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ピアサポートってなに?同じ悩みを持つ人とつながろう

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ピアサポートってなに?同じ悩みを持つ人とつながろう

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師  石倉美希が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

病気の治療を続けていると、「なかなかこの大変さはわかってもらえないな」と悩むことはありませんか?

また「同じ病気の人はこういうときにどうしているのかな」と情報が欲しいと感じるときもありますよね。

こうした思いを支えるしくみにピアサポートがあります。

今回はピアサポートとは何か、どんな効果があるのかをわかりやすくまとめました。

ぜひ最後までお付き合いください。

 

ピアサポートとは

ピアサポートとは

ピアサポートとは、障害や病気を経験した方が、その経験を生かしながら同じ障害や病気のある方の支援をすることです。

ピア(Peer)は同等のもの、仲間、同僚という意味があります。

広がりの歴史

ピアサポートは、1900年頃、アメリカの精神障害者が非人道的な精神科医療に対して、自らや仲間の人権を擁護するために始まった活動に起源があるといわれています。その後、同じような生きづらさを持つ当事者同士が、自分自身の体験を生かして支援することの有効性が広まり、セルフヘルプグループが結成されていきました。

日本においても、1980年代頃から、精神障害者の相互支援を目的とした患者グループの形成が全国的に広がるようになり、ピアサポートの概念が広まっていきました。

さらに、身体障害を持つ方や難病患者が抱える特有の生きづらさに対しても、ピアサポートの概念が広がり、ピアサポートはさまざまな障害や疾患においても取り入れられるようになったのです。

ピアサポートによる効果

ピアサポートによる効果

ピアサポートの効果は同じ経験をした人同士の精神的な支え、新たな情報を得ることの大きく2つがあります。

精神的な支え

同じ経験をした人にしか理解できない悩みや苦しさを共感してもらえるのが、ピアサポートの強みです。お互いの経験を伝え合うと「自分だけではない、同じように頑張っている人がいる」と感じられるでしょう。

また、自分の体験を誰かに伝えることで役に立っている感覚が得られると、自分自身に対する価値を再認識する機会となります。

新たな情報の交換

病気や障害と付き合いながら生活している方は、それぞれが生きづらさと向き合う工夫をしていらっしゃることでしょう。独自の工夫をピアサポートとして共有することで、自分以外の誰かにとって新しい情報として役立ててもらえる可能性があります。

同時に、自分自身も新たな情報をもらうチャンスです。とくに糖尿病などの慢性疾患は、生活に密着した自己管理が必要なため、医療機関でのケアよりもより生活に近い視点でのケアが重要になってきています。

ピアサポートだからこそ得られるリアルな声が聞けるかもしれません。

糖尿病とピアサポート

糖尿病に関して、ピアサポートを受けている人は受けていない人に比べ、健康的な食事への取り組みが積極的であることや糖尿病に伴う不安が少ないという研究があります。

「自分自身も頑張ろうという気持ちになる」「自分の経験を活かして他の患者さんの役に立ちたいと思う」という気持ちは、治療を進めていくための大きな支えになりますね。

長く続く治療の中で気持ちが落ち込んでしまうときに、同じ体験をした人からの励ましの声があると気持ちも楽になるかもしれません。

参考記事:糖尿病患者さんはうつ病を併発しやすい?心との関係や治療法を紹介

注意すべきデメリットも

ピアサポートのデメリットとしては、お互いがサポーターとなるために、コミュニケーションに疲れやすい点があります。

完全に同じ体験をしているとは限らないため、同じ障害・疾患であっても共感しにくい悩みが話題になるときもあるでしょう。ライフスタイルや価値観もそれぞれであるため、生きづらさに対して行っている工夫が、その人には当てはまらないこともあります。

お互いの経験はあくまで個人の体験談であり、誰にとっても上手くいく例ではない、と念頭に置いておくことも大切です。

どんな場所で行われているの?

どんな場所で行われているの?

基本的には病院で行われていることが多いです。障害・疾患によっては保健所や疾患センターで行われるものもあります。NPO法人やボランティアが運営しているものもあり、ピアサポートが受けられる場所は意外と多いのです。

具体的な活動内容

自由に交流を深め、悩みを相談したり情報を交換する場としている場合や、ゲストスピーカーを招き、障害や疾患に対する新しい情報を得る機会としている場合もあります。

参加者は当事者の方だけでなく、その分野に詳しい医師や看護師、ケースワーカーなどが一緒に参加し、ピアサポートのチームとしているケースもあるようです。

ピアサポーターになるには

ピアサポーターになるには

ピアサポートを提供する人をピアサポーターと呼びます。

自分自身の経験を活かしてピアサポーターになりたい場合、とくに資格は必要ありません。

しかし、サポートを提供することによって、思ったより多くの時間を割くことになったり、気疲れしてしまったり、良い面ばかりではないため注意が必要です。

負担感を軽減するには、ピアサポーターとしての技術を磨くための研修に参加してみるのもよいでしょう。

これまでピアサポートに触れた経験がない方は、まずピアサポートの会に参加し、ピアサポーターがどんな活動をしているのかを知ることから始めてみましょう。

シンクヘルスの「仲間」もピアサポート

シンクヘルスの「仲間」もピアサポート

近くにピアサポートの会が見当たらない、忙しくて参加できそうにないという方は弊社の無料アプリ:シンクヘルスの「仲間機能」を活用してみてください。

「仲間機能」ではオススメのユーザーが提案され、同じ悩みを持つ人の取り組みを知ったり、情報交換ができます。

食事や運動の管理を頑張っている様子を見ると、「自分も頑張るぞ」という気持ちになれますよね。

お互いにフォローし合えば、伝言板でのやり取りができますので、お互いに励まし合いながら治療を続けられます。

参考記事:シンクへルスアプリの紹介記事②(後編)

まとめ

以上、ピアサポートについてまとめました。

ピアサポートとは、障害や病気を持つ人がその経験を活かし、同じ障害や病気を持つ人の支援をすることです。

ピアサポートの効果は大きく以下の2つがあります。

・同じ経験をしたからこそわかりあえる精神的な支えとなる
・経験に基づく新しい情報を得る機会となる

ピアサポートは対面の交流だけでなく、オンラインでも体験できます。

弊社のアプリ:シンクヘルスの「仲間機能」でぜひ同じ悩みを持つ方とつながってみませんか?

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

参考文献:
藤永他(2016). 糖尿病患者に対するピア・サポートが自己管理行動と負担感に及ぼす影響ー患者回参加の有無による比較からー 日本保健医療行動科学会雑誌 30(2). 61-70.
社会福祉法人豊芯会(2022). 令和3年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業 障害者ピアサポート研修における講師の養成ための研修カリキュラムの効果測定およびガイドブックの開発 基礎研修テキスト(改訂版Vol.1)
米倉(2021).慢性疾患患者を対象としたピアサポートの提供者の負担感、満足感、サポート技術を測定する尺度の信頼性・妥当性の検討 日本看護科学会誌  41. 556-566.

 

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