牛肉をダイエット中に食べても太らないの?~簡単レシピもご紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
焼肉や牛丼、すき焼きなどダイエットメニューとは対極のハイカロリーな料理に登場する牛肉。
ダイエット中に牛肉を食べるなんてもってのほかと思ったそこのあなた!じつは、食べ方や選び方次第で、牛肉は太るどころかダイエットの強い味方になるのです。
今回は、牛肉がダイエットにオススメな理由やおいしくヘルシーに食べるコツを伝授いたします。
ダイエット中はヘルシーな鶏ささみばかりで飽きた…という方は、ダイエットメニューの幅を広げるチャンスですよ。ぜひ最後までご覧ください。
目次
むしろ痩せる?牛肉がダイエットに効果的な理由
牛肉を食べると太るからという理由で、ダイエット中は避ける方が多いですよね。
ところが、さまざまな角度から牛肉について調べると、必ずしもそうではないとわかってきました。
糖質がほとんど含まれない
牛肉をはじめとする肉類には、糖質がほとんど含まれていません。
近年は糖質制限ダイエットが人気ですよね。食事をとって血糖値が上がると、インスリンというホルモンの働きにより血糖値がさがります。インスリンには血糖値を下げる以外に、余分な糖を脂肪に変えて体に蓄える働きがあります。
糖質の低い食事は、インスリンによる脂肪蓄積の影響をできるだけ小さく抑えられるので、太りにくい食事であるといえます。低糖質の食事内容にする際、牛肉はとても重宝しますね。
脂肪燃焼を助けるL-カルニチンが多い
L-カルニチンは、脂肪燃焼を助ける働きがあるとして、ダイエット商品にも広く活用されているのです。
主に肉類に含まれていますが、なかでも牛肉は豚肉や鶏肉に比べて多いことがわかっています。
不足しやすい鉄分を補える
牛肉は、他の肉類と比べて鉄分が多く含まれるため、ダイエット中の鉄不足予防に役立ちます。ちなみに、牛肉と豚肉を比較すると、100gあたりの鉄分は1.5gもの差があるのです。
※肉はもも肉(脂身なし、赤身)を参照
鉄分の推奨量は成人男性で7.5g、女性は6.5g(月経ありは10.5g)なので、牛肉100gを食べると1日に必要な量の約1/2~1/3をとれます。さらに、鉄分には体に吸収されやすいものとされにくいものが存在しており、牛肉の鉄分は体に吸収されやすい鉄分なのです。
鉄分は、体中に酸素を運ぶ赤血球の材料として使われるため、私たちの体には欠かせない栄養素です。しかし、ダイエットのために食事制限をすると、肉類を避けてしまうため鉄分が不足しやすくなります。
いつもの食事に牛肉をプラスして、積極的に鉄分を取り入れたいですね。
牛肉「だけ」食べるダイエットは痩せるの?
食事は牛肉だけとして、ごはんなどほかの食材を一切食べないダイエット方法は、糖質を極限まで制限するので理論上やせるでしょう。
ただし、牛肉だけで満腹になろうとして大量の肉を食べるので、たんぱく質の過剰摂取となり腎臓などに負担がかかってしまいます。
さらに、ダイエットは短期よりも長期で取り組むとリバウンドしにくくなるので、続けることが大切です。牛肉だけの食生活を長期的に続けるのは難しいですよね。
牛肉をダイエットに取り入れるなら、いつも食べている他の肉類を牛肉に変えるといった方法がよいです。
オススメの部位は「外国産のもも肉」
ダイエットには脂身の少ない赤身がオススメで、とくに良いのは外国産の牛もも肉です。
じつは、外国産の方が国産よりカロリーや脂質が少ない傾向にあります。
さらに、もも肉は赤身の代表格であるひれ肉に比べて値段も抑えられる上に、脂身が少ない良質な赤身であるので、ダイエット中の食事に使いやすい食材ですね。
1日の目安は100gで野菜も一緒に食べよう
ダイエット中に牛肉を食べる目安量は、赤身の部位を1日100g程度です。バラ肉など、脂肪が多い部位を100g食べるとカロリーオーバーとなります。
あくまでもたんぱく質源として摂りたいので、できるだけ脂身の少ない部位を選びます。
ちなみに、もも肉100gは117kcal、たんぱく質は21.2gです。
厚生労働省の定める食事摂取基準によると、1日あたりのたんぱく質推奨量は18~65歳男性で65g、18歳以上の女性は50gです。100gの牛もも肉を食べる場合は1食もしくは2食にわけて食べるとよいでしょう。
