目がかすむのは糖尿病が原因?症状や対処法をわかりやすく紹介

突然ですが、『目がかすむ』『目に白いモヤがかかったように見える』といった症状を感じたことはありませんか?
それはもしかしたら糖尿病が原因かもしれません。
そこで今回は、『目がかすむ』症状や対処法について、あらゆる原因に焦点を当てながら、わかりやすく紹介していきます。
当記事を読んだことがきっかけで、目のメンテナンスに励んでいただき、健康な状態をキープいただればと思います。
参考記事:糖尿病とはどんな病気?〜症状・原因・治療などをわかりやすく解説〜
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目次
目がかすむ(霞む)とはどのような症状か
『目がかすむ』ことは、『霧視(むし)』と呼ばれることがあります。文字通り、霧がかかったようにみえる症状です。
かすみ目は、視覚情報の通り道のどこかに濁りが生じることで起こります。視覚情報の通り道とは光の通り道であり、以下の場所があります。
かすみ目は病気なの?
目がかすむこと自体が病気というよりは、何かしらの病気の症状として目のかすみが起きることが多いです。
また、『眼精疲労(がんせいひろう)』から起こるかすみ目もあります。眼精疲労は『疲れ目』のことで、目のかすみ以外にも目が充血したり肩こりが起きたりします。
パソコンに向かってお仕事を頑張り過ぎることなどが影響しますので、あまりストレスを溜めこまないことが大切かもしれませんね。
かすみ目の原因
かすみ目が起きることが多い代表的な病気と、かすみ目が起こる原因を紹介していきますね。
①ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は、簡単に言うと『目の中に炎症を起こす病気』です。
ぶどう膜炎は、免疫やアレルギーが原因だったり、ウイルスや細菌の感染が原因だったりして起こります。症状はかすみ目の他に、目の痛み・涙が流れる・目の充血・視力の低下・飛蚊症(※1)があります。
※1飛蚊症とは、目の前を虫や煙のススが飛んでいるように見える症状のこと
②白内障
白内障は、簡単に言うと『水晶体が白く濁る病気』です。
白内障の原因は様々なのですが、加齢が最も多い原因です。症状はかすみ目の他に、まぶしく見える・物が二重に見える・視力の低下があります。
糖尿病と白内障の関係について詳しく知りたい方はこちら
③ドライアイ
ドライアイとは、『涙の量が足りなくなったり涙の質に異常が起こること』です。
ドライアイは、加齢やコンタクトレンズの装着、VDT作業(※2)などが原因で起こります。よく知られる症状は、目の乾燥やゴロゴロする感じですが、角膜に細かい傷ができてかすみ目が起こることも。その他に、目ヤニや充血なども起きます。
※2VDT作業とは、ディスプレイやキーボードなどを用いてデータ入力、検索、照合、文章・画像・動画の作成、プログラミング、監視といった作業を行うこと
目がかすむと「ぼやける」との違い
『目がかすむ』と『ぼやける』は見えにくいという点で同じですが、以下の画像のとおり少し違いがあります。


かすみ目は糖尿病の可能性も
かすみ目の原因としてぶどう膜炎・白内障・ドライアイを挙げましたが、実は糖尿病の合併症である『糖尿病網膜症』の影響でもかすみ目が起きる可能性があります。
参考記事:糖尿病網膜症とは?症状・治療・予防までをわかりやすく解説
糖尿病網膜症の場合、かすみ目以外に、飛蚊症や物が見えにくくなるという症状が現れます。ただし、初期の糖尿病網膜症では自覚する症状が現れないことが多いです。
糖尿病網膜症は、糖尿病の治療をせずに放置した場合は7~10年で約50%、15~20年以上で約90%発症すると言われています。ですので、特に症状がなくても糖尿病と診断されたら定期的に眼科を受診することが大切です。
また、発症や進行を防ぐためには適切な血糖コントロールも大切になります。
かすみ目の現れ方に注意
かすみ目は、片目だけ症状が出る場合もあれば両目の場合もあります。片目だけでもかすみ目の症状が出てきたら眼科を受診しましょう。
夕方や夜になると現れるのは夕方老眼のせいかも
老眼は加齢によって水晶体が硬くなり調整する力が低くなることで、ピントが合わなくなることで起こります。しかし最近、若い世代でも夕方になるとパソコンやスマホの文字がかすむという老眼の症状が現れると言われており、これを『夕方老眼』と言います。
