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【医師監修】皮膚の乾燥やかゆみは糖尿病が原因?~症状や改善方法も解説~

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皮膚の乾燥やかゆみは糖尿病が原因?

当記事の執筆は、シンクヘルスブログ編集部が担当しました。
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皮膚の乾燥やかゆみの原因はたくさんあります。

もしかすると、糖尿病が原因で起こっているかもしれません。

そこで今回は、糖尿病が原因で起こる皮膚の乾燥やかゆみについて、わかりやすく解説したします。

皮膚の乾燥・かゆみと糖尿病との関連

なぜ皮膚の乾燥やかゆみが糖尿病と関連するのか?

糖尿病のある方で皮膚の乾燥やかゆみを感じる場合、

・脱水
・自律神経障害

が主な原因として考えられます。

糖尿病による高血糖の症状の1つに脱水があります。脱水で体内の水分が少なくなるため、皮膚の乾燥につながるのです。糖尿病性腎症を合併する場合、掻痒の程度が強くなると言われています。

また、高血糖の状態が続くと全身の毛細血管が傷つき、糖尿病三大合併症の1つである神経障害を引き起こします。自律神経には発汗を調整する働きがあるため、自律神経障害が起こると汗をかきにくくなり皮膚が乾燥するのです。

皮膚が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下して、刺激や細菌などの異物が進入しやすい状態になります。すると異物が侵入しやすくなり、皮膚の中で炎症を起こす物質が出てかゆみへとつながるのです。

関連文献
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糖尿病によって起こりうる皮膚の症状

糖尿病によって起こりうる皮膚の症状

糖尿病では、乾燥・かゆみ以外にも皮膚の症状が起こる可能性があります。

①赤い斑点

糖尿病の方には赤い斑点ができる場合もありますが、これはリポイド類壊死症といいます。

赤い斑点は足のすね、顔面や頭部にできやすく、その後茶色く傷あととして残ることがあります。糖尿病患者の約0.3%で見られるとされており、頻度の多い疾患ではありません。

②潰瘍(かいよう)・壊疽(えそ)

糖尿病の合併症である神経障害と血流障害が原因です。

小さな外傷や熱傷を契機に発症することが多く、皮膚や粘膜などの表層が崩れ落ちる潰瘍や、組織が腐る壊疽につながることもあります。

③皮膚感染症

糖尿病の方は免疫機能が低下しているため、健康な方と比べて細菌・真菌に感染しやすくなっています。

帯状疱疹

50代以上で発症が増加する帯状疱疹も糖尿病患者ではその罹患率が高いとされています。帯状疱疹は幼少期に罹患した水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏感染しており、それが免疫機能が低下した際に再活性化することで発症するのです。

発疹消失後も神経痛が持続する帯状疱疹後神経痛も、糖尿病患者では発症リスクが高いことが報告されています。

白癬(水虫)

いわゆる水虫と言われる白癬も糖尿病患者、特に血糖コントロールの悪い方でリスクが高いことが知られています。白癬による症状のみならず、白癬であることが次の細菌感染を起こす母地となり、糖尿病性皮膚潰瘍・壊疽や蜂窩織炎の誘因となります。

細菌感染症

細菌感染症も糖尿病患者では重症化リスクが上がります。

重症皮膚感染症である蜂窩織炎や壊死性筋膜炎も糖尿病患者でリスクが高く、特に足切断や死に至ることもある壊死性筋膜炎は45-72%に糖尿病を合併するとされています。

真菌感染も細菌感染も、皮膚感染症は下肢に多く発症します。毎日足を観察し、水虫、外傷の早期発見、治療に望むことが大切です。

④その他

様々な原因で生じる湿疹も糖尿病管理が不良であると、難治性であり再燃を繰り返しやすいとされています。

また皮膚疾患の乾癬は糖尿病発症、増悪いずれのリスクにもなりうることも示されてきています。

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糖尿病の方が皮膚症状を改善するために行うこと

糖尿病の方が皮膚症状を改善するために行うこと

糖尿病が原因で起こる皮膚症状を改善するために、行うべきことを紹介いたします。

糖尿病の治療を行う

糖尿病が原因で起こる皮膚症状を改善するためには、糖尿病の治療を行うことが大切です。逆に皮膚治療を行うことで、血糖コントロールが良好になることもあります。

主治医の指示に従って、食事や運動療法を実施しましょう。

また、神経障害の合併を指摘されている方、糖尿病罹患が10年以上になる方は特に、一度フットケアのやり方について指導を受けるようにしましょう。

よくならない場合は医師に相談

しっかりと糖尿病の治療をおこなっても、なかなか皮膚症状が改善しないこともあります。その際は、主治医に相談をしましょう。

あなたの皮膚症状に適した薬を処方するほか、皮膚科医を紹介してくれる場合もあります。

シンクヘルスクリニック

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乾燥肌の場合における基本的な対策

「もともと乾燥肌だから早めに何か対策をしたい」

そんなあなたに、家庭でもできる乾燥の基本的な対策をご紹介します。

保湿剤を使用する

保湿剤を使用

皮膚の乾燥に対して保湿剤を塗ることは効果的といえます。

薬局やドラッグストアに行けば、すぐに保湿剤が手に入るでしょう。ただし、保湿剤の選び方や塗る量で迷ったら、主治医に聞いてみるのもよいかもしれませんね。

肌着にも注意を払おう

肌着には色々な素材のものがあります。

皮膚症状を悪化させないためには、綿素材のように肌ざわりの良い肌着を選びましょう。

ナイロンやアクリルなど化学的に作られた合成素材のものと比べて、皮膚への負担が少なくなります。

加湿器もオススメ

特に冬場は空気が乾燥しやすく、皮膚の乾燥にも影響が起きやすくなります。

そのため、加湿器を使って部屋の湿度を保つと、皮膚の乾燥を防ぐ手助けとなるでしょ

毎日足浴を行うことも、水虫リスクを下げると言われています。

まとめ

以上、糖尿病と皮膚の乾燥やかゆみの関係についてお伝えいたしました。

糖尿病の方は、脱水と自律神経障害で皮膚の乾燥とかゆみが起こると考えられます。つまり、症状の予防には、血糖値を安定させることが大切だといえるでしょう。

また、肌の乾燥対策には保湿剤や綿素材の肌着、加湿器の使用がおすすめです。

それでは当記事を通して、あなたの皮膚の状態が少しでも改善し、ストレスの少ない日常が過ごせるとうれしいです。

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参考文献
医療情報科学研究所 病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版
独立行政法人 環境保全機構 バリア機能の低下で乾燥や炎症が起こる
J-STAGE 糖尿病に伴う皮膚感染症と足病変
国立国際医療研究センター糖尿病情報センター 糖尿病と感染症のはなし

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