また肉には食物繊維がほとんど含まれていないため、野菜類やきのこ、海藻など食物繊維が豊富な食材も合わせて食べると、便秘の予防にもなります。
ステーキはどうか
ダイエット中に牛肉を食べていいなら、ステーキもいいの?と思うかもしれませんが、結論からいうとあまりオススメはできません。
レストランでよくみるステーキの多くはサーロインと呼ばれる部位で、ひれ肉やもも肉に比べて脂身が多く、カロリーや脂質が高い傾向にあります。
もしダイエット中にステーキを食べるなら、ひれ肉にしましょう。もも肉に比べて、多くのレストランでも取り扱っていますよ。
おいしく赤身肉を食べるポイント
脂身も少なくヘルシーな一方で、赤身は調理した際に硬くなったりパサついたりする欠点があります。
ここからは、赤身肉をおいしく食べるポイントとして2つご紹介します。
①ブロック肉よりも薄切り肉を選ぶ
スーパーなので牛肉を買う際は、ブロック肉よりも薄切り肉の方が調理しやすいですよ。
ただでさえ他の肉よりも値段が高い牛肉。ブロック肉の方がお得に買えるものの、調理が難しいというデメリットがあります。
とくに、普段から調理をしない方は肉に火が通ったかどうかの見極めも難しく、生焼けになったり焼き過ぎて硬くなってしまったりなど失敗する恐れも。
切る手間や火の通りやすさを考えると、ちょっと高くても薄切り肉の方が圧倒的にオススメです。
②焼くよりもゆでるか蒸す
調理方法は、ゆでたり蒸したりすると余分な脂を落としてよりヘルシーに食べられますよ。
また、油をひかずにテフロンのフライパンで焼くとカロリーをあげずに調理できますが、火加減が強すぎると焦げたり焼き過ぎてパサついたりします。
そこで、料理初心者の方にオススメなのは「レンジで蒸す」調理方法です。
ワット数と加熱時間さえ間違えなければ、あとは電子レンジがおいしく調理してくれますよ。
【レンジにおまかせ】牛肉を使ったヘルシーレシピ
だれでも簡単においしく作れる、牛肉のダイエットレシピをご紹介します。
【10分で完成!ヘルシーチャプチェ】
・牛もも薄切り 100g
・にんじん 30g
・にら 30g
・しめじ 40g
・しらたき 150g
・白ごま 適量
・ごま油 小さじ1
※下味用
・しょうゆ 小さじ1
・ラカント 小さじ1
・酒 小さじ1
・すりおろしにんにく 小さじ1/2
※味付け用
・しょうゆ 大さじ2
・ラカント 大さじ2
・鶏ガラスープのもと 小さじ1
・酒 大さじ1
【作り方】
①牛もも肉を一口サイズに切り、下味用の調味料を入れてよく揉みこむ。
②しらたきの水分をよく絞って適当な長さに切り、にんじんは細切り、にらは2cm幅、しめじはいしずきを切り落として1房ずつにほぐす。
③耐熱ボールへしらたき、①の牛肉、にんじん、しめじ、にらの順に入れて、ラップをかけて電子レンジで600W3分半加熱する。
④終わったら全体をかき混ぜて味付け用調味料を入れて、600W1分半加熱する。
⑤電子レンジから取り出し、ごま油を入れて混ぜ、皿に盛って白ごまを散らしたら完成
【ポイント】
・調理時間はたったの10分!レンジで加熱するから火加減の心配なし
・はるさめをしらたきに変更してカロリーダウン
・肉に下味を漬けると加熱したときに硬くなりにくく、味もしっかりついて満足感アップ!
まとめ
牛肉は食べると太るからと避けてしまいがちですが、不足しがちな鉄分や脂肪燃焼を助けるL-カルニチンも含まれており、ダイエットの強い味方になってくれます。
さらに、選ぶ部位や食べる量、調理方法の工夫次第でカロリーを抑えてヘルシーに食べられますよ。
ポイントは、赤身(もも肉がオススメ)の薄切り肉をゆでるまたは蒸すことです。あわせてご紹介したレシピも、電子レンジだけで作れるのでぜひお試しください。
それでは、当記事でお伝えしたことがあなたのダイエット成功に役立てれば嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
農林水産省 豚肉(ぶたにく)と牛肉の栄養成分の違いをおしえてください。
財団法人 日本食肉消費総合センター健康をサポートする 牛肉の栄養・機能に着目!
独立行政法人農畜産振興機構 日本人の食事摂取基準(2020年版)の特徴と食肉の活用法
農研機構 プレスリリース 牛肉の機能性成分「カルニチン」は放牧により増加する