キウイの栄養と効能効果~毎日食べるときの注意点も管理栄養士が解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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その外観からはとても想像がつかないほど、断面は鮮やかなキウイフルーツ。
甘味と酸味のバランスが絶妙で、唯一無二の味わいが魅力的な果物です。
さて、そんなキウイにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
そこで今回は、キウイに含まれる栄養成分と効能効果について解説いたします。キウイを皮ごと使ったお手軽レシピのご紹介もしているので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
キウイの栄養と効能効果
美肌をサポートするビタミンC
ビタミンCは、肌の構成要素であるコラーゲン作りをサポートします。
また抗酸化作用があるため、活性酸素を取り除く効果も期待できます。活性酸素は微量であれば私たちの体に有用ですが、大量につくられると動脈硬化や老化を進行させる原因にも。
ビタミンCは人の体でつくられず、貯蔵もできない成分です。
ちなみに可食部100gあたりのビタミンCの量は、ゴールドキウイ140mg、グリーンキウイ71mgです。
なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」において、成人のビタミンC摂取推奨量は100mg/日と設定されています。つまり、ゴールドキウイを1個食べると満たすことができますね。
高血圧を予防する効果のあるカリウム
カリウムは私たちの体の調子を整えるミネラルの一種です。
カリウムはナトリウムを排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを調節してくれるのに役立ちます。なぜなら、カリウムは腎臓でナトリウムの吸収を抑制し、尿中への排泄を促すため血圧を下げる効果があるからです。
一般的な大きさのキウイ1個に含まれるカリウム量は300mgで、この量は果物の中でトップクラスです。
別名「腸のお掃除屋さん」食物繊維
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維にわかれます。
不溶性食物繊維には、水分を吸収して便のカサを増やす働きがあります。さらに、有害物質を吸着して便と一緒に排出し腸内をきれいにしてくれる効果も。
そして水溶性食物繊維の働きは、
・血中コレステロール値の低下
・高血圧予防
などがあります。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | |
グリーンキウイ | 0.6g | 2.0g |
グールドキウイ | 0.5g | 0.9g |
*100gあたり
上の表のとおり、キウイにはどちらの食物繊維も含まれます。とくにグリーンキウイには不溶性食物繊維が豊富です。
実は食物繊維は消化吸収されないため、エネルギー源にはなりません。しかし、健康な体を保つための重要な成分なので、日々の食事に取り入れていきましょう。
キウイ特有成分のアクチニジン
アクチニジンは、キウイだけに含まれるタンパク質分解酵素です。とくにグリーンキウイに多く含まれます。
タンパク質分解酵素とは、その名の通りタンパク質を分解する働きをもつ酵素です。調理前のお肉を柔らかくするほか、胃の中の食べ物の消化を促します。
ただしアクチニジンは加熱により酵素としての働きを失います。たんぱく質分解酵素の働きを活かしたい場合は、生のキウイを使うようにしましょう。
一方でゼリーを作る時に生のキウイを入れると、アクチニジンの働きでゼラチンが固まりにくくなることも。その際は加熱したキウイを使うと、ゼリーが固まりやすくなりますよ。
関連記事:キウイのカロリーと糖質は低い?~栄養や健康効果も分かりやすく解説~
ゴールドキウイの特筆すべき栄養成分
果肉が黄色いゴールドキウイは、グリーンキウイと比べると酸味が少ないのが特徴です。両者の違いは、その色と味わいだけでしょうか。
実は、ビタミンCの量が大きく違います。ゴールドキウイにはグリーンキウイの約2倍のビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、肌や血管の材料となるコラーゲンづくりに欠かせない栄養成分です。ビタミンC不足を感じる時はゴールドキウイを選ぶとよいですね。
なおビタミンCは熱に弱いため、ゴールドキウイは生のままで食べるのがオススメです。
皮まですごい!キウイの皮に含まれる栄養成分
いつもは何気なく捨ててしまっているキウイの皮。無意識にしていたその行為、実はとてももったいないのです。
キウイは皮ごと食べると、果肉だけを食べるよりも多くの食物繊維やビタミンを摂取することができます。
参考記事:食物繊維を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介~ダイエット中にオススメな理由も解説~
キウイを皮ごと食べる際のポイント
グリーンキウイを皮つきのまま食べると、口の中に柔毛が残りザラザラとした違和感が広がります。そこでカットする前に丸めたアルミホイルで皮の表面を軽くこすると、かんたんに柔毛が取り除けますよ。
しかし、スムージーのようにキウイを混ぜて食べるときは、産毛が生えていても気になりにくいです。
一方ゴールドキウイは皮がツルンとしているため、手を加えなくてもあまり違和感なく食べられます。
キウイの効果的な食べ方
ポイント1:目的に合った種類を選ぶ
繰り返しになりますが、キウイは果肉の色によって栄養成分が異なります。その効果を存分に得るために、目的に合った種類を選ぶことが大切です。
お通じを良好にしたいのであれば、食物繊維が豊富なグリーンキウイ。お肌の調子を整えたいのであれば、ビタミンCが豊富なゴールドキウイを選ぶとよいですよ。
とはいえキウイだけに頼るのは控え、バランスのよい食事を意識しましょう。
ポイント2:食べる時間帯
食べる時間帯は朝や昼間などの活動量の多い時間帯がオススメです。
なぜなら夜はエネルギー消費が少ないため、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されるからです。
朝食や15時のおやつなどに、キウイを食べるとよいですね。
参考記事:ダイエット中に間食を選ぶポイントとは?〜ランキングやレシピも大公開~
キウイはダイエットに向いている?
