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栄養素を一覧で解説~健康維持に役立つ基本知識を管理栄養士が伝授~

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栄養素を一覧で解説~健康維持に役立つ基本知識を管理栄養士が伝授~

当記事の執筆は、管理栄養士  佐藤久美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

健やかな日々を過ごすためには、栄養バランスのよい食事が欠かせません。

たんぱく質やビタミンCなどよく耳にするもの以外にも、私たちが生きるためにはたくさんの栄養素が必要です。

今回は、栄養素の種類や働きを一覧で確認します。

健康維持のために、普段の食事でどのような食品を組み合わせたらよいのかイメージしやすくなるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

栄養素の種類と働きを一覧でチェック!

栄養素の種類と働きを一覧でチェック!

私たちの健康を保持、増進するうえで重要な栄養素は、ざっくりと3つのグループに分けられます。

・エネルギー産生栄養素:エネルギーを作り出す栄養素
・ビタミン:体の機能を正常に保つために必要な有機化合物(※1 )
・ミネラル:体を構成する主要な元素(※2)である酸素、炭素、水素、窒素以外のもの

(※1)有機化合物とは、炭素が原子結合の中心となっている化合物の総称
(※2)元素とは、物質を構成する最も基本となる成分のこと

それぞれの働きを表で確認しましょう。

【エネルギー産生栄養素】

名称働き多く含む食品
たんぱく質筋肉、臓器、ホルモンなど体を構成する
エネルギー源となる
肉、魚、卵、大豆製品
脂質エネルギー源となる
細胞膜やホルモンなどを構成する
油脂、脂肪の多い食品
炭水化物糖質と食物繊維に分けられる
糖質はエネルギー源となる
食物繊維は整腸作用などがある
穀類、いも類、砂糖類

【ビタミン】

名称働き多く含む食品
ビタミンA目の正常な機能の維持
正常な皮膚や粘膜の維持
レバー、乳製品、緑黄色野菜、魚など
ビタミンDミネラルの代謝に関わる
骨の代謝に関わる
脂質の多い魚、乳製品、きのこ類など
ビタミンE・抗酸化作用がある植物油、種実類など
ビタミンK血液凝固に関わる
骨の形成に関わる
緑黄色野菜、植物油、豆類など
ビタミンB1・糖質の代謝に関わる豚肉、玄米、豆類など
ビタミンB2エネルギー代謝に関わる
成長の促進
皮膚や粘膜の保護
レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜、豆類など
ナイアシン・酸化還元反応に関わる魚介類、肉など
ビタミンB6たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝に関わる
神経伝達物質の合成に関わる
ホルモンの調節に関わる
種実類、穀類、肉など
ビタミンB12・脂質、アミノ酸の代謝に関わるレバー、肉類、魚介類、卵、乳製品など
葉酸DNA、RNAの合成に関わる
アミノ酸の代謝に関わる
たんぱく質の合成に関わる
豆類、緑黄色野菜、レバーなど
パントテン酸・エネルギー代謝に関わるレバー、豆類など
ビオチン・エネルギー代謝に関わるレバー、豆類、穀類など
ビタミンCコラーゲンの合成に関わる
抗酸化作用がある
鉄の吸収を高める
柑橘類、緑黄色野菜、いも類など

※ビタミンには油脂に溶けやすい脂溶性のものと、水に溶けやすい水溶性のものがある
・脂溶性ビタミン:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
水溶性ビタミン:水溶性ビタミン:ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC

【ミネラル】

名称働き多く含む食品
ナトリウム細胞の浸透圧を維持する
筋肉の収縮や神経の情報伝達に関わる
食塩、味噌、醤油
カリウム細胞の浸透圧を維持する
水分を保持する
食塩、味噌、醤油
カルシウム骨や歯の主成分
血液凝固や心機能、筋収縮に関わる
いも類、野菜、果物
マグネシウム骨の健康を維持する
神経伝達や血管の拡張に関わる
緑黄色野菜、海藻など
リン骨や歯の構成成分
エネルギーや脂質の代謝に関わる
食品添加物など
・酸素の運搬に関わるレバー、貝類、緑黄色野菜、ひじきなど
亜鉛・たんぱく質やDNAの合成に必要牡蠣、肉など
さまざまな生体内反応に関わる
造血機能に関わる
野菜、ピーナッツ、肉など
マンガン・酵素の活性化に関わる穀類、種実類、野菜など
ヨウ素・甲状腺ホルモンの主成分海藻類、貝類など
セレン・抗酸化作用がある魚、肉、小麦、大豆など
クロム・糖質、コレステロール、たんぱく質の代謝に関わる野菜、穀類、肉、魚など
モリブデン・肝臓や腎臓に多く存在する酵素の構成成分となる乳製品、豆類、穀類など

