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ナスの栄養と効果がスゴイ!~知って得する情報を管理栄養士が解説~

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管理栄養士が解説!知って得するナスの栄養成分と効能効果

当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

ナスはインド東部で生まれ、奈良時代に日本に入ってきました。

江戸時代の日本では高価な野菜だったと言われていますが、現在ナスは1年中手に入れることができ、クセが無く様々な料理に使いやすいため、定番の野菜として重宝されています。

それにもかかわらず栄養がない、身体を冷やす、などのマイナスなイメージがつきまとっていますが、実際のところはどうでしょうか。

そこで今回は、ナスに秘めた栄養成分と効能について解説していきます。管理栄養士が考案したナスのレシピもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。

ナスの主な栄養成分と効能効果

ナスの主な栄養成分と効能効果
ナスの90%以上は水分で出来ています。

しかし、残りの部分に魅力的な栄養成分がしっかりと入っています。それでは見ていきましょう。

カリウムが塩分の摂りすぎを調節する

カリウムは体内のナトリウムを排出してくれる働きがあります。つまり、塩分の摂りすぎを調節してくれるのです。カリウムが豊富に含まれていることで有名なきゅうりと比べてみましょう。

食品100gあたりに含まれるカリウムの量を比べてみますとナスは220mg、きゅうりは200mgとなり、豊富に含まれていることがわかります。

現在日本人は塩分の摂取過多(濃口しょうゆに換算すると小さじ2杯強ほど)であるため、高血圧予防として塩分を控えると共にカリウムを積極的に摂るとよいですね。

食物繊維でお通じ改善!

食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維にわかれますが、ナスに含まれる食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やすことで排便をスムーズにしたり、有害物質を対外へ排出する働きがあります。

一方で、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を低下させたり、高血圧を予防する働きがあります。

さて、一般的な大きさのナス1本あたり(120g)に換算すると食物繊維は2.6gです。

現在日本人が食事から摂っている食物繊維は、平均すると1日18.4gです。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳の男性の目標量は1日21gなので、普段の食事にナス1本を追加するだけで目標値がクリアできます。

関連記事:なすのカロリーと糖質は低い~栄養やヘルシーレシピもまとめて紹介~

ナスニンは視力に関係する

皮の紫色には、ナス特有のナスニンと呼ばれるアントシアニン系の天然色素が含まれています。アントシアニンとは、植物が紫外線など有害な光から自身を守るために作り出される青紫色の天然色素です。

ナス以外では、赤ジソ、赤玉ねぎ、ブルーベリー、赤ワインなどにもアントシアニンが含まれています。

人にとってアントシアニンは視機能改善作用や、抗酸化作用などが明らかになっている注目成分です。

参考記事:トマトの栄養と効能はやはりすごい!~加工品についても詳しく解説~

葉酸は胎児の成長に不可欠

葉酸は、水溶性ビタミン(※)でビタミンB群の仲間です。

ビタミンB12と共に赤血球を作り不足すると貧血を起こします。また葉酸は胎児の成長をサポートする働きがあるため、妊婦は意識的な摂取が必要です。

さらに、葉酸は動脈硬化のリスクを低減させることも期待されています。

※ビタミンは水に溶けやすい水溶性ビタミンと、水に溶けにくい不溶性ビタミンに区分されている

ナスの皮にも栄養が豊富

ナスの皮には栄養が豊富
ナスの特徴と言えば、紫を帯びた深い紺色の皮ですよね。

この美しい色味から「茄子紺(なすこん)」という名前の付く色ができたほどです。

さてナスの皮に含まれる特筆すべき栄養成分は、ナスニンと食物繊維です。

これらの栄養素を余すところなく摂取するためにも、皮は取り除かずにそのまま調理することをオススメします。また、ナスの内側(白い部分)だけを料理に使う場合は別途、皮だけをきんぴらなどにすると残さず食べられますよ。

白ナスの皮には栄養がない?

答えはNOです。

ナスニンは含まれていませんが、それ以外の栄養成分は紫色のナスと同等です。

栄養がアップする効果的な食べ方

ナスの栄養成分を余すところなく摂取できる食べ方のポイントをお伝えします。

ポイント1:皮はむかずに丸ごと食べる

食物繊維の大部分とナスニンは皮に含まれています。そのため皮はむかずにそのまま食べましょう。しかも、ナスの内側の部分は油をたくさん吸収するので、皮つきのまま調理したほうがカロリーダウンにつながります。

ポイント2:水にさらす場合は短時間で

ナスにはアクが含まれている影響で、切った断面が変色したり食べた時に苦味を感じたりします。そのため、調理時には水に浸けてアク抜きが必要です。

しかし長時間水にさらしていると、水に溶けやすい栄養素が流出してしまうため、2~3分で水からあげましょう。とはいうものの、実は水にさらさずナスのアクを抜くことも可能です。

