わらび餅のカロリー・糖質は高い~ダイエット中もOKな手作りわらび餅もご紹介~

当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)
プルプルとした触感が人気のわらび餅。
あまり知られていないかもしれませんが、わらび餅の原材料は「本わらび粉」と「わらび餅粉」と大まかに2種類あり、それぞれ全く違うものです。
そして、涼しげでヘルシーなイメージのあるわらび餅ですがカロリーと糖質は高めです。
そこで当記事では、わらび餅の原材料におけるそれぞれの特徴をもとに、カロリーや糖質量、そしてなぜカロリーや糖質量が高いのかを分かりやすくお伝えしていきます。
ダイエット中でもOKな“カロリー&糖質オフの手作りわらび餅”のレシピもご紹介しますので、最後までお付き合いください。
目次
本わらび餅のカロリー・糖質(100gあたり)
本わらび粉(※)から作られている本わらび餅は、1パック(1人前)あたり314kcal・糖質59.8gでカロリー・糖質共に高いです。
(※)わらびの根に含まれるでんぷんから作られます。ここでは主に西日本で販売されている明日香野の本わらび餅の数値をご紹介しています。
参考サイト:明日香野
しかし本わらび粉は取れる量も少なく、製造にも手間がかかり希少価値が高いことから、本わらび餅は主に高級和菓子店などで販売されています。
スーパーのわらび餅のカロリー・糖質は?
スーパーでよく見かける透明のわらび餅は、1個(16g)あたり27kcal・糖質4.7g(※)で、1個当たりで見るとカロリーや糖質は少なめです。
(※)片栗粉で作った場合の数値
スーパーのわらび餅は、わらび餅粉が使われています。わらび餅粉はさつまいもやタピオカ・葛(くず)などから取れるでんぷんで作られているため、本わらび粉に比べて手に入りやすい食材と言えますね。
1パックだとどのぐらい?
わらび餅1パック(※)のカロリーは285kcal・糖質66.5gで、カロリー・糖質共に高いです。
(※)内容量が180g、きなこと黒蜜が添付されているタイプのもの
次に代表的な和菓子と、わらび餅のカロリーや糖質を比べてみましょう。
このように他の和菓子と比べても、わらび餅1パックはカロリーや糖質が高い事が分かりますね。
きなこと黒蜜のカロリー・糖質
きなこと黒蜜の100gあたりのカロリー・糖質も見てみましょう。
まず“きなこ”ですが、たんぱく質食品に分類されるため、カロリーは高いですが糖質は低いですね。
しかし砂糖が混ざっている“きなこ”は、砂糖なしの“きなこ”に比べると糖質量が約8倍も多くなります。
なおわらび餅に添付されている“きなこ”は砂糖入りのものが多いので、糖質が気になる方は砂糖が入っていない“きなこ”をかけるとよいでしょう。
次に黒砂糖が原料である黒蜜も、上の表からカロリー・糖質共に高いことがわかりますね。
上白糖に比べるとミネラルが含まれていて身体によいイメージがある黒蜜ですが、カロリーや糖質が気になる場合は控えた方が良いでしょう。
わらび餅の栄養成分
わらび餅はカロリーや糖質が高く、たんぱく質や脂質といった他の栄養素はほとんど含まれていません。
なぜならわらび餅は、さつまいもやタピオカ等のでんぷんに砂糖を混ぜて作られているからです。
糖質は私たちの身体を動かすためのエネルギー源となりますが、摂りすぎると肥満(※)につながります。
(※)糖質が多いものを食べると血糖値が急激に上昇するため、血糖値を下げるホルモンのインスリンが過剰に分泌されます。すると過剰に分泌されたインスリンが原因で、糖を中性脂肪に変えてしまい身体にためてしまうため
カロリーや糖質が気になる時は、わらび餅の量を調整する方がよいでしょう。
抹茶味のものは?
