ブロッコリーの栄養と効能~お肌や筋トレへの効果&レンジを使ったレシピも紹介~

当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)
緑黄色野菜の代表格であるブロッコリー。メイン料理の付け合わせやサラダ、お弁当など口にする機会が多いのではないでしょうか。
そんなブロッコリーは栄養価が高いため、美容や健康を意識している方にも人気の野菜です。とはいえ具体的にどのような栄養素が豊富に含まれているのかご存じない方も多いと思います。
そこで今回はブロッコリーにはどのような効能を持つ栄養素が含まれるのか、効率よく栄養を摂るための方法などわかりやすくお伝えしていきます。
さらにブロッコリーを使った簡単で美味しいレシピのご紹介もありますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
ブロッコリーの栄養成分と効能
ブロッコリーは100gあたり37kcalと低カロリーですが、栄養価が高い野菜です。
ここからは、ブロッコリーに含まれる栄養とその効能について詳しく解説していきます。
参考記事:カリフラワーの栄養と効能〜ブロッコリーとの違いやレシピを管理栄養士が解説〜
ビタミンC
ブロッコリーに含まれる注目すべき栄養素は、ビタミンCです。
ビタミンCは別名「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、病気に対する抵抗力を高めたり、日焼けを防ぐ作用、肉体疲労の蓄積を抑制するといった働きが特徴です。
ビタミンCと言えばレモンに多く含まれていることで有名ですが、生のブロッコリー100gにはレモン果汁7個分のビタミンC(140mg)が含まれます。
ちなみにビタミンCは「水溶性ビタミン」と言って水に溶けやすい特徴を持つため、食材を茹でる際に損失しやすい栄養素です。
そのため茹でたブロッコリー100g中のビタミンCは55mgまで減りますが、それでも1日に推奨されているビタミンCの摂取量(※)の50%以上が含まれています。
(※)2020年版食事摂取基準では、12歳以上の人は1日に100mgのビタミンCを摂取することが推奨されています。
たんぱく質
次に注目すべき栄養素はたんぱく質です。たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する成分で、筋トレをしている方にはもちろん、そうでない方にとっても重要な栄養素なのです。
また、肌のハリや弾力を保つコラーゲンもたんぱく質の一種ですので、美肌のためにも積極的に摂取したい栄養素です。
一般的に良質なたんぱく質(※)は肉や魚などの動物性食品に多いですが、植物性たんぱく質にはカロリーを抑えながらたんぱく質を摂ることができるメリットがあります。
(※)良質なたんぱく質とは、たんぱく質を構成しているアミノ酸の中でも必須アミノ酸(体で合成できないもの)がバランス良く含まれているたんぱく質のことです。
葉酸
ブロッコリーに多く含まれる葉酸は、ビタミンB群で赤血球の産生に関与していることから「造血ビタミン」とも呼ばれます。
細胞の産生や再生に関わる重要なビタミンですので、年齢や性別に関係なく不足しないように摂取したいビタミンです。
さらに胎児の正常な発育をサポートすることが分かっており、妊娠中は積極的に葉酸を摂取する必要があります。
食物繊維
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維があり、ブロッコリーには不溶性食物繊維が多く含まれます。
不溶性食物繊維は水分を吸収して便を増やすので、スムーズな排便に効果的です。また食物繊維は腸内の善玉菌の餌となるため、腸内環境を改善する働きがあります。
ブロッコリースプラウトはβ-カロテンが豊富
スプラウトとは新芽のことで、もやしや豆苗、かいわれ大根もスプラウトの一種です。
ブロッコリーの新芽のことをブロッコリースプラウトと呼び、β‐カロテンが豊富に含まれています。β‐カロテンは体の中で必要な分だけビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を守ります。またβ‐カロテンにはビタミンCと同様に抗酸化作用もありますよ。
茎とつぼみの部分で栄養は異なるのか
ブロッコリーの茎は、つぼみ部分よりもビタミンCなどの栄養が豊富に含まれています。
外側の固い部分を剥いてつぼみ同様加熱してから食べると良いでしょう。
参考記事:スルフォラファンとは〜効果からサプリまでカンタン解説〜
毎日食べるとお肌に良い?