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五大栄養素とは

五大栄養素とは、私たちが生きていくために必要な栄養素を性質や働きによって5つのグループに分けたものです。

・たんぱく質
・脂質
・炭水化物
・ビタミン
・ミネラル

これらの栄養素は、体の中で互いに影響し合いながら生命活動を行っています。

たとえば、炭水化物を十分に摂っていても、ビタミンやミネラルが不足しているとエネルギーとしてうまく利用できません。

このように栄養素はどれか1つでも不足すると体の機能が滞り、不調の原因となります

健やかな身体を作り、元気に活動するためには日々の食事で五大栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

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バランスよく摂るには6つの基礎食品群を意識

バランスよく摂るには6つの基礎食品群を意識

五大栄養素をバランスよく摂るには、6つの基礎食品群を意識するとよいでしょう。

6つの基礎食品群とは、五大栄養素のうちどの栄養素を多く含むかで食品を分類したもので1〜6群に分けられます。

それぞれの働きと、どのような食品が該当するのかを詳しく見ていきましょう。

体を作るもとになる1群と2群

1群は魚や肉、卵、大豆、大豆製品など、たんぱく質を多く含む食品です。

これらは、筋肉や臓器など体を作るもととなります。

一方、2群は牛乳や乳製品、海藻、小魚など、ミネラルを多く含む食品です。

ミネラルの中でもとくに、カルシウムの供給源として重要です。

したがって、2群は丈夫な骨や歯を維持するために欠かせません。

体の調子を整えるもとになる3群と4群

3群は、緑黄色野菜です。

緑黄色野菜とは原則として食べられる部分100g中にカロテンを600μg以上含む野菜のことです。

主に緑、黄、赤など色の濃い野菜が緑黄色野菜に該当します。

カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換される栄養素で、体の機能を正常に保つために必要です。

なお、4群はその他の野菜や果物です。

これらは主に、ビタミンCの供給源となります。

3群4群ともに、ビタミンB1やビタミンB2などのビタミンも補えます。

エネルギーのもとになる5群と6群

5群は穀類、いも類、砂糖類です。

これらは、炭水化物(糖質)を多く含みます。

そのため、糖質由来のエネルギー源が豊富です。

一方で6群は油脂や脂肪の多い食品のことで、脂肪由来のエネルギー源となります。

なお、脂質は体によくない、太りやすいなどネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん摂りすぎは要注意ですが、過度に避けるのも望ましくありません。

なぜなら、種類によっては私たちの体内で合成できないものもあり、食事からの摂取が必要な脂質もあるからです。

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毎日の食事で1~6群を揃えよう

栄養バランスのよい食事を摂るには、毎日の食事で6つの基礎食品群を揃えましょう。

メイン料理は1群から選び、付け合わせは2〜4群、主食は5群からピックアップするイメージです。

そして、調理の中で適度に6群を用いるとよいですね。

1〜6群の食品例をまとめて紹介しますので、こちらも参考になさってください。

六つの基礎食品群

まとめ

今回は、栄養素の種類や働きについてお伝えしました。

栄養素は、体の中で互いに影響し合いながら生命活動を行います。

したがって、健康の保持、増進のためには栄養バランスのよい食事を摂る必要があるのです。

ご紹介した「6つの基礎食品群」を意識すれば、手軽に栄養バランスを整えられるでしょう。

それでは、当記事が参考となり普段の食事を見直すきっかけとなれば嬉しいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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参考文献
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
厚生労働省 栄養教育としての「6つの基礎食品」の普及について

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