スイカの栄養と効果はすごい~皮や種にも栄養があるのかもわかりやすく分析~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
甘みと爽やかな食感が魅力的なスイカ。
暑い季節になると、冷たいスイカを食べたくなる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、スイカの栄養や効能について分かりやすくお伝えしていきます。
さらに、スイカの種や皮にも栄養があるのか、スイカは本当に腎臓に良いのか、についてもご紹介しますので最後までお付き合いください。
目次
スイカの栄養成分と効能
スイカはほとんどが水分ですが、美肌にも期待できる栄養素が多く含まれます。
それでは順に解説していきますね。
むくみ解消にはカリウム
スイカはカリウムが豊富です。
カリウムは食事で摂り過ぎた塩分を尿中に排泄する働きがあるので、むくみ解消や高血圧予防が期待できます。
アンチエイジングにはβ-カロテン
スイカに含まれる赤色成分は、β-カロテンによるものです。
β-カロテンには強い抗酸化作用があるため、シミやしわの予防といったアンチエイジングに役立ちます。
そしてβ-カロテンは、体内で必要量に応じてビタミンAに変換される栄養素で、目を乾燥から守るために視力も調整するだけでなく、免疫機能の改善にも重要な働きをしています。
血流改善にはシトルリン
シトルリンは、尿成分を作るのに必要なアミノ酸の一種です。シトルリンは血流を改善する働きがあり、動脈硬化を予防する働きが期待できます。
さらに利尿作用もあるため、高血圧やむくみ防止にも効果的です。
ちなみに、シトルリンは1930年にスイカの果汁から発見されたことから、スイカの学名「シトルラス」にちなんで名づけられました。
ビタミンC
スイカはビタミンCも豊富です。
ビタミンCには抗酸化作用があるため、ストレスや風邪に対する抵抗力を高めます。
さらにビタミンCには、皮膚や血管の老化を防ぐほか、皮膚の元となるたんぱく質のコラーゲンを作る働きもあるため、美肌効果も期待できます。
リコピン(抗酸化作用)
スイカの赤い色は、リコピンと呼ばれる赤い色素成分によるものです。
スイカに含まれるリコピンの量は、なんとトマトの1.5倍。
リコピンにも強い抗酸化作用があり、動脈硬化などの生活習慣病の予防や肌のシミやしわの予防、さらには美白効果も期待できます。
種類が違うと栄養も変わるのか
結論から申し上げますと、スイカの種類によって栄養は変わります。最近よく見かけるようになった黄色いスイカは、赤いスイカよりβ-カロテンとリコピンの量が少ないです。
というのも、β-カロテンやリコピンは赤い色素成分のため、赤いスイカの方が黄色いスイカより多く含むからです。
しかしその他の栄養素はほぼ同じのため、β-カロテンやリコピンの抗酸化作用を得たい場合は、赤いスイカを選ぶと良いでしょう。
種や皮にも栄養がある
多くの人が捨ててしまうスイカの種や皮にも、実は栄養が含まれています。
まず、スイカの種にはリノール酸が豊富で、コレステロールを低下させる働きが期待できます。
スイカの種は煎じて飲んだり、フライパンなどで炒るとナッツのように香ばしく食べることができるので、ぜひお試しください。
さらに、スイカの皮には果肉より利尿作用が期待できます。
というのも、スイカの皮にはシトルリンやカリウムが豊富に含まれるからです。
普段は捨ててしまう皮ですが、浅漬けやピクルスにして美味しく食べられるため、余すことなくスイカを楽しみましょう。
参考記事:スイカのカロリーと糖質は低い〜適量や栄養素も分かりやすく紹介〜
スイカに栄養がないといわれるワケ
巷では「スイカには栄養がない」といったうわさを聞きます。
あくまで予想ですが、スイカは水分が多く、他の果物より栄養素の密度が高くないからだと考えられます。しかし、先ほどもお伝えした通り、スイカはビタミンやミネラルなどを含んでいるので、栄養はしっかりありますよ。
スイカを食べすぎたら太る?
結論から申し上げますとスイカは食べすぎないなど、食べ方に注意すれば太りません。スイカはのどごしも良いためたくさん食べられそうですが、量を守って食べることが必要です。
ダイエット中にもおすすめのスイカの食べ方
ダイエット中にもおすすめのスイカの食べ方を2つご紹介します。
①1日に食べる目安量は1/8切れ
スイカを食べる1日の目安量は、200g(※)です。
(※)厚生労働省が定める“健康日本21”では、健康増進のために1日200gの果物を取り入れることを推奨しています。
なお200gは、S玉のスイカだと1/8切れ、3cm角カットにされたパック詰めのもので約6個分に相当します。
②朝や昼に食べる
果物は活動時間が多くなる朝や昼に食べることをおすすめします。
なぜなら夜はエネルギー消費が少ないため、食べた余分なカロリーは体に脂肪として蓄積されてしまうからです。
妊婦はスイカを食べても良いの?
妊娠中もスイカを食べても大丈夫です。
というのも、理由は2つあります。
②妊娠中に不足しがちな鉄分の吸収を助けるビタミンCが含まれている
妊娠中にも嬉しいスイカですが、水分の多いスイカを食べすぎると体を冷やしてしまう可能性があるため、適度な量を心がけると良いでしょう。
スイカは腎臓によいのか
結論から申し上げますと、特に腎臓の機能が弱っている方にスイカはあまりお勧めできません。
というのも、利尿作用があるカリウムがスイカには豊富ですが、腎臓の機能がかなり弱っている場合は、カリウムを尿中に排泄することが難しくなるため血中にたまってしまうのです。
その結果、不整脈やしびれといった症状が出てしまいます。
スイカは水分やカリウム含有量が多いため、腎臓の機能が良い方は塩分も尿中に排泄しやすくなることから、世間的に“スイカは腎臓に良い”というイメージが強いでしょう。
しかし先ほどもお伝えした通り、腎臓の機能が弱っている方は過剰にスイカを摂取することは控えたほうが良いです。
まとめ
以上、スイカにはビタミンCやカリウム、リコピンなど私たちの体にとって嬉しい栄養素が豊富です。
さらに、抗酸化作用が強いリコピンやβ-カロテンも含まれているため、美容にも良いと言えるでしょう。そして普段捨ててしまうことの多い種や皮は、実は栄養が含まれていることもポイントです。
ただしスイカはカリウムが多いので、腎臓の機能が弱っている方は過剰摂取を控えるようにしてください。
今回の記事により、夏の風物詩であるスイカを美味しく食べていただけると嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料の人気アプリ・シンクヘルスでは食事、体重、運動、血糖値の記録がとてもカンタンにできます。日々の健康管理・維持にぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
カロリーSlism
独立行政法人農畜産業振興機構 すいか
独立行政法人農畜産業振興機構 すいか
大阪市立総合医療センター 腎臓よもやま話
信州大学医学部腎臓内科 スイカは腎臓に良い…?