長芋のカロリーと糖質は低い~ダイエットに活用しやすい食品です~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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11~12月に旬を迎える秋堀り(※)の長いも。独特な粘りがあり、生でも加熱してもおいしく食べられます。
(※)10月下旬〜12月中旬頃までに収穫されるものを指す。一方で2月半ばから4月中旬に収穫されるものを【春掘り】と呼ぶ。
イモ類であることから、糖質の量が気になりダイエットは食べない方がいいと思われがちですが、実はさつまいもやじゃがいもに比べて、カロリー・糖質が低く、ダイエットに活用しやすい食品なのです。
そこで今回は、長いものカロリーと糖質について解説します。さらに、長いもに含まれる栄養素や長いもを使った簡単なダイエットレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
長芋の100gあたりにおけるカロリーと糖質
長いも100gのカロリーは64kcal、糖質は14.1gと、一般的な食材の中ではカロリーは低めで糖質は普通程度ですが、イモ類の中ではカロリーも糖質も低めです。
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自然薯との違い
長いもは、中国原産で日本に伝わってきたものです。それに対し、自然薯は、日本原産の品種のことを言います。
原産が違う点以外は、同じヤマノイモ科・ヤマノイモ属に分類されるため、含まれている栄養素はほぼ同じです。
しかし、長いもは自然薯に比べて水分量が多いため、カロリー・糖質が低く、自然薯と比べると約半分です。
カロリー | 糖質 | 水分 | |
長いも | 64kcal | 14.1g | 82.6g |
自然薯 | 118kcal | 25.7g | 68.8g |
*100gあたり
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ダイエットや糖質制限向きか?
結論から言いますと、長いもはダイエットに向いています。その理由は、長いもが低カロリーであることと、含まれる栄養素がダイエットに適している、という二点です。
また、長いもは糖質制限向きとは言いにくいですが、糖質制限中も食べられます。ただし、とろろご飯として食べる場合は、ご飯と長いも両方の糖質に気を配る必要があります。
参考までにとろろご飯は、ご飯を茶碗に軽く1杯(100g)、長いも50g程度で糖質量は45.2gです。糖質制限中の目安にしてください。
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長芋の栄養成分
長いもは可食部100g中、82.6gの水分を含んでいる他、以下のような栄養素が含まれています。
亜鉛、カリウム、鉄などのミネラル
亜鉛:体内で新しい細胞が作られるために必要なミネラル。また、味覚を感じたり、免疫反応にも関わる。
カリウム:体内の余分な塩分や水分を排出するため、高血圧予防に効果が期待できる。
鉄:体内での酸素の運搬に関わる。不足すると、貧血気味になり、疲れやすくなるので不足しないよう補うことが大切。
ビタミンB群
長いもは、ビタミンB群の中でもとくにビタミンB1を豊富に含んでいます。
ビタミンB1は、糖質を燃やしてエネルギー代謝を促すのに必要な栄養素です。
食物繊維
血糖値の上昇を緩やかにし、糖尿病予防に役立ちます。また、血中コレステロールを下げ、整腸作用による、お通じの改善効果も期待できます。
消化酵素(とくにアミラーゼ)
アミラーゼには、ご飯やパンに含まれるでんぷん質の消化を助ける働きがあります。
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加熱すると栄養成分はどうなるのか
長いもに含まれる栄養成分の1つである消化酵素は、熱に弱いという性質があります。そのため、栄養素を損なうことなく取り入れたい場合には、生で食べるのがオススメです。
水分が多い長いもは、すりおろすとサラサラ、切って食べるとサクサクとした食感を楽めます。しかし、加熱することでフワフワとした食感になり、また違った味わいです。
加熱して食べる際には、先に酢水に浸してアク抜きをした後に、さっと短時間の加熱で調理すると栄養素を逃がすことなく食べられます。
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長芋は危険?デメリットはあるのか
人によりますが、長いもはアレルギーを引き起こす事があるので注意が必要です。長いもアレルギーの症状としては、痒み、蕁麻疹、咳、嘔吐、下痢、呼吸困難などがあります。
また、長いもの皮をむく際に手がかゆくなることがあります。これは長いもに含まれるシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚を刺激するために起こるのです。その場合は、扱う際に手袋を着用することで防ぐことができます。
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簡単で美味しい!長芋を活用したダイエットレシピ
ダイエットに活用したい食材“長いも”を使った、簡単に作れるレシピを紹介します。
【長いもときゅうりの梅肉和え】
・長いも 100g
・きゅうり 1本
・梅干し 1個
・めんつゆ 小さじ2
【作り方】
①長いもは皮をむき細切りにする
②きゅうりは斜め薄切りにしてから細切りにする
③梅干しは種を除き、包丁で細かく刻む
④ボウルに1の長いもときゅうり、2の梅肉を入れ、さらにめんつゆを加えて混ぜ合わせて完成
※お好みでかつお節や刻みのりを加えても美味しいので、ぜひお試しください
【長いもとろろの豆腐グラタン】
・長いも 150g
・絹ごし豆腐 150g(1/2丁)
・卵 1個
・長ネギ 10㎝分程
【調味料】
・めんつゆ 大さじ1
・塩 ひとつまみ
・ごま油 小さじ1/2
【トッピング】
・ピザ用チーズ 適量
・マヨネーズ 適量
・刻みのり 適量
【作り方】
①豆腐は水切りし、長いもは皮をむきとろろに、長ネギは小口切りにする
②とろろに長ネギと調味料すべてを加えてよく混ぜる
※この時に空気を含ませるようにしてよく混ぜると、ふわふわに仕上がります
③水切りした豆腐を一口大に切ってグラタン皿に並べ、上から②を流し入れてマヨネーズをかける
④アルミホイルをかぶせて、オーブントースターで火が通るまで加熱する(20~30分程度)
⑤アルミホイルを外して、適量のチーズをのせ、焼き色がつくまで焼く
⑥刻みのりを散らして完成
【ポイント】
豆腐の水切りをしっかりすると、より美味しくできあがります。
まとめ
以上、長いもはカロリーが低く、ダイエットに向いている食材であることが、おわかりいただけたでしょうか。
生で食べたり、加熱して食べたり、違った調理方法でさまざまな食感を楽しめますよ。さまざまな調理法のおかげで飽きることなく、良質な栄養素を摂取できますので、ぜひ食事に取り入れてみてください。
ただし、食べ過ぎには注意してくださいね。
それでは当記事を参考に、長いもを日々の食卓に取り入れていただければ幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重、食事、血糖値、運動の記録がカンタンにできます。日々の体重、食事、血糖管理にてぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
独立行政法人 農畜産業振興機構 やまのいも
JAきたみらい 長芋