夕方老眼は目を使い過ぎることによって起こると言われているので、夕方になると目がかすむ・ぼやけるという症状が出る方は、目を休ませてあげることがオススメです。
突然目がかすむのは硝子体出血が原因か
硝子体の周りからの出血が硝子体に入り込むことを硝子体出血と言います。目のかすみ以外にも飛蚊症や視力の低下、出血の量が多いと目の前が真っ暗になることもあります。
糖尿病患者さんの場合、糖尿病網膜症が進行すると硝子体出血が起こることもあるので日頃から症状には気を付けてほしいです。
頭痛やめまいを伴うのは脳血管障害の可能性も
頭痛やめまいを伴う視力の低下や視野の欠損といった症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。くも膜下出血や脳梗塞といった脳血管障害の可能性もあります。
脳血管障害の場合は、この他に麻痺やしびれ、失語(言葉を発せなくなる)、意識がなくなるなどの症状が出ることがあります。
眼科での治療や対処法
目薬は有効か
ドライアイや加齢よる初期の白内障など、目薬での治療をする場合もたくさんあります。そして目薬は眼科を受診して適切な処方をしてもらうことがオススメです。
また、糖尿病網膜症に関しては、目薬よりも血糖コントロールをしっかり行って症状が出たり進んだりを防ぐことが基本になります。
メガネやコンタクトレンズの注意点
メガネやコンタクトレンズは、角膜や水晶体が担っている屈折力を変更してあげることで視力を矯正しています。
ただし、複雑な屈折力の変更が必要な場合や、屈折の異常が強くレンズが厚く重くなってしまう場合には、メガネでの矯正ができないことがあるので注意が必要になります。
一方、コンタクトレンズは、メガネと比較すると外見に影響がないというのが利点かと思いますが、以下の通り装着時に合併症には注意が必要です。
①角膜を傷つけ、そこに微生物が侵入することによる感染性角膜炎
②コンタクトレンズに花粉などのアレルゲンが付着することによるアレルギー性結膜炎
また、コンタクトレンズは角膜を覆うため、角膜へ酸素が通りにくくなり、酸素不足の影響で角膜を傷つけることにもなります。
そして、ドライアイだったり涙の量が減ってしまうということも。
コンタクトレンズを使用する際に気を付けるポイント
そしてコンタクトレンズを使用する際に、気を付けるポイントも3つ挙げておきます。
②洗浄をする(レンズだけではなく、ケースの洗浄も必要です)
③眼科を受診する(定期的な受診と、適切なレンズの処方が大切です)
日頃からセルフチェックを
目がかすんだり視力が下がったりすると、普段の生活にも影響が出て大変ですよね?定期的に眼科を受診して、目に異常がないかチェックすることは大切です。
そして目の調子がおかしいなと感じた時もすぐに受診することがオススメです。
また、アムスラーチャートという視界が歪んでいるかどうかを自分でチェックできるものもあります。
格子状の表を使って確認する方法で、表の中央にある黒い点を片目ずつ見つめた時に、歪んだり、中心が見えなかったり、真ん中が欠けたりした場合は、何らかの異常がある可能性がありますので病院を受診することが必要です。
アムスラーチャートの例(詳しくは眼科の指示に従いましょう)
まとめ
それでは本記事の内容である【目のかすみ】を振り返ります。
◎ぶどう膜炎・白内障・ドライアイなどが原因で、目のかすみが起こることも
◎糖尿病網膜症が原因で目のかすみが起こることもある
◎定期的に眼科を受診することが必要
◎アムスラーチャートを使って、日頃から見え方のチェックをすることが大切
見えにくいという辛い症状ができるだけ起きないように、本記事が皆様の生活の参考になれば嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは血糖値や食事の記録がカンタンにできます。健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考・引用文献
医学情報科学研究所(2019):病気がみえるvol.12 眼科,メディックメディア
バイエル薬品株式会社,参天製薬株式会社:網膜疾患サポートサイトずっと見える情報局(検索日:2020.12.10)