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糖尿病でも安心してパンを食べるためには?~食べる量や選び方を解説~

糖尿病には低糖質なパンがオススメ~市販のパンやレシピを紹介~

当記事の執筆は、管理栄養士  白石香代子が担当しました。
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糖尿病の方は、ごはんをはじめパンや麺類など、糖質を多く含み血糖値を上げやすい食材の量を調節する必要があります。

なかでもパンは、材料にバターを使っていてカロリーが高かったり、あんパンやジャムパンのように中の具材に糖質が多く含まれていたりするので、食べたくても我慢している糖尿病の方は多いのではないでしょうか?

たしかに、パンは血糖値を上げやすいですし、菓子パンなどは糖尿病の方にオススメできません。しかし、血糖値の急上昇を防ぐパンの特徴をおさえれば、糖尿病の方でも安心して食べられるパンを選べますよ。

今回は、パンと血糖値の関係からオススメのパンまで、パン好きの方に役立つ情報をお伝えしていきます。

簡単に作れる低糖質パンのレシピもご紹介していますので、最後までお付き合いください。

 

パンを食べると血糖値はどうなる?

一般的なパンは糖質の多い小麦粉から作られているため、食べると血糖値が急上昇します。

パンをはじめ、食べ物に含まれる糖質は分解されてブドウ糖になり、小腸から吸収されて血液中に入ります。そのため、食後は血液中のブドウ糖が増え、私たちの身体の血糖値は高くなるのです。

パンの原材料である小麦粉は成分の約65-73%が糖質で出来ており、「糖質量の多い食材」に分類されています。糖尿病の方のように、血糖管理の必要な方にとって糖質の多い食材は避けたいですよね。

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糖質の摂り過ぎが「糖尿病の悪化」につながる

糖質は私たちの生命活動を維持するために必要なエネルギー源である一方で、摂りすぎは糖尿病を悪化させる要因になってしまいます。

一般的に血糖値が高くなると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。そしてインスリンにより、ブドウ糖は肝臓や筋肉、脳に取り込まれ、血糖値が下がっていきます。

しかし、糖尿病はインスリンが十分に働かず、慢性的に血液中のブドウ糖が増える病気です。

インスリンの効きが悪い(=インスリン抵抗性)状態で、糖質の多いものを食べると、血液中のブドウ糖は増え続けてしまいます。そして増えすぎたブドウ糖は血管の壁にある内皮細胞に入り込み、活性酸素を発生させ、血管を傷つけるのです。

血管が傷つくと、動脈硬化や合併症など命に関わる病気につながる危険性も生じます。

糖質は、私たちが生きていく上で大切な栄養素に変わりありません。ただし糖尿病の方の食事において、糖質は「摂りすぎない=適量を食べる」ことが大切になります。

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糖尿病の方食べられるパンの量

低糖質なパン

糖尿病の方がパンを食べる際は、1食あたり糖質25~30g分(食パン6枚切り1枚またはロールパン2個)を目安にするとよいです。

日本人の糖質摂取量は1食あたり平均90〜100g、1日では270〜300gといわれています。しかし血糖値が下がりにくくなっている(インスリン抵抗性)糖尿病の方にとってこの量はやや多いため、もう少し抑える必要があります。

糖尿病の方が血糖値の上昇を抑えて合併症を予防するために、1日あたりの糖質の摂取目安量は180〜200gにするとよいでしょう。間食も考えると、1食あたり50〜60gがよいです。

これを食パンに置き換えると、1回の食事あたりで食べられるのは6枚切り1枚です。ロールパンなら約2個になります。この目安量は、1回の食事でパンからとる糖質量を25~30gにした場合です。

食事パン糖質量の目安

意外ですが、おかずをしっかり食べると糖質量は約20gです。パンの糖質とあわせると、約45~50gとちょうどよい量になりますね。

もし6枚切りの食パン2枚を食べたなら、パンだけで糖質を53gも摂ってしまいます。また、パンの種類によっても糖質量が異なるので、上の表を参考に1回あたり25~30gになるよう調整しましょう。

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血糖値が上がりにくいオススメのパンは?

