味噌汁にダイエット効果はあるの?~やり方からレシピまで紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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和食の定番といえば、白いご飯に味噌汁。
そんな味噌汁に、ダイエット効果があったら嬉しいですよね。
最近では、味噌汁を中心としたダイエット法「味噌汁ダイエット」も話題ですが、果たして効果はあるといえるのでしょうか。
今回は、味噌汁がダイエットにいいといわれる理由からやり方まで解説します。
当記事をお読みいただくことで、
・味噌汁ダイエットのやり方は具材の選び方と食べ方が重要
・味噌汁ダイエットにオススメの具材とレシピ
以上3点についてより深く知ることができます。ぜひ最後までご覧ください。
味噌汁でダイエットは成功するのか
結論からいうと、味噌汁でダイエットが成功する可能性は十分にあるといえます。
ただし、そのためには以下の2つの条件が必要です。
①摂取カロリーが消費カロリーを下回る
②適度に運動を行う
ダイエットが成功するためには、摂取カロリーが消費カロリーを下回るような食事コントロールが大切です。
また、ダイエットには食事管理に加えて適度な運動習慣が欠かせません。筋肉をつけると、基礎代謝が上がり消費カロリーの増加にもつながります。
味噌汁がダイエットにいい理由
ダイエット中に味噌汁を食べるとよいといわれるのは、3つの理由があります。
・野菜などの定番具材が低カロリー
・具沢山の野菜で食べ過ぎを防止
それぞれについて解説します。
味噌は腸内環境の改善に効果的
発酵食品である味噌には、腸内環境の改善が期待できます。
味噌のおもな材料は、大豆と麹と塩です。このうち、麹には麹菌が含まれており、これが腸内環境を整える善玉菌の増加に働きかけます。
善玉菌が食物繊維などのエサを得て、発酵した際に作られるのが短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸には脂肪の蓄積を抑制したり、満腹中枢に関わるホルモンの分泌に関わり食欲を抑える働きがあるといわれているのです。
ダイエットを頑張る方にとって、脂肪が減ってスッキリした体は理想ですよね。
味噌は、そんなあなたの理想を実現するためのサポートをしてくれますよ。
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野菜などの定番具材がで低カロリー
味噌汁の定番具材といえば豆腐やわかめ、ねぎなど低カロリーなものばかりです。
先ほども触れた通り、ダイエットの基本は「消費カロリーが摂取カロリーを上回ること」です。
摂取カロリーを抑えられる味噌汁は、ダイエットにピッタリの汁物といえますね。
具沢山の味噌汁で食べ過ぎを防止
低カロリーな野菜やきのこ、海藻類などを具沢山にすると、ご飯やおかずの量を減らしても満足感があるため、食べ過ぎ防止に役立ちます。
味噌汁ダイエットのやり方
ここからは、味噌汁ダイエットを成功させるためのコツを3つご紹介しましょう。
具材は糖質低めの野菜+たんぱく質を含む食材
ダイエット中の味噌汁には、低カロリーな野菜を中心に選びます。ただし、野菜の中でもいも類がメインにならないようにしましょう。
じゃがいもやさつまいもなどのいも類は、野菜とはいえ糖質が多いため糖質の摂り過ぎにつながります。
いも類を具材に使う際は少なめにして、加えた分ご飯の量を減らしましょう。
オススメの野菜については、後ほどご紹介します。
また、ダイエット中は筋肉をつけることも大切なので、筋肉の材料となるたんぱく質もしっかり摂る必要があります。
おかず以外にも、豆腐などの大豆製品、魚、肉類、卵を入れて味噌汁からもたんぱく質が摂れるようにすると理想的です。
ご飯も食べる
味噌汁ダイエットをする際は、味噌汁だけではなくご飯も食べましょう。
体に必要な三大栄養素は糖質・たんぱく質・脂質ですが、味噌汁に野菜や肉・魚類を入れるとたんぱく質や脂質は摂れます。
ところが、糖質は必要な分を摂取しきれないためご飯も食べる必要があるのです。
ちなみに、三大栄養素の働きは以下の通りです。
たんぱく質:体を作る材料
脂質 :体を動かすエネルギー源やホルモンの材料
糖質は体を動かすエネルギー源として、1日に必要なエネルギーの50~60%を占めると理想的なバランスといえます。
1食あたりお茶碗1杯(普通盛り)程度は食べるように意識するとよいです。
味噌汁は1日1杯からでOK
味噌汁ダイエットを始めるとき、味噌汁を食べる回数は1日1杯からでOKです。
食べ過ぎは塩分の摂り過ぎにつながるので、1回に何杯もおかわりしないよう気をつけましょう。ちなみに、味噌汁1杯あたりの塩分は約1.9~2.3gです。
また、食事を摂る際は味噌汁から食べると野菜や海藻類に含まれる食物繊維の働きにより、食後の血糖上昇を緩やかにできます。
血糖値の上昇が緩やかになると、インスリン(※)による脂肪の蓄積を防げるため、ダイエット中の方は血糖値にも注目するとよいでしょう。
※インスリンは、血中の糖質(グリコーゲン)を筋肉や肝臓に運び血糖値を下げるホルモンです。筋肉や肝臓に運びきれないほど必要以上に糖質を摂った場合は、糖質を中性脂肪に変換し脂肪細胞に蓄えます。
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ダイエットにオススメな味噌汁の具材
味噌汁ダイエットではやはり低カロリーな具材ほど、よりダイエット効果が期待できます。
ここからは、味噌汁に合うオススメの具材をご紹介しましょう。
ごぼうなどの根菜
根菜類は食物繊維が豊富に含まれており、よく噛んで食べると満腹中枢が刺激されて、満足感が得られます。
