ひよこ豆に栄養はあるの?~他の豆に負けない魅力やレシピを大公開~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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カレーやサラダのトッピングとして見かけるひよこ豆。
大豆などに代表される豆類の一種で、ひよこのに似たフォルムからその名がつけられました。
普段はあくまでもトッピングとして使われるため、わざわざひよこ豆の栄養を気にして食べる方は少ないでしょう。
しかし、ひよこ豆には大豆など他の豆類にも負けないポイントがたくさんあるのです。
今回は、脇役として扱われがちなひよこ豆の栄養とその効果についてお伝えします。
さらに、ひよこ豆が主役の簡単レシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ひよこ豆の栄養と健康効果
それではさっそく、ひよこ豆に秘められた栄養と効果についてご紹介しましょう。
便秘予防に効果的な食物繊維
ひよこ豆の特徴は、なんといっても食物繊維が豊富なことです。なかでも不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維を摂ると、便の量が増え腸壁を刺激し便通の改善が期待できます。お通じに悩む便秘の方には積極的に摂っていただきたい栄養素です。
ちなみに、食物繊維には水溶性食物繊維もあります。こちらは水に溶けるとゼリー状になり、糖質の吸収を穏やかにすることで血糖値の急上昇を防ぐのが役割です。
体の成長に欠かせない葉酸
ビタミンの一種である葉酸も、ひよこ豆に多く含まれる栄養素です。
葉酸は、血液中の赤血球を作る際に欠かせない栄養素です。また、体の細胞を作ったり再生したりするのを助けるため、体の成長に必要とされています。
さらに、最近の研究では葉酸の欠乏は動脈硬化を引き起こす要因になると考えられています。つまり、葉酸の積極的な摂取は動脈硬化を防ぐ可能性があるのです。
ひよこ豆と大豆・黒豆の栄養を徹底比較
ここまでひよこ豆の栄養についてご紹介しましたが、同じ豆類の大豆や黒豆と比較するとどのような点で優れているのでしょうか。
いくつかのポイントについて、次の表にまとめました。
※糖質は単糖当量を参照
たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄は大豆や黒豆の方が多く、糖質と食物繊維はひよこ豆の方が多いという結果になりました。
ダイエットに効果的な豆はどれか
ダイエットという観点からみると、どの豆にも効果があるといえます。
どの豆が一番ダイエットに適しているかではなく、ダイエット中の目的別に豆の種類を選ぶとよいでしょう。
たとえば、カルシウムや鉄を多く含む大豆は、それらの栄養素を補いたい時に使います。一方食物繊維の多いひよこ豆は、ダイエット中の便秘に困っている際に効果的といえます。
参考記事:置き換えダイエットは本当に効果があるの?~オススメの置き換え食品もご紹介~
乾燥ひよこ豆の食べ方
市販のひよこ豆は水煮のものもありますが、保存性の高い乾燥ひよこ豆もオススメですよ。
しかし、乾燥ひよこ豆はそのまま食べられないので水で戻す必要があります。
ちなみに、ひよこ豆は戻すともとの重量から2.2倍になるので、戻した後の重量を100gにしたい場合は約45.5gの乾燥ひよこ豆を使います。
①乾燥ひよこ豆をボールに入れて、豆から3㎝くらい上まで水を注ぎ1晩おく
②①を鍋に入れ、中火で30~40分煮る
③火を止めて冷ましたら完成
水で戻すと栄養が抜けるってホント?
ひよこ豆を戻した場合、水に溶けやすいカリウムや水溶性ビタミンなどは減ってしまいます。ただし、ひよこ豆の戻し方で一晩おいた時に使った水も一緒に調理すれば、水に溶けだした栄養素も無駄なく摂れますよ。
煮汁はアクを摂ってから冷蔵庫に保存して、味噌汁の出汁やお米を炊く際の水として使えます。
ひよこ豆の食べ過ぎは体に悪いのか
先ほども触れた通り、ひよこ豆には不溶性食物繊維が多く含まれています。そのため、水分が不足した状態でひよこ豆をたくさん食べると、便が硬くなり排便しづらくなってしまいます。
ひよこ豆に限らず、どの食材においても食べ過ぎはよくありません。1つの食材に頼りすぎるのではなく、さまざまな食材をバランスよく食べるよう工夫しましょう。
そして、ひよこ豆を食べる際は十分な水分補給も一緒にするとよいですよ。
1日の適量は?
食べ過ぎを防ぐためにも、ひよこ豆の食べる量は1日50g前後までとしましょう。
この量は、おもに食物繊維の摂取量から算出しました。
アメリカ・カナダの食事摂取基準では、生活習慣病を予防する上では1日24g以上の食物繊維の摂取が必要とされています。ちなみに令和元年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の男女の平均値は18.8gです。
以上のことから、生活習慣病予防の観点から不足している約5gの食物繊維をひよこ豆で補おうとすると約50gとなります。
ひよこ豆50gは小さめの皿1杯分程なので、いつもの食事に足しても量が多くて食べきれないことはありませんよ。
ひよこ豆を使ったレシピ
サラダやカレーなどのトッピング以外で、ひよこ豆の栄養を余すところなく食べられるレシピのご紹介です。
【ひよこ豆とアボカドのディップ】
・ひよこ豆(水煮) 100g
・ひよこ豆の煮汁 30ml
・アボカド 1/2個
・レモン汁 小さじ1
・塩コショウ 少々
・カレー粉 小さじ1\2
(作り方)
①ひよこ豆(水煮)を保存袋に入れて綿棒でたたきながらつぶす
②①にひよこ豆の煮汁を加えもみながら少しずつのばす
③ペースト状になったらアボカドとレモン汁を入れてさらにもむ
④塩コショウ・カレー粉で味を整える
⑤器に盛り、クラッカーを添えたら出来上がり
(ポイント)
・滑らかにしたい方はハンドブレンダーを使うのがオススメ
・おやつやお酒のおつまみにもピッタリ!
・アボカドで良質な脂質をプラス
まとめ
料理のトッピングとして脇役の存在になりがちなひよこ豆ですが、食物繊維や葉酸など私たちの健康な体づくりに役立つ栄養素を含んでいます。
しかも、これらの栄養素は同じ豆類の大豆や黒豆にも負けないくらい豊富です。ダイエット中に食物繊維を補うためにはもってこいの食材といえます。
ただし、水分が十分に摂れていない状態で大量にひよこ豆を食べると、便が硬くなり排便しづらくなってしまいます。食べる量は1日50g程度にし、水分も一緒に摂るよう努めましょう。
ご紹介したレシピは、トッピング以外でひよこ豆の使い方がわからない方にオススメなので、ぜひ作ってみてくださいね。
それでは、当記事の情報からみなさんの食事にひよこ豆がプラスされれば幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版