コーヒーの糖質とカロリーは0なのか?~さまざまなコーヒーを徹底比較~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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朝の目覚めや食後の一杯にピッタリのコーヒー。
最近は糖質が気になり始めて、砂糖を入れないブラックコーヒーやカフェラテを選ぶ方も多く見かけます。
でもそのコーヒー、本当に糖質ゼロでしょうか?
今回は、身近に買えるさまざまなコーヒーの糖質を徹底比較します。
コーヒーに期待される健康効果や、相性バツグンの低糖質おやつもご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
コーヒーのカロリーと糖質
豆を挽いてドリップしたコーヒーの糖質は、当然ながら0gです。
ところで、「コーヒー」といっても人によっては砂糖やミルクが入ったものをイメージする場合があります。
というわけで、ここからはさまざまなコーヒーの糖質を比較検証してみました。
インスタントコーヒーや缶コーヒーはどうか
忙しい時でも、お湯さえあればサッと作れるインスタントコーヒー。
砂糖やミルクの入っていない、無糖タイプ(1杯あたり2g使用)の糖質は約1.3g(※)です。
ゼロではありませんでしたが、糖質はかなり低いといえるでしょう。
一方、自動販売機などで手軽に買える缶コーヒーですが、こちらは砂糖、ミルク入りで1本(約180ml)あたり15g(※)の糖質を含みます。
メーカによって異なるためすべての缶コーヒーの糖質がこのとおりではありませんが、目安として覚えておくとよいですよ。
仕事の休憩でよく缶コーヒーを飲むという方は、何本も飲むと糖質の摂りすぎとなりますのでご注意ください。
(※)糖質量は差し引き法による利用可能炭水化物計を参照
微糖?甘さ控えめ?結局糖質はどれくらいなのか
甘さが気になる方に向けて「微糖」や「甘さ控えめ」といった商品もあり、たしかに糖質量は通常のものと比べて半分ほどに抑えられています。
ただし、微糖や甘さ控えめのコーヒーの多くは砂糖を減らす代わりに「人工甘味料」が含まれています。
人工甘味料は血糖値があがらないという特徴から、日常的に摂取していると脳が「もっと糖をとらなくては!」と錯覚を起こし、かえって食欲が増して太りやすくなるという研究報告があります。
糖質を控えたい気持ちはわかりますが、やはり毎日飲み続けない方がよいでしょう。
カフェラテやフラペチーノは注意
いまや、コンビニでも手軽にいれたてのおいしいコーヒーを飲めるようになりましたが、糖質制限をする場合、注意しなくてはならない飲み物があります。
それは砂糖の入ったカフェラテと、ひんやり甘いフラペチーノです。
カフェラテはエスプレッソにミルクを入れたものですが、糖質量は1杯あたり約7~8gです。無糖であっても、ブラックコーヒーよりはやや糖質が多めですね。食事以外の糖質は極力さけたいというのであれば、カフェラテはオススメできません。
さらに暑い日に飲みたくなるフラペチーノは、氷にシロップやミルクを入れたシェイクのような飲み物で、商品やサイズによりますが糖質はなんと30~45gも含まれています。この量は、ごはん100gと同等の糖質量です。
糖質制限中にフラペチーノを飲むと、食事の糖質量を減らして調整しなければならず、結果3食の食事内容が貧相になってしまいます。
糖質制限ダイエットを成功させたい方は、糖質を多く含むフラペチーノは避けたほうがよさそうです。
【結論】糖質が気になるならブラック一択!
ここまでさまざまなコーヒーの糖質を比較してきましたが、結局のところ糖質を制限するなら無糖のブラックコーヒーを選ぶのがベストといえます。
さらに、できればドリップコーヒーにすると糖質を限りなくゼロに近づけるのでオススメですよ。時間がない場合はインスタントコーヒーでもよいでしょう。
コーヒーの健康効果に注目
嗜好品として楽しまれてきたコーヒーですが、一般的に広く知られている健康効果としては、
・カフェインによる覚醒作用、利尿作用
・ポリフェノールによる抗酸化作用
があげられます。
さらに最近では、上記以外の健康効果についても研究が進められているようです。
コーヒーに脂肪燃焼効果はあるのか
コーヒーの脂肪燃焼効果についてはさまざまな研究が行われていますが、一概に効果があるとは言い切れません。
なぜなら、カフェインを日常的に摂取している人は、カフェインへの耐性ができているためその効果はやや弱い可能性があるからです。
一方で、海外の研究論文によると、コーヒー2杯分に相当するカフェインの摂取(約240mg)は、運動時の脂肪燃焼を高めるという報告もあります。
コーヒーの脂肪燃焼効果については、まだわかっていないことも多くあるので、今後の研究結果に期待しましょう。
参考記事:コーヒーを飲んだら痩せる?〜ダイエット効果・飲み方・オススメの一品を紹介〜
糖尿病を予防するってホント?