糖尿病の方のように血糖値が気になる方にオススメなのは、「ライ麦パン」や「全粒粉入りパン」です。

なぜなら、ライ麦や全粒粉は小麦粉に比べて食物繊維が豊富だからです。食物繊維には、糖の吸収を遅らせて血糖値の急上昇を防いでくれる効果があるのです。

血糖値の急上昇が頻繁に起こると、血管に負担がかかります。特に細い血管(毛細血管)はもともと血管自体が弱く、早いうちから影響が出やすい血管です。

毛細血管は網膜、腎臓、手足に集中しています。糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害といった合併症を予防するためにも、食物繊維を活用しましょう。

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ライ麦パンの特徴

ライ麦パン

ライ麦パンはその名の通り、ライ麦を使用して作られたパンです。

食パンと比べて食物繊維は2倍ほど含まれており、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1も多いのが特徴です。

【ライ麦パンと食パンの比較】

カロリー糖質食物繊維ビタミンB1
ライ麦パン264kcal47.1g5.6g0.16g
食パン264kcal44.4g2.3g0.07g

*100gあたり

 

ライ麦の食物繊維が血糖値の急上昇を抑え、ビタミンB1が糖質の代謝を助けてくれます。

つまり、ライ麦パンはインスリンの働きを応援してくれるパンとも言えるでしょう。

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全粒粉入りパンの特徴

全粒粉は、小麦全体を丸ごと粉にしたものです。小麦の表面の皮や胚芽もまとめて粉状にしていますので、茶色い色をしています。

全粒粉の食物繊維は小麦粉と比べると約5倍も多く含まれているのが、特徴です。

全粒粉の食物繊維は、小腸での糖の吸収スピードを抑えます。そのため全粒粉入りのパンは、食パンなどと比べて血糖値を上げにくいといえるでしょう。

ふすま入りのパンは良い?

ふすまパン

ふすまを使ったパンは食物繊維が多いので、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます

そもそもふすまとは、小麦の表面の皮の部分のことです。ふすまを使ったパンは、ふすまパンやブランパンと呼ばれます。

ふすまは、豊富な食物繊維が注目されています。そのためふすまを使ったふすまパンやブランパンの食物繊維で、血糖値の上昇を緩やかにする働きが期待できるでしょう。

コンビニで買えるパンの選び方

最近のコンビニには、さまざまな低糖質パンがありますよね。ふすま(ブラン)パンも目立ちますし、食物繊維を多く使っているものも見かけます。

コンビニで選ぶ時にもオススメは、材料にライ麦や全粒粉、そしてふすまを使用しているパンです。

食物繊維を味方につけ、血糖値を安定させて合併症の予防に役立てていきましょう。

なお、あんぱんやクリームパンといった菓子パンには、小麦粉以外にも砂糖が多く使われています。カロリーも高いものが多いので、糖尿病の方は避けたほうがよいです。

どうしても食べたい時は主食の量を減らし、食事の際に少量を楽しむ程度にしましょう。

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簡単に作れる低糖質パンのレシピを紹介

それでは、自宅で出来る低糖質なパンのレシピをご紹介します。

【大豆粉入りパウンド型パン】

大豆粉入りパウンド型食パン

【材料】
(a)大豆粉                  100g
(a)強力粉                    50g
(a)ベーキングパウダー              小さじ2
・牛乳                                   180-200ml
・卵                                       1個
・低カロリー甘味料(糖類ゼロ)      大さじ2
・オリーブオイル            小さじ2

【下準備】
・オーブンは190℃に予熱する。
・(a)の粉を合わせてふるう。
・卵はよくほぐしておく。

【作り方】
①ボウルにほぐした卵、甘味料、オリーブオイルを入れて泡立て器でよく混ぜ合わせ、(a)の粉を加える。
牛乳を少しずつ加えて、生地がしっとりするまで木べらで切るように混ぜる。
②パウンド型に①を流し入れ、190℃のオーブンで25-30分焼く。

【栄養価(18cmパウンド型6等分1切れ分)】

カロリー糖質たんぱく質脂質食物繊維塩分
149kcal11.5g10.1g6.4g2.5g0.3g

大豆粉は、大豆をそのまま粉状にしたものです。
低糖質なだけではなく、大豆のたんぱく質で腹持ちも良いパンになっていますので、ぜひお試しください。

レシピ一言メモ
簡単かつ時短で作れるよう、ドライイーストではなくベーキングパウダーを使用しています。

まとめ

糖尿病の方がパンを食べる時は、糖質の量が大切ということが分かりましたね。

日本人が一般にとっている糖質より1/2〜1/3の量をオフすることで、合併症の予防に役立てることができます。1食でパンからとる糖質量を25〜30g(食パン6枚切り1枚またはロールパン2個)に調整すると、おかずを含めても全体の糖質量を1食あたり50~60gに抑えられますよ。

そして、オススメは食物繊維を多く含むライ麦パンや全粒粉入りのパンです。低糖質なふすまを使ったパンも積極的に取り入れていきたいですね。

今回の内容を、毎日の食事に役立てていただけると嬉しいです。

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参考文献

文部科学省 食品成分データベース
農林水産省 食料自給率のお話(連載) その9:小麦の自給率
マルコメ株式会社 ダイズラボ 大豆粉

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