玄米&白米の糖質とカロリー量~比較しながらポイント解説~

当記事を監修した専門家:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子 、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)
「よく玄米が糖質制限やダイエットに良いっていうけど、本当?」
最近の健康ブームでよくメディアに出てくる玄米。
おそらくあなたもどういった効果があるか気になるところでしょう。
そこで今回は、玄米の糖質やカロリーに着目し、一般に流通する白米と比較しながらポイントを絞って解説していきます。
当記事を読むことであなたの玄米に対するモヤモヤが晴れて、日々の食生活に活かせたらと思います。
目次
なぜ玄米が良いのか
玄米は白米よりも、ビタミンB群、マグネシウム、鉄分、食物繊維などをたくさん含んでおり、人間の健康に必須の栄養素がしっかり摂取できるため、注目されています。
また、食物繊維自体、食後の血糖値の上昇を抑える作用もあり、糖尿病のリスクを下げるという論文も発表されています。
話題の発芽玄米について
もみ殻を取り、ぬかや胚芽が残った状態を玄米といいますが、文字通り玄米のままお米が発芽したものが発芽玄米です。
発芽玄米には血圧降下作用やストレス緩和にも効果があるといわれ、近年注目されている食材といえます。
玄米フレークはどう?
玄米フレークとは、玄米を主材料にしたフレーク状の食品です。
通常のフレークより高い栄養価が期待できますので、朝食などに活用するもの良いと思います。
玄米・白米における100gあたりの糖質とカロリー量
*100gあたり
グラフの通り比較してみましたが、糖質とカロリー量の観点でいくと大差はありません。
しかし、玄米の方が栄養分が豊富ですので、お好きな方は玄米を食べると良いでしょう。
糖質制限との関係
上記にあるグラフの通り、玄米にも糖質は含みますので、糖質制限をメインにされている方は、量を控えるのがよろしいかと思います。
ただ、玄米には食物繊維が多く含まれ、食後の血糖値の上昇を抑える作用もあるので、糖質制限中に白米の代わりに食べるのも手です。
また糖質が気になる方は以下のように、糖質カットの玄米もあるので、試してみるのもよいでしょう。
血糖値の上がりにくさは玄米に軍配(GI値を参照)
食後の血糖値の上昇を抑える理由を、GI値という数値で双方を比較しながら見ていきましょう。
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemis Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標です。食品に含まれる糖質の吸収度を示し、摂取2時間までに血液中に入る糖質量を計測したものです。
GI値はそれぞれの値によって、
・70以上=高GI食品
・56〜69 =中GI食品
・55以下=低GI食品
と分けられ、GIが高い食品ほど血糖値が速く上昇し、低いほど血糖値が上昇しにくい傾向にあります。ちなみに白米は高GI、玄米は低GIに分類されるので、血糖値の値が気になる方は玄米に切り替えてもよいでしょう。
※ちなみに以下、弊社インスタグラムでは玄米と白米を食べた際の血糖値の動きにおける違いを、CGMセンサーを用いて見える化しています。ぜひ当インスタグラムもチェックしてくださいね。
ダイエットにも効果的か
白米と比べ、玄米に多く含まれる食物繊維は、膨張して胃の中に長く留まる傾向にあります。そのため満腹感が長続きし、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
もちろん栄養価も高めな点も、ダイエット中に嬉しいですね。
お勧めの食べ合わせを紹介
玄米ご飯にごまを振りかけるのがお勧めです。
なぜならごまに含まれるビタミンB1が、玄米ご飯の糖質の代謝を高めるからです。結果、スムーズにエネルギーを作り出すことができ、よりダイエットに役立つでしょう。
参考記事:痩せる!玄米ダイエットのやり方〜栄養・注意点・レシピを分かりやすく紹介〜
玄米の注意点
ここまで言うと「玄米ってすごくメリットだらけ・・・」
そう思われる方もいらっしゃるので、ポイントとなる注意事項をまとめました。
炊き終わるまで時間が掛かる
玄米は糠(ぬか)が残っているので硬く、さらに食物繊維が水の吸収を妨げるので、炊き終わるまでに時間が掛かる傾向にあります。
例えば白米は通常30~60分ほどのところ、玄米は約75~90分ほど、炊き上がりに時間が掛かります。
白米と比べ消化不良を起こす可能性
硬い糠を取り出した白米と比べ、玄米はよく噛まないと消化不良を起こすことも。しっかり噛んで摂取しましょう。
また稀にですが、胃が痛くなったりアレルギーを起こす場合もあります。体質に合わない場合は白米を食べるようにしてくださいね。
白米より農薬が残っている可能性
精米前の玄米には、白米より表面に農薬が残る可能性があります。なので購入前には無農薬栽培かを確認すると良いです。
細かいことを言えば、生産先の農家が無農薬でも、周りの田んぼが農薬を使っていれば混ざってしまうなども想定されます。ただ今のご時世、完全に化学物質を避けるのは難しいところもあるでしょう。そこでご自身の折り合う範囲で、無農薬をどこまで厳格に見るのか決めるのが賢明です。
まとめ
以上、玄米と白米を比較しながら糖質とカロリーを説明しました。まとめますと、
・糖質とカロリーは両方で大差がない
・一方で玄米の方が栄養素が多め
・白米と比べ、炊飯の時間、消化不良、農薬を注意すること
の3点になります。
当記事をぜひ参考いただき、日々の食生活で玄米も活かしていただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
ハーバード大学:Replacing white rice with brown rice or other whole grains may reduce diabetes risk
国立成育医療研究センター:血糖値のあがりにくい食事のとり方
TIGER:美味しいごはんの炊き方
厚生労働省:e-ヘルスネット
文部科学省:食品成分データベース