コーヒーのどのような成分が糖尿病の予防につながるかは、現段階で明らかになってはいません。
現在わかっていることは、コーヒーを飲む習慣のある方は、そうではない型と比べて2型糖尿病を発症しにくいということです。
こちらも、脂肪燃焼効果とともに今後の研究成果に期待が高まりますね。
参考記事:コーヒーが糖尿病を予防するってホント?~目安量や注意点を解説~
1日どれくらい飲むといいのか
コーヒーを飲む場合、1日の目安としてマグカップで約2~3杯がよいでしょう。
というのも、コーヒーに含まれるカフェインの摂りすぎはかえって健康を害する可能性があるからです。
そのため、世界的にもさまざまな機関が1日に摂取するカフェインの目安量を設定しています。
成人の場合、1日約300mgでコーヒーに置き換えるとマグカップで約3杯分です。
また、妊婦の場合は胎児への影響を考慮し、1日約200mg(コーヒーをマグカップで2杯分)と成人より低く設定しています。
以上のことより、コーヒーの目安量は1日あたりマグカップで約2~3杯と覚えておきましょう。
コーヒーとの相性バツグンな低糖質おやつ
午後のブレイクタイムにコーヒーを飲むとき、ついつい甘いお菓子をあわせたくなりますよね。
でも、せっかくコーヒーの糖質を気にしているのにお菓子で糖質オーバーになってしまっては本末転倒です。
ここからは、低糖質でコーヒーとの相性もバッチリなおやつをご紹介します。
素焼きのナッツ
ナッツ類は糖質が低く、よく噛んで食べるため少量でも満足できてダイエット中のおやつにピッタリです。
ナッツであればアーモンドでもマカダミアでもよいのですが、味付けされていない素焼きのナッツを選ぶのがポイントです。
市販のナッツの中には、油で揚げてあったり塩や砂糖で味付けされているものがあります。しかしこれらはカロリーや糖質、塩分が高いためダイエット中には不向きです。
また、素焼きのほうがナッツ本来のほんのりとした甘味が楽しめて、コーヒーとの相性もよいですよ。
目安としては、1日25~30g(手のひら1杯分くらい)がよいでしょう。
参考記事:ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜
高カカオチョコレート
ダイエット中には避けている方も多いチョコレートですが、カカオの配合量が多い高カカオチョコレートであれば糖質も低く、カロリーも抑えられるためオススメです。
1日の目安量は15~20g(1枚5gを3~4枚)と、ナッツに比べれば少なめですが、濃厚な味がコーヒーとの相性バツグンで、糖質オフしながらも満足のいくコーヒータイムが楽しめますよ。
参考記事:チョコレートのカロリーと糖質は高い?~健康効果についても管理栄養士が詳しく解説~
まとめ
さまざまなコーヒーの糖質を比較した結果、糖質制限したい方にオススメなのはドリップしたブラックコーヒーであることがわかりました。
また、微糖など甘さ控えめなコーヒーは人工甘味料が含まれているため、飲む量に注意が必要です。
さらにコーヒーを飲むことでさまざまな健康効果が期待できる一方、コーヒーに含まれるカフェインの摂りすぎを防ぐためにも、マグカップで1日2~3杯を目安としましょう。
それでは、健康な体づくりにぜひコーヒーを役立ててみてください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
健康長寿ネット
独立行政法人 農畜産業振興機構 人工甘味料と糖代謝
International Society of Sports Nutrition Caffeine increases maximal fat oxidation during a graded exercise test: is there a diurnal variation?
国際医療法人 市川病院 コーヒーと糖尿病
厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~