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クレオパトラが愛した果実「デーツ」~栄養成分から健康効果を解明~

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クレオパトラが愛した果実「デーツ」~栄養成分から健康効果を解明~

当記事の執筆は、管理栄養士  前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

古代エジプトの女王クレオパトラが、日頃からよく食べていたと言われている果実「デーツ」。

デーツは中東の乾燥した地域などで広く栽培されており、木の上で熟して自然乾燥させる、いわば天然のドライフルーツです。その味わいは黒糖や干し柿のようにねっとりと甘く、中東では砂糖代わりに使われることも。

そこで今回は、デーツに含まれる栄養成分や効能を詳しく解説いたします。オススメの食べ方もお伝えするので、どうぞ最後までお付き合いください。

デーツ(なつめやしの実)の栄養成分と効能効果

デーツ(なつめやしの実)の栄養成分と効能効果
それではさっそく、デーツの栄養成分を見ていきましょう。読み進めるに連れて、クレオパトラの愛した理由が見えてきますよ。

抗酸化作用のある「β-カロテン」

β-カロテンは、緑黄色野菜などに含まれる赤やオレンジ色の色素で、強力な抗酸化力があります。

抗酸化作用の働きは、体にとって有害な活性酸素を除去することで、老化や動脈硬化などを予防します。

またβ-カロテンは体内に入ると、必要に応じてその一部がビタミンAに変化して働くことも。人にとってビタミンAは不足すると暗いところで目が見えにくくなったり、皮膚や粘膜を健康に保てなくなります。

つまり、β-カロテンとビタミンAの両方の働きを持つデーツは、働き盛りの現代人の強い味方といえるでしょう。

一方でビタミンAには悪心・嘔吐などを引き起こす過剰症もあります。通常の食事ではほとんど起こらないですが、サプリメントを使ったり、ビタミンAがとくに多いレバーを沢山食べる時は注意が必要です。

なおビタミンAは油に溶けやすい性質があるので、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。

そのためデーツを食べるときは、クリームチーズのように油分のある食品と一緒に摂るのがオススメです。しかし、油分のあるものはカロリーが高いため食べすぎには注意しましょう。

高血圧を予防する「カリウム」

カリウムは人の体にとって必要なミネラルの一種で、ナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを調節し高血圧を予防します。

その理由としては、カリウムは腎臓でナトリウム(塩分)の吸収を抑制し、尿中へ排泄させ血圧を下げる効果があるからです。

なお、デーツは水分が抜けて栄養素が凝縮しているため、可食部100gあたりに含まれるカリウム量は550mgととても多いです。

骨や歯を健康に保つ「マグネシウム」

マグネシウムはミネラルの一種で、カルシウムなどと共に骨や歯を作ったり、体内でさまざまな代謝をサポートする働きがあります。

一方でマグネシウムが不足すると、骨粗しょう症や心疾患、高血圧などを引き起こしたり、精神障害の症状が現れることも。

実は令和元年国民健康・栄養調査によると、マグネシウムは不足気味の栄養素の1つに挙げられます。デーツは手軽に食べられるため、簡単に栄養補給ができる食品としてうってつけです。

なおマグネシウムは、通常の食事から摂りすぎても過剰症にはなりませんが、サプリメントなどから大量に摂取すると、お腹がゆるくなるので注意が必要です。

関連記事:マグネシウムとは?効果・摂取量・含まれる食品を丁寧に解説

お通じ改善効果のある「食物繊維」

食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維にわかれます。

不溶性食物繊維は、便のカサを増やすことで腸を刺激して、快便へ導く効果があります。そして、デーツには不溶性食物繊維がとても豊富です。

一方で水溶性食物繊維は、血糖値の急上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度を低下させる働きがあります。

なお国民健康・栄養調査によると、食物繊維の摂取量は国が定める推奨量(18~64歳の男性21g、女性18g以上)に届いていないのが現状です。

生活習慣病予防の観点から考えて、食物繊維は意識して摂りたい栄養成分です。

デーツはダイエットに効果的な食べ物か

デーツはダイエットに効果的な食べ物か
デーツは食べる量に注意すれば、ダイエットに活用できる食べ物と言えます。

その理由はデーツのGI値(※)にあります。
(※)GI値は、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。GI値が70以上を高GI食品、56~69の間を中GI食品、55以下を低GI食品と定義している

