の食事にとりいれてみてください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【参考文献】
・文部科学省 食品データベース
・板木利隆、白鳥早奈英監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)