柿&干し柿のカロリーと糖質は高い?~栄養素と効能もまとめて紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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秋の果物といえば、柿。昔から庭木としても親しまれていますね。
日本の甘柿として有名なものに「富有柿」と「次郎柿」があり、それぞれ果肉の柔らかさが異なります。富有柿は柔らかく、次郎柿は硬いことから、「富有は顎で食べ、次郎は歯で食べる」ともいわれています。
そして品種の違いだけでなく、ドライフルーツにしたりと、柿はいろいろな食感や味を楽しめるのも魅力です。
そこで今回は、柿のカロリーや糖質、健康効果についてお伝えします。
一般的な果物の中で糖質はやや高め、カロリーは普通くらいの柿。ダイエット中に楽しむための方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
柿1個のカロリーと糖質量
柿1個(200g)は126kcal、糖質は26.6gと、お茶碗半分のご飯(白米75g)とほぼ同じです。
他の果物と比較するとどうか
柿は一般的な果物の中ではカロリーは普通くらい、糖質はやや高めです。それでは同じく秋が旬の果物である、りんごや梨と比べてみましょう。
カロリー | 糖質 | |
柿 | 63kcal | 13.3g |
りんご | 56kcal | 12.9g |
梨 | 38kcal | 8.3g |
※100gあたり |
このように、柿はりんごや梨に比べて、カロリーと糖質が高いとわかりますね。
参考記事:りんごはダイエットに向いている?糖質・カロリー・栄養から効果を解説
参考記事:梨はカロリー&糖質が低めでダイエットにオススメ!〜健康効果もご紹介〜
富有柿も同じ?
富有柿のカロリーと糖質も、先ほどお伝えしたものと同じです。
柿の品種によって多少糖度は異なりますが、カロリーや糖質は基本的に同じと考えてよいでしょう。
干し柿1個のカロリーと糖質量
干し柿1個(30g)は82kcal、糖質は17.6g(差引き法による利用可能炭水化物)です。
つまり1個あたりで比べると、生の柿より干し柿の方が低カロリーです。
1個あたりのカロリー | 100gあたりのカロリー | |
生の柿 | 126kcal | 63kcal |
干し柿 | 82kcal | 274kcal |
一方それぞれ100gあたりで比べると、干し柿は生の柿に比べてカロリーが4倍以上になっていますね。
これは干し柿にすることで柿の中の水分が減ったため、栄養がギュッと濃縮されてカロリーが高くなったからです。
干し柿を食べたら太る?
干し柿は、食べすぎれば太ります。
先ほどお伝えした通り、干し柿1個あたりのカロリーは82kcalなので、1日1個食べる分には大きな体重増加につながらないでしょう。
しかし1個あたりの量が少ないからといって、1日に3個も4個も食べてしまうと当然カロリーや糖質の過剰摂取となり、体重増加の原因となります。
参考までに、干し柿1個分のカロリー(82kcal)を消費するのに、体重60㎏の人では26分のウォーキングが必要です。
関連記事:干し柿の栄養は健康と美容に効果的!食べすぎによる注意点も詳しく解説
あんぽ柿はどうか
干し柿よりもジューシーでやわらかい食感のあんぽ柿は、100gあたり172kcalでおなじ重量の干し柿よりも低カロリーです。
その理由は水分量にあります。干し柿・あんぽ柿・生の柿の水分量を比較すると、
干し柿<あんぽ柿<生の柿
となります。そして、100gあたりのカロリー量は
干し柿>あんぽ柿>生の柿
の順となり、水分量に反比例してカロリーが高くなるのです。
柿&干し柿の主な栄養と健康効果について
生の柿と干し柿の主な栄養素を下記にまとめました。
ビタミンC | 食物繊維 | |
生の柿 | 70mg | 1.6g |
干し柿 | 2mg | 14.0g |
※100gあたり |
生の柿から干し柿にすることで、ビタミンCは大幅に減っていますが、食物繊維は増えていることがわかりますね。
果物は一般的にドライフルーツにすることで、ビタミン類は減り、食物繊維が増えます。
柿のビタミンCで病気の抵抗力UP
生の柿1個に含まれるビタミンCは140mgです。したがって、柿を1個食べれば1日に必要なビタミンC(※)が摂れます。
(※)ビタミンCの推奨摂取量は15歳以上で1日100mg
ビタミンCは抗酸化作用があるので、動脈硬化の進行を抑える働きが期待できる栄養素です。
また、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を高める働きもあります。
しかし、干し柿にするとビタミンCが著しく減ってしまうので、ビタミンCを補いたい場合は生の柿を食べるようにしましょう。
干し柿の食物繊維は便秘対策に役立つ
食物繊維には水溶性と不溶性があり、干し柿には不溶性食物繊維が多く含まれます。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便を増やすことによって、排便を促すため便秘対策に効果的です。
参考までに、水溶性食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑えたり、血中のコレステロールを下げる働きがあります。
ダイエット中の食べ方を紹介
ダイエット中には、柿を間食に食べるのがオススメです。
ダイエットをしていると、甘いものが食べたくなることはありませんか?
柿は甘みや食べ応えがあり、ダイエット中に不足しがちな満足感を得られます。
とくに干し柿には食物繊維が豊富ですから、よく噛む必要があり満腹感に繋がります。小腹がすいたときに、ピッタリの果物ですね。
一般的には1日に200kcal程度の間食が適量だといわれていますが、ダイエット中は100kcal程度に抑えると1日に摂取するカロリーの調整がしやすくなります。
したがって生の柿、干し柿ともに1日1個を目安にして食べるとよいでしょう。
参考記事:ダイエット中に間食を選ぶポイントとは?〜ランキングやレシピも大公開~
まとめ
以上、柿は1個(200g)あたり126kcal、糖質26.6gで、一般的な果物の中ではカロリーは普通、糖質はやや高めであることがわかりましたね。
なお干し柿にすることでカロリーや糖質は高くなりますが、1日1個であればダイエット中の方でも安心して食べられるでしょう。
自然の甘みと食べ応えのある柿を活用して、満足感の得られる無理のないダイエットに活用していただければ幸いです。
生の柿、干し柿、あんぽ柿で食感も味も異なりますので、この機会にぜひ食べ比べてみてくださいね。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動や食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 健康づくりのための運動指針 2006
富山県農林水産総合技術センター食品研究所 とやまの農産物の機能性成分データ集
公益財団法人 健康長寿ネット
厚生労働省 e-ヘルスネット