すでにお伝えしたように、ブロッコリーには肌の健康を保つために欠かせない栄養素が含まれていますので、毎日食べることで肌に良い影響を与えます。
しかしブロッコリーを食べるときの調理法には注意が必要です。ドレッシングをかけ過ぎたり、油を多く使った調理法にすると、脂質の摂り過ぎによって肌荒れを起こしやすくなる場合もありますので気を付けましょう。
筋トレにも効果的
ブロッコリーには、筋トレの効果を高める栄養素が含まれます。
筋肉を作るためには、筋肉の主要な構成成分であるたんぱく質はもちろんビタミンも必要です。
とくにビタミンB6は筋肉を作る過程で重要なビタミンであり、ブロッコリーにも含まれます。
さらに先ほどもお伝えしたように、肉体疲労の回復に効果的なビタミンCも含まれるなど、ブロッコリーには筋トレの効果を高める栄養素がバランス良く入っていると言えるでしょう。
毎日食べると体臭が出るのは本当か
「ブロッコリーを毎日食べると体臭が出る」との噂もあるようですが、体臭には他の食べ物との食べ合わせや体質なども関係します。
ですから、ブロッコリーを適度に食べる分には気にしなくて良いでしょう。
生と冷凍ブロッコリーは栄養価に違いはあるか
結論から申し上げますと、市販の冷凍ブロッコリーは生のブロッコリーと栄養価に大きな違いはありません。なぜなら冷凍食品工場では食品を急速冷凍することで、栄養を保っているからです。
とくに冷凍野菜では栄養価の高い旬の時期に収穫して急速冷凍するため、時期によっては生鮮のものより栄養価が高い場合もあります。
茹でる?レンジ?栄養を逃さない調理法はどっち?
栄養を逃さない調理法は「電子レンジ」による加熱です。ブロッコリーに多く含まれるビタミンCは茹でることで減少するとお伝えしましたが、葉酸などのビタミンB群も水溶性ビタミンなので、茹でることで減少します。
したがってブロッコリーを調理する際は栄養が流れ出ないような調理方法か、スープなど流れ出た栄養ごと食べる料理がオススメです。
【電子レンジ調理】美味しいブロッコリーレシピをご紹介
ブロッコリーの栄養を逃さない電子レンジ調理は時短にもなり、お弁当のおかずとしてもぴったり。
えびと合わせることでメインのおかずにもなる「ブロッコリーとえびのレンジ蒸し」をご紹介します。
・ブロッコリー 1房
・むきえび 300g
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 少々
・胡椒 少々
・酒 大さじ1
・醤油 小さじ1
【作り方】
①ブロッコリーを洗って小房に分ける。
②①を耐熱容器に入れたらラップをして、電子レンジでやわらかくなるまで加熱する。(目安:600wで3~4分)
③えびを耐熱容器に入れたら、塩、胡椒、酒を加えラップをし電子レンジで加熱する。(目安:600wで1分30秒)
④②と③を合わせ、オリーブオイルと醤油を加えて混ぜ、塩と胡椒で味を調えたら完成。
関連記事:エビの栄養と効果~タンパク質たっぷりなエビの魅力を解説します~
まとめ
以上、ブロッコリーの栄養成分や効能について解説しました。
ブロッコリーは栄養価が高く、中でもビタミンCやたんぱく質を多く含むことから、お肌の健康が気になる方や筋トレをしている方にもおすすめの野菜であることがわかりましたね。
ブロッコリーは水溶性のビタミンを含むため、効率よく栄養成分を摂取するには茹でることよりも電子レンジでの調理がオススメです。
それでは当記事を参考に、つぼみだけでなく茎にも栄養が詰まっているブロッコリーを余すところなく、積極的に食べていただけると嬉しいです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
健康長寿ネット
JA ブロッコリー
一般社団法人日本冷凍食品協会 冷凍食品あなたの疑問にお答えします!