GI値とは、食後血糖値の上昇度を表したもので、糖尿病やメタボリックシンドローム予防の観点から注目されているワードです。

一般的に、GI値が高い食品は血糖値が速く上昇し、低い食品は上昇が緩やかです。

人の体は、血糖値の上がるスピードが速いと、血液中の糖を細胞へ取り込むために、たくさんのインスリンが分泌されます。

その結果、使われなかったインスリンが血液中に残り、今度は糖分を脂肪に換えて体に貯めこむ働きをします。

つまり、GI値の高い食品を食べると糖の吸収が激しくなり、体に負担がかかるというわけです。

ちなみにデーツのGI値は54となっており、低GI食品の仲間です。ただしデーツのカロリーや糖質は高めなため、食べる量には気を付けましょう。

デーツは糖尿病に良いか

結論からいいますと、糖尿病の方が少量のデーツを食べてもそこまで問題はありません。

しかし、デーツは1粒(4g)あたり糖質は2.6gと高めの値となっています。

したがって、デーツはミネラルや食物繊維が豊富なことなど魅力的な食品ではありますが、糖尿病の方だけにかかわらず、食べ過ぎには注意が必要です。

デーツを毎日食べると健康にいい?

デーツを毎日食べると健康にいい?
適量であれば、デーツを毎日食べると健康によい効果が得られます。

その理由として、デーツにはβ-カロテン(抗酸化作用)やカリウム(高血圧予防)、マグネシウム(骨や歯を健康に保つ)や食物繊維(お通じ改善)など、優れた栄養素の健康効果が期待できるためです。

とはいうものの、ビタミンCなど含まれていない栄養素もあるため、肉や野菜、果物など多品目の食品をバランスよく摂取するように心がけましょう。

適量ってどれくらい?

デーツは1粒(約4g)あたり11kcal、糖質は2.6g含まれています。

美味しいからとつい食べすぎてしまいがちですが、カロリーと糖質が共に高いため、1日2粒程度にすると良いでしょう

白髪に効果はあるのか

残念ながら、今のところは「デーツが白髪に効果がある」という著明な研究結果は見当たりません。

とはいえ、デーツにはビタミンやミネラルが豊富なため、髪によい影響を与える食品といえそうです。私たちはデーツを美味しく食べながら、研究結果を楽しみに待ちましょう。

デーツを食べ過ぎた場合の副作用について

デーツを食べ過ぎた場合の副作用について
デーツに限らず、どんなに優れた栄養素が入っていても、食べすぎると健康を損なう可能性があります。デーツの場合は不溶性食物繊維の量が多いことが原因です。

繰り返しになりますが、不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸収して便のカサを増やす働きがあります。そのため、水分を一緒に摂らないと便秘が悪化したり、お腹にガスが溜まって張ったりする可能性があります。

したがって、食べ過ぎには注意し、デーツを食べる時には水分摂取も心がけましょう。

オススメの食べ方のご紹介

オススメの食べ方のご紹介
デーツ単体で濃厚な甘味を堪能するのもよいですが、他の食品と組み合わせると一段と美味しさがアップしますよ!

ヨーグルトと合わせて朝食に

デーツは栄養価が高いので、ぜひ毎日の食事に摂り入れたいところ。そこでオススメなのが、ヨーグルトと組み合わせることです。

デーツの種を取り出してから細かく刻んで、ヨーグルトに乗せるだけ。デーツの強い甘味のおかげで、ヨーグルトの酸味が和らぐのでとても食べやすくなりますよ。

参考記事:ヨーグルトの栄養と効能~選び方や食べ方のコツまで徹底解説~

クラッカーに乗せて極上スイーツに

甘い物を我慢すればするほど、なぜか無性に甘い物が食べたくなります。そんなときにオススメしたいのが、デーツを使ったおやつです。

作り方はとても簡単!クラッカーにクリームチーズを少しだけ乗せて、種を取り出して1/2にカットしたデーツを乗せればできあがりです。

デーツをそのまま食べるよりも、ほんの少し手を加えて目からも「おやつを食べていること」を味わうと、満足感が飛躍的にアップします。

なおクリームチーズは脂質が多いので、食べ過ぎないように注意が必要です。

参考記事:ダイエット中におやつはOK?〜選び方・おすすめレシピ・ランキングを一挙公開~

まとめ

以上、デーツの栄養成分と効能効果についてお伝えしました。

最後にまとめますとデーツは、

・抗酸化作用のあるβ-カロテン
・高血圧を予防するカリウム
・骨や歯の成長を促すマグネシウム
・お通じ改善に効果的な食物繊維

が豊富に含まれるのとあわせ、

・低GI食品なのでダイエットの味方にも
・毎日食べても問題ないが、1日2粒程度が良い

という点がポイントになります。

イスラム教の聖典によると「神の与えた食べ物」とされているデーツ。

名前の通り、その味わいは格別です。デーツは産地や品種によって、甘さも大きさも硬さも異なるのでぜひお気に入りの1つを見つけてくださいね。

なお、弊社の開発する無料の人気アプリ・シンクヘルスでは食事、体重、運動、血糖値の記録がとてもカンタンにできます。日々の健康管理・維持にぜひ活用してみてくださいね。
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【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
シドニー大学 GIデータベース
厚生労働省 国民健康・栄養調査

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