Sync Health Blog

玄米は糖尿病にいい?~血糖値の上がり方をもち麦や雑穀米と比較~

  • カテゴリ
  • ※こちらの記事は広告が含まれます
玄米は糖尿病にいい?~血糖値の上がり方をもち麦や雑穀米と比較~

当記事の執筆は、管理栄養士  松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

ヘルシーなイメージがあり健康に気遣う方に人気の玄米。じつは糖尿病の方や血糖値が気になる方にもオススメなのです。

そこで今回は玄米が糖尿病に良い理由や、おいしく玄米を炊くポイントをお伝えします。

玄米初心者でも取り入れやすいオススメの玄米もご紹介するので、最後までお付き合いください。

玄米に置き換えると糖尿病になりにくい

糖尿病の方は白米を玄米に置きかえるのがオススメ

白米を玄米に置きかえた人は糖尿病を発症しにくいという実験結果があります。

また、すでに糖尿病の方も白米を玄米に置きかえると良いかもしれません。玄米の成分からその理由をみてみましょう。

糖質&食物繊維を白米と比較

炊飯後100gあたり糖質量(g)食物繊維(g)
玄米35.11.4
白米38.10.3

玄米の糖質量は白米の94%と大きな差はありませんが、食物繊維はなんと白米の6倍含みます。これが、玄米は糖尿病に良い!と言われるゆえんです。といいますのも、食物繊維は食後の血糖の急上昇を抑えてくれるからです。

糖質の多い食品を食べると血糖値は急上昇し、さまざまな糖尿病合併症の原因になります。ですから、特に糖尿病の方は糖質を食べるときは一緒に食物繊維をとることが大切なのです。

他にも、玄米は白米とビタミンB1・B12・マグネシウム・鉄分などを豊富に含み、栄養面でも魅力いっぱいの食材といえます。

関連記事
玄米の栄養成分と効能効果~理想的な健康食なのか管理栄養士が解説~

血糖値の上がり方を白米と比較

先ほどもお話した通り、同じ糖質の量の食品を食べたとしても、一緒に食物繊維を摂取すると血糖値の上昇は緩やかになります。玄米は白米と比べて糖質の量はあまり変わりませんが、食物繊維が多い分、血糖値の上昇は緩やかです。

血糖値の上がりやすさを数値で表したものをGI値といいますが、GI値からみても玄米が血糖値を上げにくいことがわかります。

GI値
玄米55
白米88

 
ただし、あくまでこれは主食を比較した場合。いくら玄米が白米と比べて血糖値を上げにくいといっても、必要以上に食べすぎてしまえば当然血糖値も上がります。主菜、副菜を組み合わせた方が主食の食べ過ぎを防げますよ。

関連記事
玄米とは~白米との違いや肝臓に悪いという噂について管理栄養士が解説~

玄米は満腹を感じやすい?

玄米が食物繊維を多く含むメリットのひとつに、満腹を感じやすいことがあります。

食物繊維が多いと自然と噛む回数が増え、満腹中枢を刺激します。試しに玄米を普段の白米の量より少なめによそって食べ始めてみてください。食事が終わるころには少なめによそったことを忘れているくらい、お腹いっぱいになるかもしれませんよ。

関連記事
食物繊維を多く含む食べ物ランキング~ダイエット中にオススメな理由も解説~

麦ごはん・雑穀ごはんと比較 

玄米VS.麦飯VS.雑穀

白米の代わりに別のものにしてみよう!と思った時、玄米とともに候補に上がるのは麦ごはんや雑穀ではないでしょうか。

麦ごはんや雑穀米も血糖値を上げにくいのか比較してみましょう。麦ごはんや雑穀米は白米に混ぜて食べることが多いと思いますので、全体の20%、10%配合したものを比較します。

炊飯前100gあたり糖質(g)食物繊維(g)
玄米(100%)78.43.0
麦ごはん(20%)80.92.9
雑穀米(10%)80.41.1
白米83.10.5


玄米・麦ごはん・雑穀米はいずれも白米だけの時と比べて、糖質は少なめ、食物繊維はかなり豊富
です。

とくに、食物繊維の量では、玄米、麦ごはん、雑穀米の順で多くなります。いずれも、血糖値の上昇を緩やかにする効果や満腹感を得る効果はありますので、食べやすさ、味などからご自身にあったものを選ぶといいでしょう。

もち麦はどう?