答えはYESです。
それは、キウイには脂質がほとんど含まれていないからです。脂質は私たちの体にとって大切な栄養成分ですが、摂りすぎると肥満の原因となることも。
なお、グリーンキウイのほうがゴールドキウイよりもカロリー・糖質共に低いのでダイエットには向いています。
参考記事:効果的なダイエット方法とは〜続けられる食事・ルールなどカンタン解説〜
ゴールドキウイを食べると睡眠の質が良くなるって本当?
現時点ではNOです。
残念ながら、ゴールドキウイが睡眠の質を改善するという内容の著名な研究結果は見当たりません。
しかし、睡眠の質が改善されるという噂があるのも事実です。噂の根源は、おそらくキウイの栄養成分にあると思われますが、わたしたちはキウイを美味しく食べながら、立証される日を楽しみに待ちましょう。
参考記事:睡眠の質を上げる方法をご紹介~1日の過ごし方を見直そう~
キウイは毎日食べても大丈夫?
答えは、もちろんYESです。
繰り返しになりますが、キウイには魅力的な栄養成分が含まれています。つまり、食べ過ぎなければ毎日食べても問題はありません。
参考までに、厚生労働省の「健康日本21」では1日に200gの果物を摂ることを推奨しています。
キウイは2個で200gですので、1日2個を目安に食べるとよいですね。
参考記事:【医師監修】糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介
毎日食べるとニキビや肌に効果はあるの?
こちらは、条件付きでYESです。
ニキビなどの肌荒れは外部からのケアも大切ですが、腸内環境や肌を作るための栄養成分といった内部からのケアも非常に重要です。
その点キウイには、肌を作るために欠かせないビタミンCと、腸内環境を整えるための食物繊維が入っているので、頼りになる食品といえます。
ただし、他にも摂取すべき栄養成分はたくさんあります。
たとえば、肉や魚に多く含まれるたんぱく質は、皮膚の材料となるので健康的な肌に必要な栄養素です。つまりキウイを食べつつ、バランスのよい食事をすることが美肌への近道なのです。
参考記事:五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~
キウイは冷凍できる?キウイに適した保存方法
キウイは冷凍保存しても大丈夫な食材です。
ただし、キウイは追熟(※)させてから食べる果物なので、冷凍すると追熟が進みません。そこで、充分追熟させて食べ頃になたものを冷凍しましょう。
(※)果物を収穫後、一定期間置き完熟させること
一度冷凍保存したキウイを解凍すると水っぽくなります。冷凍したものはそのまま食べるよりも、ソースやジャム、スムージーの材料にしたほうが美味しく食べられますよ。
参考記事:冷凍野菜に栄養はあるの?~オススメレシピとともに管理栄養士が解説~
キウイの鮮度について
キウイの食べ頃は、縦に持って軽く押したときの柔らかさで確認できます。押したときに少し指が入る柔らかさになったら、完熟の合図で食べ頃です。
固いキウイは完熟前なので、食べ頃になるまで常温で追熟させましょう。
また、リンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れておくと、追熟のスピードが早まります。なぜなら、リンゴやバナナが出すエチレンガス(植物が出すホルモンの一種)には熟成を進める作用があるからです。
なお、すぐに食べない場合は冷蔵庫の野菜室へ移動させれば追熟が遅くなります。
キウイは保管する環境によって、熟すスピードが変わります。自分の食べたいタイミングに合わせて、保管方法を変えるといつでも美味しいキウイが食べられますね。
参考記事:りんごの栄養成分と効能効果〜健康によいは本当なのか徹底的に検証!〜
キウイを皮ごと使ったお手軽レシピのご紹介
キウイの皮はそのまま食べると口当たりがよくありません。しかし他の食材と一緒にミキサーにかけてしまえば、あまり違和感なく食べられます。
かんたんに作れるので、時間のない朝や間食にもオススメです。ぜひお試しくださいね。
【グリーンキウイスムージー】
グリーンキウイ 1個
小松菜 1株
ヨーグルト(無糖) 100g
ラカント お好みで
【作り方】
①グリーンキウイを皮ごと1/4に、小松菜を3㎝ほどの長さに切る
②①を滑らかになるまでミキサーにかける
③②にヨーグルトを加え、全体がなじむまでミキサーで混ぜたらできあがり
※甘さが足りない場合は、お好みでラカントなどの甘味料を加えてください
【ワンポイント】
グリーンキウイは丸めたアルミホイルで表面をこすると、簡単に柔毛を取り除くことができますよ。
まとめ
以上、キウイの栄養成分と健康効果について解説しました。
それでは最後にまとめますと、
・ゴールドキウイにはビタミンCが豊富なため美肌をサポート
・キウイにはカリウムが豊富なため、血圧が気になる方の塩分排出に役立つ
・キウイは皮ごと食べるとより多くの栄養成分を摂取できる
となります。
キウイの美味しさを存分に味わいながら、栄養効果を意識して、日々の食事に取り入れていきたいですね。
なお、弊社の開発する無料の人気アプリ・シンクヘルスでは食事、体重、運動、血糖値の記録がとてもカンタンにできます。日々の健康管理・維持にぜひ活用してみてくださいね。
【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
J-Stage キウイフルーツの消化促進効果に関する研究動向 キウイフルーツの貯蔵および追熟に関する研究(第3報)
農林水産省 毎日くだもの200グラム!
厚生労働省 e-ヘルスネット
JAグループ キウイフルーツ
ゼスプリインターナショナルジャパン株式会社 キウイと栄養