アボカドの栄養と効能~毎日食べても大丈夫?1日の適正量も詳しく解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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近年、スーパーでもよく見かけるアボカド。サラダやサンドイッチの具材として使うことの多いアボカドは、実のところ“野菜”ではなく“果物”に分類されています。
またアボカドは、脂質が果肉の約20%も含まれていることから「森のバター」とも呼ばれ「最も栄養価の高い生食の果実」としてギネスブックにも認定されるほどです。
そこで当記事では、栄養価が高いアボカドの効能や1日の適正量ついて、わかりやすくお伝えしていきます。
さらにアボカドを活用した“簡単・美味しいを追求したレシピ”もご紹介しますので、最後までお付き合いください。
目次
アボカドの栄養と効能
さっそく、アボカドの栄養と効能について解説していきます。
高血圧予防に役立つカリウム
アボカドに含まれる注目すべき栄養素は、カリウムです。
カリウムは摂りすぎたナトリウム(塩分)を尿中に排泄することから、高血圧予防に役立ちます。
塩分過多の食事が問題視される現代では、カリウムは積極的に摂りたい成分ですね。
造血ビタミンである葉酸
次に注目の栄養素は、葉酸です。
葉酸は赤血球を作るので「造血ビタミン」とも呼ばれています。
また身体の発育にも重要なビタミンのため、妊娠中に欠かせない栄養素のひとつです。
抗酸化作用のあるビタミンE
ビタミンEは細胞の酸化を防ぎ、老化防止やシミ、しわを防ぐ効果が期待できます。
また血中LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防いだり、赤血球の損傷を防ぐ働きもあるため、健やかな血管を保つためにもビタミンEは欠かせません。
腸内環境を整える食物繊維
アボカドには、水溶性食物繊維(※1)と不溶性食物繊維(※2)の両方が含まれています。
(※1)水に溶ける食物繊維です。体内での栄養素の吸収をゆるやかにするため、食後の血糖値をゆっくり上げる働きがあります。
(※2)水に溶けない食物繊維です。便のカサを増やすことにより大腸が刺激されるので、スムーズな排便に効果的です。
アボカドにどのくらい多く含まれるのか、食物繊維が多いイメージのあるゴボウやリンゴと比べてみましょう。
アボカド | ごぼう | りんご(皮付き) | |
水溶性食物繊維 | 1.7g | 2.3g | 0.5g |
不溶性食物繊維 | 3.9g | 3.4g | 1.4g |
※100gあたり |
このようにアボカドは皮付きのりんごより食物繊維が多く、ごぼうより不溶性食物繊維が多いとわかりますね。
ゆえにアボカドは、食物繊維を積極的に摂り入れたい方にも嬉しい食材といえるでしょう。
参考記事:ごぼうの栄養は食物繊維だけじゃない!~健康効果や絶品レシピもご紹介~
参考記事:りんごの栄養成と効能効果〜健康によいは本当なのか徹底的に検証!〜
悪玉コレステロールを下げる脂質(不飽和脂肪酸)
アボカドには、リノール酸・リノレン酸・オレイン酸といった不飽和脂肪酸が含まれます。
そしてアボカドに含まれる不飽和脂肪酸には、LDL(悪玉)コレステロールを下げる働きが期待できます。
LDLコレステロールが増えすぎると、動脈硬化が進行したり血栓ができやすくなったりするため、これらの予防に効果的です。
参考記事:アボカドは高カロリーで低糖質〜ダイエットに活用する方法を徹底解説〜
ダイエットに嬉しい栄養効果
アボカドは満腹感が高いだけでなく、脂肪を燃焼してくれるというダイエット中の方に嬉しい効果も期待できます。
なぜなら、アボカドに含まれているオレイン酸には、脂肪を分解や燃焼させる効果が期待できるからです。
活動量の多い時間帯にアボカドを口にすることで、効率よく脂肪を消化できますね。
食べる時間に注意
アボカドは、朝や昼といった活動量の多い時間帯に食べるのがオススメです。
なぜなら夜はエネルギー消費が少なく、摂取した余分なカロリーは脂肪として蓄えられ、肥満の原因になるからです。
そしてアボカドはサラダに使うだけでなく、パンを食べる時にバター代わりに使うのもよいでしょう。
参考までにバター10gで70kcal、同量のアボカドは18kcalです。
たとえば朝食でパンを食べる際、バターの代わりにアボカドを塗れば75%もカロリーを下げられますよ。
参考記事:バターの糖質は低めでカロリーは高い〜程々に料理で活用して楽しもう〜
毎日食べ続けると太る?
栄養価が高いアボカドはカロリーも高いため、普段の食事に毎日アボカドをプラスすると太る原因になります。
なお日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、18歳~29歳男性(※)における1日当たりの脂質目標量は58.9g~88.3gです。
(※)身体活動レベル「ふつう」で計算しています。
アボカド1個(可食部150g)の脂質は26.3gもあり、アボカドを1個食べると1日当たりの脂質目標量の1/3程度を摂ることに。
カロリーだけでなく脂質も多いアボカドは、栄養効果も高いのでバランスよく取り入れるとよいでしょう。
食べすぎ注意!1日1/2~1個程度を目安に
アボカドは、1日1/2~1個程度を目安に食べるとよいでしょう。
お伝えしているようにアボカドのカロリーは高く、1個(可食部150g)あたり263kcalもあります。参考までに、お茶碗1杯のご飯(150g)は234kcalです。
つまりアボカド1個は、ご飯1杯分のカロリーに相当します。カロリーが気になる方はアボカドを1/2個までにするなど、食べすぎないようにしましょう。
アボカドを活用!簡単・美味しいを追求したレシピ
簡単に作れるアボカドサラダをご紹介します。ツナ缶は水煮を使うと、油漬けよりカロリーを下げられます。
【アボカドのトマト&ツナ入りサラダ】
・アボカド 1個
・トマト 中1個
・ツナ(水煮缶) 1缶
・レモン汁 小さじ1/2
・マヨネーズ 大さじ2
・醤油 小さじ1/2
・黒こしょう 少々
【作り方】
①アボカドは、包丁で縦半分に切り種を取り除く。スプーンで皮から果肉を外して、1.5cm角に切って器に入れレモン汁をかける。
②トマトはヘタを取り、1.5cm角に切る。ツナは水気を切る。
③ボールに②のツナを入れ、マヨネーズ・醤油・黒こしょうを入れ混ぜる。
④③にアボカドとトマトを入れ、ひと混ぜしたらできあがり。
【ポイント】トマトから水分が出るので、食べる直前に混ぜるのがオススメです。
参考記事:ツナ缶はダイエットの味方!~効果的な活用方法を管理栄養士が解説~
まとめ
以上、アボカドにはカリウムや葉酸、ビタミンEなどが含まれ栄養価が高いとわかりました。
またアボカドに含まれる不飽和脂肪酸は、脂肪を燃焼してくれるというダイエット中の方には嬉しい栄養効果も期待できます。
しかし、アボカドは毎日食べると太る原因にもなるため、他の食材と合わせてバランスよく食べることが大切です。1日1/2~1個を目安にするとよいでしょう。
今回の記事により、1日の適正量を守りつつ美味しくアボカドを食べていただけると嬉しいです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
厚生労働省 e-ヘルスネット 日本人の食事摂取基準(2020年度版)