コンビニのおにぎりにも使われて人気の高いもち麦ですが、糖質量は玄米や白米よりも少ないので糖尿病の方のように糖質を減らしたいときにぴったりです。

炊飯前50gあたり糖質(g)
もち麦33.7
玄米39.2
白米41.6


ただし、粘り気が少なくまとまりが悪いため、もち麦だけを炊くと食べづらい点もあります。そこで、もち麦を取り入れるときは、玄米や白米の一部をもち麦に置き換えて一緒に炊くとよいでしょう。

参考サイト
はくばく もち麦

おいしい玄米の炊き方とは

玄米の魅力を紹介してきましたが、玄米の炊き方がわからないなど不安のある方もいらっしゃると思います。

まずは玄米の基本の炊き方を紹介しましよう。

【一般的な玄米の場合】

①米を洗う(白米よりさっと洗うだけで十分)
②浸水する(6時間以上。発芽玄米※にするには24~36時間。6時間毎に水をかえる)
③白米と同様に炊飯(水加減は米の1.5倍。白米と比べて2~3割多め。)
④白米より10分余分に蒸らす。(玄米モードがある場合は蒸らし時間の追加なし)

手軽なパックごはんもオススメ

手軽なパックごはんもオススメ

玄米は白米と比べて浸水時間が長いなど少し手間がかかるため、時間がない時はパックごはんを活用するとよいでしょう

あくまでも個人的な感想ですが、パックごはんは味もよく、硬さなど今後自分で炊飯する場合の参考になると思います。

家族の中にあまり玄米が好きではない人がいる場合でも、手軽に玄米ライフを始められますね。

ロウカット玄米・発芽玄米・発酵玄米って何?

玄米を炊く前や炊いた後に工夫をすることで、元の玄米よりもさらに栄養価を高めたものや炊飯の手間のかからないものがあります。このような魅力のある玄米を紹介します。

【ロウカット玄米】
ロウカット玄米は、ぬか層の中でも一番外側の吸水の悪いロウ層だけをカットすることで玄米の栄養はそのままに白米と同じ炊き方でもふっくらおいしく食べられます。               

【発芽玄米】
発芽玄米は玄米を発芽させることによって、GABA(ギャバ)が作られますGABAはストレス軽減・血圧を下げるなどの効果が期待される栄養成分です。発芽玄米は自宅でも浸水時間を長くすることで作れますが、すでに発芽した状態の商品もあります。

【酵素玄米】
酵素玄米は玄米を小豆と少量の塩で炊き、3日程度保温したもの(炊飯器を保温にしたまま1日1回混ぜる)で「寝かせ玄米」とも呼ばれます。

一般的な玄米より甘味とうま味が増します。炊飯してから、保温して作るのでかなり手間がかかりますので、パックタイプを購入して味を体験してみるのもいいかもしれませんね。

まとめ

玄米の血糖値への影響を中心にお話してきました。

まとめますと、

・玄米は白米と比べて食物繊維が多く、血糖値を上げにくい
・よく噛むことで満腹感を得やすく、少ない量でも満足できる
・玄米の食べにくさや炊飯の手間を改善した商品もある


以上となります。

当記事を参考に、ご自身にあった玄米生活をお探しください。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

糖尿病の記録 体重の記録 血圧の記録 生活習慣病の管理はシンクヘルスで一括管理

参考文献
日本機能性食品医用学会  玄米と糖尿病
ハーバード大学白米を玄米または他の全粒穀物に置き換えると、糖尿病のリスクが低下する可能性
全農パールライス株式会社 玄米の炊き方

LATEST BLOG最新ブログ記事

記事一覧へ