味噌汁に入れるとおいしい根菜類は以下の通りです。
・大根
・蓮根
・かぶ
少し大きめに切ると、より噛み応えがでますよ。
根菜について1つ注意したことは、じゃがいもとさつまいもの扱いについてです。
味噌汁ダイエットのやり方でも触れた通り、これらは根菜でも糖質が多くカロリーも高めなので、味噌汁の具材に使うときはご飯の量を調整すると、カロリーの摂り過ぎを防げます。
きのこ類
しいたけやしめじ、えのき、まいたけといったきのこ類は、一人前(約20g)あたり10kcal以下と食材の中でもトップクラスに低カロリーです。量をかさましできるため、カロリーを気にせず食べられます。
また、きのこ類はうま味成分であるグアニル酸を多く含むため、だしがなくても十分おいしい味噌汁が作れます。うま味を活かすと減塩が期待できるので、むくみや高血圧予防にも効果的です。
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トマト
普段から、トマトを味噌汁の具材に使う方はあまりいないですよね。ところが、トマトは意外にも味噌汁に合う食材なのです。
その理由は、トマトに含まれるグルタミン酸といううま味成分です。
じつは味噌にもグルタミン酸が含まれているため、トマトを味噌汁に使うことでグルタミン酸がより多く摂れます。
さらに、グルタミン酸は豚肉やかつお節に含まれるイノシン酸と一緒に摂ると、相乗効果でうま味がより強く感じるといわれています。
いつもと違う味噌汁を楽しむときに、トマトは活かせそうですね。
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味噌汁ダイエットのレシピを大公開
味噌汁ダイエットは毎日続けることが大切です。
しかし、毎日同じ具材の味噌汁では飽きてしまうという方へ、今回は和風・洋風・中華風にアレンジした味噌汁をご紹介します。
味噌汁のレパートリーが少ないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
王道和風の具沢山味噌汁
カロリー(1人前あたり):109kcal
・鶏ささみ 60g
(もしくはサラダチキン)
・ごぼう 1/3本
・人参 1/4本
・大根 5cm
・えのき 1/4束
・長ネギ 1/3本
・酒 大さじ2
・顆粒だし 小さじ1
・水 300ml
・味噌 大さじ2
【作り方】
①ごぼうと長ネギは3mm幅の斜め切り、大根と人参は5mmのいちょう切り、えのきはいしずきを切って半分に切る。鶏ささみ肉は縦半分に切って、1口大に切る。
②①のごぼう、大根、人参をボールに入れて電子レンジで500W3分加熱する。
③鍋に水を入れて沸騰させ、②と①のえのき、長ネギ、鶏ささみ、酒を入れてひと煮立ちさせる。
④鶏ささみ肉に火が通ったら火を止めて顆粒だしを入れて味噌を溶く。
⑤盛りつけたら完成。
だし要らずのクラムチャウダー風味噌汁
カロリー(1人前あたり):168kcal
・アサリの水煮缶 1缶
・マッシュルーム缶 1缶
・玉ねぎ ¼個
・かぶ(葉も) 1個
・牛乳 200ml
・味噌 大さじ2
【作り方】
①アサリの水煮缶とマッシュルーム缶を開けてそれぞれ水を切る(切った水は残す)
②玉ねぎは薄切り、かぶは皮を向いてくし切りにする。かぶの葉も1口サイズに切る。③②をボールに入れて電子レンジで500W2分20秒加熱する
④鍋に牛乳と①の缶詰の汁を入れて沸騰直前まで煮立たせて、①と③の具材を入れる。⑤再び沸騰直前まで煮たら、火を止めて味噌を溶く
⑥盛りつけたら完成。
中華風かきたま味噌汁
カロリー(1人前あたり):138kcal
・卵 2個
・キャベツ 2枚
・トマト 1個
・しいたけ 40g
・乾燥わかめ 2g
・鶏ガラスープのもと 小さじ1
・水 250ml
・味噌 大さじ2
・ごま油 小さじ1
【作り方】
①キャベツとトマトは1口大、しいたけは3mmくらいの薄切りに切る。乾燥わかめを水でもどす。
②鍋に水と鶏ガラスープのもと、①のキャベツとしいたけを入れて沸騰させる。
③キャベツがしんなりしてきたらトマトを加えてひと煮立ちさせる。
④卵を割って溶き、箸につたわせながら鍋に回し入れてフワフワに仕上げる。
⑤火を止めて味噌を溶いて盛りつけたらごま油を回しかけて完成。
まとめ
ダイエットの大原則の一つである「消費カロリーが摂取カロリーを上回る」ために、低カロリーな具材が定番の味噌汁は、ダイエットに効果的といえます。
また味噌は発酵食品であり、腸内環境の改善も期待できます。脂肪の蓄積を抑制する短鎖脂肪酸の増加によって、太りにくい体づくりも目指せますよ。
さらに、味噌汁ダイエットの際には
・ご飯も食べる
・味噌汁は1日1杯からでOK
を心がけましょう。
なお、味噌汁ダイエットに使えるオススメの具材として
・根菜(ごぼう、大根、かぶなど)
・きのこ類
・トマト
をご紹介しました。
これらを使った3種それぞれ違った味わいの味噌汁レシピも、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、日本人の食の心である味噌汁を活かしてあなたのダイエットが成功することを祈っています。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や体重、運動、食事の記録がカンタンにできます。日々の血糖や体重コントロールにてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
食品成分データベース
The gut microbiota suppresses insulin-mediated fat accumulation via the short-chain fatty acid receptor GPR43 | Nature Communications