ビールはカロリーと糖質が高くて太りやすい?〜他のお酒と比較して解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。
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「ビールは太るお酒というイメージが強いんだけど、実際どうなのかな?」
適度な炭酸と爽やかな苦味が人気のビール。「まずはビールで乾杯」という場面も多いと思います。
また「ビールの糖質やカロリーは他のお酒より多いのかな…」など心配の声が聞かれることもしばしば。果たして本当のところはどうなのでしょうか。
そこで今回は、ビールが太る飲み物なのかどうかを検証してみることにしました。
さらに糖質やカロリーの比較からお勧めのビールをランキング形式でご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
ビールのカロリーと糖質を紹介
ビール350mlのカロリーは137kcal、糖質は10.9gです。
結論からいうと、ビールのカロリーと糖質はさほど多くありません。
500lmのロング缶で売られているビールのカロリーは、1本でコンビニのおにぎり1個とほぼ同じです。ちなみに、一般的な缶ビールのサイズ(350ml)はおにぎり約3/5個ほどに相当します。
一方のビール(350ml)1本あたりの糖質は約11gで、これはコンビニのおにぎり1/3個とほぼ同じ量です。また500mlのビールでは15.5gの糖質量となり、コンビニのおにぎり半分よりやや少なめとなります。
ビールというと、「糖質が気になるから・・・」とおっしゃる方は多いですが、ビール単体で見た場合はみなさんが思っているほど糖質は多くないです。
焼酎など他のお酒と比較
次に、ビール1杯(350ml)と他のお酒の1杯あたりのカロリーと糖質を比べてみましょう。
【お酒のカロリーと糖質】
※ビールは淡色/焼酎は単式蒸留しょうちゅう/ワインはぶどう酒(赤)/日本酒は清酒(純米酒)いずれも差し引き法にて算出
他のお酒と比べると、ビールの糖質は多いことがわかりますね。また、カロリーは日本酒についで2番目に高いです。
先ほど、ビールはカロリーも糖質もさほど多くはないとお伝えしましたが、他のお酒と比べると高いといえます。
参考記事:糖尿病とアルコールの付き合い方~適量や飲み過ぎ対策を紹介~
ビールは太る飲み物なの?
よくお腹まわりが太い方のことを「ビール腹」といいますね。たしかに、ビールは他の酒類と比べてカロリー・糖質ともに高めのため太りやすいといえます。
例えばビール(500ml)を2本飲んだ場合は390kcalで、ご飯お茶碗1杯(200g)より多いカロリー摂取となってしまうのです。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余分なカロリーは最終的に脂肪として体内に蓄積されて太る、ということになります。
ただし、適切な量にとどめて飲めば太る心配はないでしょう。1回の飲酒で缶ビール1本程度であれば、太る直接の原因にはならないといえます。
ですので、量には注意が必要です。
ビールに関する様々な質問をまとめました
それではビールに関してよく挙げられる質問について、お答えしていきますね。
Q.毎日飲んでも太らない?
A.基礎疾患がなく適量のビールであれば、毎日飲んでも太ることはないでしょう。
ここでの適量とは、厚生労働省が示す『節度ある適正な飲酒』の指標とし、1日平均純アルコールで約20g、つまりビール(500ml)で換算すると約1本です。
すでにご紹介しましたが、ビール(500ml)1本あたりの糖質はご飯お茶碗1/6杯とほぼ同じ15.5gです。甘くて飲みやすいサワーなどと比べると糖質は低いので、ご飯の量やおつまみの種類を工夫すれば毎日飲むことは可能といえます。
たとえば、
・晩酌をするときはご飯の量を半分にしてカロリーと糖質を抑える
・おつまみは揚げ物を避けて枝豆などカロリーの低いものにする
このように、ちょっとした工夫によってお酒の時間を楽しめますよ。
参考記事:忘年会&新年会シーズン到来!糖尿病の方が宴会メニューを食べるときは
Q.寝る前にビールを飲むのは大丈夫?
A.就寝前のビールは睡眠の質を下げるため控えた方が良いでしょう。
寝る前のお酒で確かに寝付きはよくなりますが、問題は寝付いた後の睡眠の質です。
アルコールは、感情などをつかさどる脳の活動を高めることがあります。そのため、寝てからしばらくして酔いが覚めてくると脳の活動が活発になり、睡眠を妨げる原因になることがあるのです。
睡眠の質が良くないと睡眠不足になる可能性が高くなります。そして睡眠不足が慢性的になると、糖尿病や心筋梗塞などの疾患リスクが上昇することも明らかになっています。
Q.糖質ゼロなら糖質制限中でも飲んでいいの?
A.糖質ゼロビールでしたら、糖質制限中でも飲むことは可能です。
ただし、ビールに含まれる炭酸ガスやホップ(※)などが胃を刺激し、食欲が増すことが懸念されます。
(※)ホップはビールの主な原料で、苦味や香りのもとになる植物です。
ですので特に飲まなくても良いのであれば、糖質制限ダイエット中のビールは控えた方が良いです。
しかし、もしアルコールを我慢すること自体がストレスになる場合は、適量である1本程度をお勧めします。
太らないビールをランキング形式で紹介
糖質量とカロリーの比較から、適量であれば太りにくいと考えられるビールを3つ、ランキング形式で発表します。
【第3位 サッポロ生ビール ナナマル】
カロリー 105kcal
糖質 1.8~3.2g
サッポロから2023年10月17日に全国発売された「サッポロ生ビール ナナマル」が第3位となりました。糖質はもちろん、プリン体も70%オフした日本初の生ビールです。
ちなみに、糖質オフビールは
・通常のビール(100mlあたり3.1gの糖質)より0.6g以上の糖質を抑えているもの
・25%以上糖質カット(通常のビールで考えるならば3.1gの25%軽減ですので2.3g以下)したもの
をいいます。
発泡酒などでは糖質・プリン体がオフになるのが当たり前となりましたが、生ビールにはなかったというのは意外ですね。
健康診断でプリン体が気になり始めた方にもオススメです。
【第2位 パーフェクトサントリービール 】
カロリー 112kcal
糖質 0g
コマーシャルでもよく目にする、こちらのビールが第2位です。
糖質はゼロですが、泡立ちとコクはビールと同じ。飲みごたえもバッチリです。
ちなみに、糖質ゼロとはビール100mlあたりの糖質量が0.5g未満のものをいいます。
カロリーは100mlあたり32kcal、一般的なビールと大きな差はありません。
【第1位 キリン一番搾り 糖質0】
カロリー 102kcal
糖質 0g
日本では初めて販売された糖質ゼロのビール缶です。美味しさは普通のビールと変わらず、非常に飲みやすいビールです。
さらにカロリーも100mlあたり29kcalと低いのも魅力ですね。
とはいえ、今回はあくまでも糖質量とカロリーに着目したランキングです。味にはそれぞれ好みがあるうえで、参考にしていただければと思います。
まとめ
以上、ビールは適量であれば太る直接的な原因にはならないことがおわかりいただけたと思います。
一緒に食べるおつまみの種類を工夫することで、毎日の晩酌を楽しめますよ。
ちなみに太らないようにビールを飲むなら、1日あたりビール(500ml)1本が良いでしょう。飲み過ぎには気をつけたいですね。
当記事を参考に、美味しく健康的にビールを楽しんでいただけると幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスではカロリー&糖質を含む食事・体重・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e‐ヘルスネット 睡眠と生活習慣病の深い関係
消費者庁省 栄養成分表示について
東京都 栄養成分表示ハンドブック P17 ゼロ(0)と表示できる基準