ささみの栄養と効能を一挙公開~胸肉との違いやレシピも紹介します~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
形が笹の葉に似ていることから名付けられた、ささみ。
ささみはたんぱくな味わいで、メインのおかずにもサラダや和え物の具にも活用できる万能な部位です。
またささみは脂質が少ないため、ダイエット中の方に好まれます。
そこで今回は、ささみの栄養について詳しく解説していきます。
ヘルシーなイメージが強いささみは、意外にも食べすぎに注意しなければいけない栄養素も含まれるのです。ぜひ最後までご覧いただき、健康維持にお役立てください。
目次
ささみの栄養と効能
ささみの特筆すべき栄養素と言えば、たんぱく質。
そんなたんぱく質が体内でどのように働くのか、たんぱく質以外にも健康に嬉しい栄養素が含まれるのか、さっそく見ていきましょう。
利用効率の高い「良質なたんぱく質」
ささみ100g中に含まれるたんぱく質は、23.9gと非常に多いです。
一体どのくらい多いのか、ほかのたんぱく質源となる食材と比べてみましょう。
このようにほかの食材と比べても、ささみのたんぱく質量は多いです。
ちなみに、ささみ1本と卵1個はどちらも50gです。
したがって、ささみ1本に含まれるたんぱく質量は卵2個分と言えますね。
また、ささみに含まれるたんぱく質は多いだけではなく、体内での利用効率の高い「良質なたんぱく質」です。
良質なたんぱく質とは、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれているものです。
必須アミノ酸のうちいずれか1種類でも不足しているものがあると、体内での利用効率は下がります。
たんぱく質は筋肉や臓器のもととなる重要な栄養素ですから、量だけでなく質にもこだわりたいですね。
たんぱく質の代謝に関わる「ビタミンB6」
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わります。
それゆえたんぱく質の摂取量が増えると、ビタミンB6の必要量も増加します。
たんぱく質とビタミンB6を併せ持つささみは、たんぱく質を効率的に補いたい方に適した食材です。
ほかにもビタミンB6は、皮膚や粘膜の健康を維持したり、ホルモンの働きを調節したりします。
ゆえにビタミンB6が不足すると、湿疹や口角炎が現れることもありますよ。
ささみのカロリー
ささみは100gあたり98kcalと、たんぱく質源となる食材の中ではカロリーが低めです。
参考までに、先ほどたんぱく質量を比較した食材のカロリーを見てみましょう。
このように、ささみは豆腐のカロリーよりは高いですが、そのほかの食材と比べると圧倒的に低カロリーであることがわかります。
また豆腐とささみから同じ量のたんぱく質を摂ろうとすれば、ささみの方がカロリーは低くなりますね。
蒸しささみにするとどうか
ささみを蒸すことで、カロリーが増えることはありません。
ただし蒸す過程で水分が抜けるため、100gあたりのカロリーは生のささみよりも高くなるでしょう。
プリン体が多いって本当?
実のところ、ささみはプリン体が多めです。
食べすぎに注意しなければいけない栄養素とは、プリン体のことだったのです。
実際にどのくらい多いのか、ほかの部位と比べてみました。
このようにささみは、レバーの次にプリン体の多い部位であることがわかります。
参考までに牛もも肉、豚ロース100gあたりに含まれるプリン体は、それぞれ110mg、90mgです。
したがってささみのプリン体含有量は、牛肉や豚肉に比べても高いことが伺えます。
プリン体は摂りすぎると、痛風発作のリスクが高まります。
ささみはヘルシーなイメージを持たれることが多いゆえに、意識して食べている方もいらっしゃるかもしれません。
ただし毎食のようにささみを食べるなど偏った食事では、プリン体の過剰摂取につながります。
ほかの食材とも組み合わせながら、適度に取り入れるとよいですね。
なぜささみに栄養がないと言われるのか
ささみは脂質や糖質が少ないため、栄養がないと噂されることも。
しかしすでにお伝えしているように、ささみはたんぱく質が豊富な食材です。
ゆえに「栄養がない」よりも「栄養が偏っている」と表現した方が適切でしょう。
したがってダイエット中だからと言って、ささみばかりを食べるような食生活は避けましょう。
なぜならささみばかりを食べていると必要な栄養が補えず、結果的に栄養不足になる可能性があるからです。
ささみと胸肉の栄養素に違いはあるの?
ささみと胸肉は、どちらも高たんぱく質かつ低糖質です。
そのためささみや胸肉はダイエット中の方だけでなく、血糖値が気になる方にも適しています。
一方で鶏肉の皮には、脂質が多く含まれます。
また皮なし胸肉も、脂質はささみの2倍です。
したがってより脂質を抑えたい方には、胸肉よりもささみが適していますよ。
【管理栄養士監修】パサつかないささみのレシピ
ここでは、ささみがふっくらと仕上がる「ささみのピカタ」をご紹介します。
卵液に粉チーズやカレー粉を混ぜるなど、アレンジしても美味しいですよ。
【ササミのふっくらピカタ】
・ささみ 4本
・卵 1個
・酒 大さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
・薄力粉 大さじ1
・サラダ油 大さじ1
・ケチャップ 適量
【作り方】
①ささみの筋を取り除き食べやすい大きさに切ったら、酒をふりかけておく
②①に塩、こしょう、薄力粉をまぶす
③ボウルに卵を溶き、②のささみを入れて、全体になじませる
④フライパンで油を熱し、③のささみを入れる
⑤両面を焼き、中まで火が通ったら完成
※お好みでケチャップを付けて、召し上がってください
まとめ
以上、ささみの栄養について解説しました。
ささみの特筆すべき栄養素といえば、たんぱく質です。
たんぱく質源となる食材の中でもカロリーが低めなささみは、ダイエット中の方にオススメの食材です。
またささみは脂質や糖質が少ないため、肥満や血糖値が気になる方にも好まれます。
ただしささみはプリン体が多めの部位ですから、食べすぎには注意しましょう。
それでは当記事を参考に、ささみを健康維持に役立てていただけたら幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省e-ヘルスネット 5. 2. 4.ビタミン B6 肉類50gあたりの脂質とプリン体の関係
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 ビタミンB6