糖尿病はマグネシウムで予防?〜理由・食べ物・サプリを分かりやすく解説〜

「マグネシウムが糖尿病の予防に役立つと聞いたけど、どういうこと?」
今や国民病とも言われる糖尿病。日本人の糖尿病人口は高齢化に伴い増える一方で、その原因は肥満やストレスなどさまざまです。
糖尿病の多くには自覚症状はありませんが、恐ろしいのは糖尿病のその先にある合併症です。高血糖を放っておくと全身の血管が傷つき、命に関わる病気を招きます。
ですので糖尿病は予防が大切なのですが、その予防にマグネシウムが役立つことがわかってきました。
そこで今回は、糖尿病とマグネシウムの関係を分かりやすくお伝えします。
マグネシウムはどのような食べ物に含まれるのか、サプリは良いのかなど幅広くご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
糖尿病にマグネシウムが良い理由
糖尿病は血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に働かず、血液中の糖が増える(血糖値が上がる)病気です。遺伝的な要素のほか、食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣が影響して発症します。
また血糖値が上がる直接的な要因としては、インスリンの分泌不足とインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い)の2つありますが、マグネシウムが関わるのはインスリン抵抗性です。
なぜならマグネシウムはブドウ糖をエネルギーへ変えるときに必要な栄養素で、インスリンの分泌を促して効きをよくする働きが期待できるからです。
なお実際に過去の研究(※)では、マグネシウムをしっかり摂取していると糖尿病のリスクが抑えられることが明らかになっています。
(※)大規模コホート研究(JACC Study) 食品中のマグネシウム摂取による糖尿病予防効果 桐井恭子
その他、マグネシウムの健康効果も紹介
①高血圧を予防
マグネシウムには血管を拡張させる働きがあります。ですから、血流がスムーズになり血圧を下げる効果が期待できるのです。
②骨を丈夫にする
骨を強くする栄養素といえばカルシウムですが、マグネシウムが合わさることで骨に柔軟性が加わり、しなやかで丈夫になります。
③便秘を解消
マグネシウムには水分を引き込む作用もあります。しっかり取り入れることで便が柔らかくなり、便秘解消に役立つでしょう。
参考記事:マグネシウムとは?効果・摂取量・含まれる食品を丁寧に解説
あなたは大丈夫?マグネシウム不足かチェックしよう
下記のような不調をよく感じる場合、もしかしたらマグネシウム不足かもしれません。
ちょっとしたことで落ち込む
ストレスに弱い
イライラする
よく眠れない
疲れやすい
だるい
偏頭痛に悩んでいる
私たち日本人は、1日平均100mg程度のマグネシウム不足と言われています。
ですのでマグネシウムを積極的に取り入れ、糖尿病の予防に役立てていきましょう。
マグネシウムの多い食品を紹介
マグネシウムはいろいろな食材に含まれています。下記にまとめていますが、野菜、豆類、海藻、魚介、種実、果物など手に入りやすいものばかりです。
ちなみにマグネシウムの推奨摂取量は年齢や性別で異なりますが、30~64歳の男性で370mg、女性で290mgです。
参考までに、例えば木綿豆腐1/2丁(150g)、ほうれん草1/2束(100g)、あじ1匹(70g)、じゃがいも1個(200g)、納豆1パック(50g)で370mgを超えるマグネシウム量となります。
おすすめは和定食スタイル
マグネシウムを多く摂取できるのは和食のスタイルでしょう。一汁三菜に上記でご紹介したような食べ物をプラスするように意識すると、無理なくマグネシウムが補えます。
ポイントをお伝えしますね。
①雑穀ご飯にする
主食のご飯には五穀(ごこく/米・麦・アワ・ヒエ・豆)を入れると良いのですが、難しく考えず、雑穀を混ぜたり大麦ご飯にしたりするだけでOKです。
②味噌汁は具たくさんに
マグネシウムが豊富なワカメや野菜、豆腐をたっぷり入れるようにしましょう。
③主菜はなるべく魚を選ぶ
海水にはマグネシウムが豊富で、その海で生きる魚にも当然マグネシウムは肉より多いです。
④副菜を多くする
ひじき、野菜やしいたけなどは副菜メニューに合わせやすい食材です。いつもより副菜を1品多くするとよいですね。
バナナはマグネシウムの多い果物
身近な果物でマグネシウムの多い果物はバナナです。バナナ100g中(約1本)あたり、32mgのマグネシウムが含まれます。
また、ドラゴンフルーツには100g中42mgとバナナ以上のマグネシウムが含まれます。地域や時期によっては手に入りにくいかもしれませんが、見つけた時は食べてみるのもよいですね。
飲み物は抹茶ソイラテも良い
休憩時間にコーヒーだけではなく、マグネシウムが多い抹茶に豆乳(原料は豆腐)を加えて、抹茶ソイラテを楽しんでみるのも一つの手です。
参考記事:糖尿病に亜鉛は良いの?〜効果・食べ物・サプリについて紹介します〜
糖尿病にマグネシウムのサプリは良いのか
結論から言いますと、良いとも悪いとも言えません。なぜならサプリメントの吸収率は種類や形によって異なると言われているため、どれが良いのか(どのサプリなら体内に多く吸収されるのか)分かりにくい現状があるからです。
なので、できるだけ食品から補うことをオススメします。
まとめ
以上、糖尿病とマグネシウムの関係についてご紹介しました。
マグネシウムをしっかり摂取していると、糖尿病のリスクが抑えられるとわかりましたね。
そしてマグネシウムは野菜、豆類、海藻、魚介、種実、果物などに多く含まれます。和食のスタイルですとマグネシウムを取り入れやすいですので、意識してみてください。
またサプリは種類や形によって吸収率が異なるため、良いとも悪いともいえないというのが正直なところです。できる限り、食べ物から摂る習慣を作るとよいですね。
それでは今回の記事が、あなたの糖尿病予防に役立つことを願っています。
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■参考文献
マグネシウムがこの1冊でよくわかる 東京慈恵会医科大学客員教授 医学博士 横田邦信 現代書林
マグネシウム(Mg)と糖尿病の関係について 東京慈恵会医科大学准教授 横田 信 CDEJ News Letter 第17号 2008年1月
厚生労働省 e-ヘルスネット マグネシウム
厚生労働省 e-ヘルスネット ミネラル
厚生労働省 国民摂取基準(2020年度) マグネシウム
日本食品成分表 2021 八訂 医歯薬出版株式会社
厚生労働省 eJIM マグネシウム