その方法とは塩をかけて数分置くだけ。しばらくすると水分と一緒にアクも出てくるので、水を拭きとればアク抜き完了です。

なおナスを炒めたり揚げたりするときは、油の効果でアクの苦味を感じづらくなるためアク抜きは不要です。

ポイント3:スープは残さず飲む

ナスの入った汁物のスープ部分は、カリウムをはじめたくさんの栄養素が溶け出ています。ですので、ナスを汁物の具材として食べるときは、スープ残さず最後まで飲み切りましょう。

その際塩分を控えめにすると、スープを飲み干しても塩分の摂り過ぎを防げますよ。

参考記事:醤油の塩分量はどれくらい?~減塩のコツや他の調味料の塩分量を解説~

ポイント4:油を使って栄養素を閉じ込める

ナスに含まれる栄養成分は、水に溶けやすい性質のものが多いです。

そこでナスに油を塗ってあげて、栄養成分が流れ出てしまうのをブロックしましょう。また油を塗ることでナスニンが出ていかないので、皮が鮮やかな紫色に仕上がる効果もありますよ。

焼き茄子の栄養

焼き茄子の栄養
一般的に焼きナスとは、皮がついたままのナスを直火で焼き、その後皮をすべて取り除いてから味付けをして食べる料理です。

とても美味しい料理ですが見方を変えると、皮に含まれている栄養素を食べない調理法とも言えます。ですので、できることなら皮ごと食べられる調理法をオススメします。

ナスの漬物の栄養

ナスは漬物にすると脱水作用で水分が抜けるため、結果として生の状態と比べると各種栄養成分の値が高くなります。ただし、漬物は塩分が多いので食べる量には注意しましょう。

ナスが便秘解消に良い理由

ナスが便秘解消に良い理由
ナスが便秘解消に良いと言われる理由は以下の2つがあります。

・食物繊維が豊富に含まれている
・ナスには水分が多い

これらの理由から、便秘のときにナスを食べるのは理にかなっているといえます。

しかし、便秘解消には運動やバランスのとれた食事なども重要ですので、あわせて取り組んでいきましょう。

美肌やダイエットに良いのか

ナスに含まれる成分が直接肌に作用するわけではありませんが、肌のトラブルが少なくなることを期待できます。

その理由として、便秘が続くと皮膚症状の悪化につながる一方、ナスの水分の多さや食物繊維によってお通じが良くなると、皮膚の状態が改善する可能性もあるからです。

つまり、腸内環境を整えることが美肌への近道となるわけです。

ナスの効能を活かしたレシピをご紹介

それでは、ナスの効能を活かしたとっておきのレシピをご紹介します。シンプルで調理しやすいので、ぜひご自宅でトライしてみて下さい!

【なすのそぼろあんかけ】
なすのそぼろあんかけ

【材料】~1人分~
・ナス       1本
・長ネギ      3㎝
・豚ひき肉     20g
・しょうが     1/4かけ
・油          小さじ1/2
・だし汁      1/4カップ
・みりん      大さじ1/2
・料理酒         大さじ1/2
・しょうゆ      小さじ1
・水溶き片栗粉            適量


【作り方】
①ヘタと皮をつけたままのナスに薄く油を塗り(分量に含む)、ラップをして電子レンジで竹串が通る程度に加熱する
②ナスが冷めたら縦4~6等分に切って皿に盛る
③残りの油でショウガ、ひき肉の順番に炒める
④3にだし汁と調味料を入れて煮立たせ、水溶き片栗粉でとろみを付ける
⑤ナスにあんをかけて長ネギのみじん切りを乗せて出来上がり

【ポイント】
・ナスの皮に油を塗ってから加熱することで退色防止になります。
・ナスは冷めてから切ることで、うまみの詰まった水分を閉じ込められます。
・ナスを炒めず電子レンジで加熱するので、少ない油で調理可能です。

まとめ

以上、ナスの栄養成分と効能効果について解説しました。

それでは最後にまとめますとナスは、

・カリウムと食物繊維が豊富
・皮にはナス特有のナスニンが含まれており、抗酸化作用や視機能改善作用がある
・皮ごと食べることで、栄養素を無駄なく摂取できる
便秘解消効果が期待できる


となります。

ナスはクセのない味わいなのため和洋中のどんな料理でも美味しく食べられますので、ぜひ余すところなく食べきって下さいね!

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理
【参考文献】
農林水産省 
ナス「どこからきたの?」
厚生労働省 e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康/抗酸化物質、栄養・食生活と高血圧/ファイトケミカルとは
J-Stge ナスの色素について
健康長寿ネット 葉酸の働きと1日の摂取量/食物繊維の働きと1日の摂取量
JAきたみらい 赤玉ねぎ、ナス
カゴメ株式会社 なすのあく抜きは必要?水にさらさずできる簡単下ごしらえのコツ
 

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