抹茶味のわらび餅の栄養成分も、プレーンタイプのものとほとんど変わりません。
ですが抹茶を使用することで摂れる栄養素がいくつかありますので、解説していきますね。
①カテキン
お茶の苦渋味(くじゅうみ)成分で、ポリフェノールの一種です。カテキンには抗酸化作用や抗ウイルス作用・虫歯や口臭予防などがあり、健康や病気の予防に役立ちます。
②テアニン
日本茶の旨味成分です。リラックス作用があるだけでなく血行にも効果があります。
③カフェイン
苦み成分のことで温水によく溶けます。カフェインには利尿作用や二日酔い防止作用の他に覚せい作用もあるため、疲労感や眠気対策にも効果が期待できますね。
④ビタミンC
水溶性ビタミンのひとつで、日焼けを防ぐ効果や病気に対する抵抗力を高める働きがあります。
⑤ビタミンK
血液凝固促進や骨の形成に関与している脂溶性ビタミンです。
⑥ビタミンA
脂溶性ビタミンのひとつで、抵抗力を強めたり目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあります。
糖質制限中は食べても大丈夫?
結論から申し上げますとわらび餅は糖質が高いため、糖質制限中は控えた方がよいでしょう。
さらにわらび餅に添付されているきなこや黒蜜の糖質が高いということも、注目すべき点ですね。
ダイエットには向いている?
わらび餅はでんぷんや砂糖を使って作られているため、ダイエットにもあまり向いていない和菓子と言えます。
とはいえダイエット中に食べたくなった時に、3つの食べ方のポイントがありますので解説していきますね。
①きなこのみ、まぶして食べる
わらび餅にも砂糖が混ざっていてすでに甘いので、添付されている黒蜜はかけずきなこのみまぶして食べると良いでしょう。
②朝や昼、つまり活動時間が多い時間帯に食べる
夜はエネルギー消費が少ないため、余分なカロリーは身体にたくわえられてしまうので、活動時間が多い朝や昼がオススメです。
③食べる量に気を付けましょう
間食は一般的には1日200kcal程度が適量だと言われていますが、ダイエット中は1日で摂取するエネルギーが消費エネルギーを超えないように食事と間食の両方を調節する必要があります。
例えばわらび餅ですと、小皿に数個だけ取り分けてから食べることで、食べる量を減らせるだけでなく満足感も出やすくなりますよ。
参考記事:ダイエット中におやつはOK?〜選び方・おすすめレシピ・ランキングを一挙公開~
今話題のサイリウムわらび餅って何?
サイリウムわらび餅とは、片栗粉やさつまいもデンプンの代わりにサイリウムを使用して作ったわらび餅のことを言います。
具体的にはサイリウムとはインドオオバコの種皮を原料とした水溶性食物繊維の一種で、便の水分保持や便量の増加やコレステロールの低下作用が期待できます。
サイリウムはネット等でも購入できるので、気になる方は使ってみるのも良いでしょう。
【保存版】カロリー&糖質オフ!手作りわらび餅
わらび餅粉の代わりにサイリウムを用いた、食物繊維が豊富なわらび餅です。また今回使用しているラカントはカロリーゼロの甘味料で、血糖値にも大きく影響しないと言われています。
【カロリー&糖質オフ!手作りわらび餅】
・サイリウム 大さじ1
・ラカント 小さじ2
・水 300ml
・きな粉 適量
【作り方】
①鍋にサイリウム、ラカント、水の順に入れ、火にかけず粉っぽさが無くなるまでよく混ぜる。
②①が混ざったら中火にかけ、木べらなどでひたすら混ぜる。粘り気が出て全体的に透き通ってきたら火を消す。
③タッパ―などの容器に入れ、あら熱を取ってから冷蔵庫で固まるまで冷やす。
④好みの大きさに切ったものをお皿に盛り付けて、きな粉をまぶしたら出来上がり。
まとめ
以上、わらび餅はでんぷんと砂糖で作られているため、カロリー・糖質共に高い和菓子であることが分かりましたね。
さらにわらび餅に添付されているきなこや黒蜜もカロリーや糖質が多いので、ダイエットや糖質制限中は砂糖の入っていない純粋なきなこのみかけて食べる等の工夫をすると良いでしょう。
最近ではでんぷんの代わりに、サイリウムを使った食物繊維が豊富なわらび餅もあるので、気になる方は試してみるのも良いですね。
今回の記事により、プルプルとした触感のわらび餅をうまく取り入れて、ダイエットを楽しんで頂けると嬉しいです。
なお弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
■参考文献
食品成分データベース
eat smart カロリーチェック
カロリーSlism
Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. 46, 成人女性に対するサイリウム粉末飲料の摂取による便への影響
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 茶と野菜の栄養分の比較
厚生労働省 e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)
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