【実はすごい!】もやしの栄養 〜効能や効果的な食べ方をポイント解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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お給料日前など、家計がピンチの時に活躍する食材といえば「もやし」です。安くておいしいのはもちろん、実は栄養も豊富な食材なのです。
今回は、もやしの栄養成分やその栄養成分を余すことなく食べられる方法をご紹介します。最後はもやしの安さを存分に活かした、おかずにもおつまみにもなるレシピをご紹介します。
栄養豊富なもやしをおいしく食卓に取り入れたい方は必見です!
ぜひお付き合いください。
目次
もやしの栄養とその効果
もやしのおもな栄養成分としてビタミンやミネラル、食物繊維があげられます。では、具体的な栄養成分とその働きをご紹介します。
体の材料となるたんぱく質
もやしには意外にもたんぱく質が含まれています。たんぱく質は筋肉や皮膚の材料となるため、私たちの体に欠かせない栄養素です。
もやしにたんぱく質は含まれるのはなぜ?
もやしにたんぱく質が含まれるのは、原材料が豆だからです。もともともやしは豆からのびた芽のことを指すため、種類によって含まれている量が異なりがたんぱく質を含んでいます。
ちなみに、100gあたり緑豆もやしは1.7g、ブラックマッペは2.2g、大豆もやしは3.7gのたんぱく質が含まれています。
参考記事:大豆の栄養価は高い!~子どもにも大人にも嬉しい成分が豊富~
体の調子を整えるビタミン
もやしにはビタミンC、ビタミンB1が含まれています。
ビタミンCは風邪などに対する抵抗力を強めたり、鉄分の吸収をサポートしたりする働きがあります。さらに、肌のハリを保つ際に欠かせないコラーゲンの生成にも欠かせない存在なのです。
また、ビタミンB1はエネルギーを作る際に必要な栄養素です。
体の機能調節に関わるミネラル
もやしに含まれるミネラルには、カリウムとカルシウムです。
カリウムは、摂り過ぎた塩分を水分と一緒に体の外に排出する働きがあります。血圧が高めの方は積極的にとりたい栄養素ですよ。
また、カルシウムは骨や歯を作る際に必要な栄養素です。
腸内環境を整える食物繊維
食物繊維は、水に溶ける水溶性と水に溶けにくい不溶性の2種類があり、もやしには不溶性の食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維は水分を吸収すると膨らむため、便の量を増やして腸を刺激しお通じを促す働きがあります。
参考記事:五大栄養素の働きとは?管理栄養士がわかりやすく解説~主な役割も紹介~
その他(アスパラギン酸)
アスパラガスに多く含まれる栄養成分です。カリウムなどミネラルの吸収を高める働きがあります。よく栄養ドリンクに含まれており、疲労回復にも役立ちます。
参考記事:栄養ドリンクって本当に効果があるの?~飲み方や選び方を解説します~
豆もやしと栄養は異なるのか?
豆もやしとは、豆がついたまま売られている大豆もやしのことで、一般的に「もやし」として売られている緑豆もやしやブラックマッペと比べて、栄養成分を多く含んでいます。
(100gあたり) | 大豆もやし | ブラックマッペ | 緑豆もやし |
カロリー(kcal) | 29 | 17 | 15 |
たんぱく質(g) | 3.7 | 2.2 | 1.7 |
糖質(g) | 0.5 | 1.4 | 1.3 |
ビタミンC(mg) | 5 | 10 | 8 |
ビタミンB1(mg) | 0.09 | 0.04 | 0.04 |
カリウム(mg) | 160 | 65 | 69 |
カルシウム(mg) | 23 | 16 | 10 |
アスパラギン酸(mg) | 890 | 490 | 460 |
食物繊維(g) | 2.3 | 1.5 | 1.3 |
とくにたんぱく質は100gあたり3.7g入っており、緑豆もやしより2.0g多く含まれているのです。
また、アスパラギン酸は他の2種類と比べて約2倍含まれているので、疲労回復したい時には豆もやしがおすすめです。
栄養がないと言われる理由
もやしに栄養がないと言われる理由の一つは、全体の90%以上が水分でてきているからです。
しかし栄養成分の項目でもお話しした通り、もやしには多くの栄養成分が含まれています。
体に必要な成分も多い上に値段も安いもやしは、食費を抑えながら栄養を摂りたい方におすすめの野菜です。
もやしの栄養を効率的にとる食べ方
もやしの栄養を効率よくとるには、スープのように汁まで食べるような料理や、炒め物がおすすめです。
なぜなら、もやしの栄養成分であるビタミンC、ビタミンB1、カリウムは水に溶けやすく、お湯で茹でてしまうと水に溶けだしてしまうからです。
また、アスパラギン酸は熱に弱いため加熱時間も短くすると良いですよ。
もやしは種類によって味や食感も異なるので、使う料理やその日の気分によって種類を変えて楽しむこともできます。
大豆もやしは豆ともやし2つの食感を楽しむことができますし、ブラックマッペはしっかりとした食感が特徴です。
緑豆もやしは、味にクセがなく様々な料理に合わせることができます。
コスパ良しのレシピを紹介
もやしはクセが少ない野菜なのでどんな食材とも相性が良く、値段も安いので普段の料理をかさ増ししたいときにもピッタリです。
万能で安いもやしを、さらにおいしく食べられるレシピをご紹介します。
【おかずにもおつまみにもピッタリ!豚肉のもやし炒め】
・豚肉 100g
・大豆もやし 100g(1/2袋)
(たれの材料)
・しょうゆ 大さじ1/2
・ラカント 大さじ1/2
・コチュジャン(あれば) 小さじ1/3
・料理酒 大さじ1
・ごま油 大さじ1/2
・にんにくチューブ 1cmほど
・しょうがチューブ 1cmほど
・塩、こしょう 少々
【作り方】
①たれの材料をすべて混ぜる
②豚肉を1口大に切り、塩、こしょうで下味をつける
③フライパンで豚肉を炒めて、たれを入れて豚肉に絡める
④汁気がなくなったらもやしを入れてさっと炒めたら完成
豚肉のうまみとシャキシャキしたもやしに甘辛いたれが絡んで絶品!夕飯のおかずに悩んだ時や、晩酌のお供にピッタリのレシピです。
参考記事:豚肉にダイエット効果があるって本当?~お財布に優しい部位の活用方法もご紹介~
まとめ
もやしは、安くておいしい上に栄養が豊富に含まれている野菜です。
緑豆もやしやブラックマッペ、大豆もやしの3種類がありそれぞれ特徴や含まれている栄養成分の量も異なります。
含まれている栄養成分によっては、水に溶けやすかったり熱に弱かったりする性質があるため、もやしを食べる時は「加熱時間は短めに、炒めてスープごと食べるような調理法」がおすすめです。
ご紹介したレシピもぜひ作ってみてくださいね。
当記事を読んでいただくことで、もやしの概念が変わったでしょうか?栄養豊富なもやしを食卓に取り入れて、おいしく健康にお過ごしください!
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【参考文献】
・文部科学省 食品成分データベース
・板木利隆、白鳥早奈英監修「からだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)