豚肉のカロリー・糖質を部位別に解説~ゆでるとヘルシーになる?〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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豚肉と言えば煮物や炒め物といった普段のおかずはもちろんのこと、焼き肉やしゃぶしゃぶ、サムギョプサルなど様々な料理でおいしく食べることができますよね。
そんなガッツリメニューの定番食材とも言える豚肉ですが、中には「豚肉は食べたいけれどカロリーや糖質が気になる」という方もいらっしゃると思います。
実は豚肉の糖質はとても少ないですが、カロリーは部位によってかなり違いがある食材です。
そこで今回は、部位別の具体的なカロリーや糖質や、おすすめの豚肉の選び方もお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
ヒレ・もも・ロース・バラ100gあたりのカロリー&糖質
豚肉の各部位のカロリー・糖質は以下の通りです。
部位 | カロリー | 糖質 |
ヒレ | 118kcal | 0.3g |
モモ(脂身あり) | 171kcal | 0.2g |
ロース(脂身あり) | 248kcal | 0.2g |
バラ肉 | 398kcal | 0g |
*100gあたり
豚肉はどの部位でも糖質がとても少なく、糖質を控えたい人の強い味方といえます。
一方で、カロリーは部位によってかなり違いがありますね。そこで、それぞれの部位の特徴もご紹介します。
【ヒレ】
肉質が最もきめ細かく、脂身が少ない部位。加熱しすぎるとパサついてしまうので、調理時間に注意が必要。
【もも】
ヒレに次いで脂身の少ない部位。鉄を多く含むため、肉の色が赤い点が特徴。
【ロース】
ヒレに並んで高級部位といわれる部位。脂身がついているため、油の旨味を楽しめる。
【バラ】
豚肉の中では最も脂質が多い部位。赤身と脂肪が層をつくる見た目から、三枚肉とも呼ばれる。
脂身はカロリーが多いの?
豚肉は脂身が多い部位ほど、脂質が多くカロリーが高いです。というのも脂質は100gあたり900kcalと、糖質やたんぱく質の2倍以上のカロリーがあるからです。
脂質は重要なエネルギー源であり、脂溶性ビタミンと呼ばれるビタミンA、D、E、Kの吸収を促すなど私たちの体にとって必要な栄養素ですが、摂り過ぎは太る原因となります。
そこでダイエット中の方は、脂身の少ないヒレを選ぶことをおすすめします。
しかし、ヒレは豚肉のなかでは高級な部位と言われるだけあって、値段はやや高めです。またスーパーの精肉コーナーに置いていないこともあります。
そういった場合はももやロースを選び、調理の際に脂身を除くと良いでしょう。脂身を除いた場合、ももでは100gあたり約30kcal、ロースでは60kcalもカロリーを抑えることができます。
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牛肉・鶏肉との比較
牛肉や鶏肉と比較した場合の豚肉のカロリーや糖質はどうでしょうか。
一般的に料理で使う機会の多い、もも肉で比較してみます。
【豚・牛・鶏もも肉での比較】
カロリー | 糖質 | |
豚肉(脂身あり) | 171kcal | 0.2g |
牛肉(脂身あり) | 196kcal | 0.4g |
鶏肉(皮あり) | 190kcal | 0g |
*100gあたり
上記の通り、豚もも肉のカロリーは牛肉や鶏肉よりやや低いとわかりますね。そして、糖質はいずれも少ないです。
ちなみに豚ヒレ肉は、ヘルシーなイメージの強い鶏むね肉に匹敵するほど低カロリー(※)です。なお100gあたりで比較すると、豚ヒレ肉は118kcal、鶏むね肉(皮あり)は133kcal、鶏むね肉(皮なし)は105kcalとヘルシーなのがわかります。
一方、下記の表に示しますが、牛肉は豚肉や鶏肉に比べて高カロリーです。たとえばダイエット中に焼肉を食べる際には、牛肉だけでなく野菜や豚肉、鶏肉を取り入れるようにすると、摂取カロリーを抑えられます。
【牛肉のカロリー・糖質量】
カロリー | 糖質 | |
ヒレ | 177kcal | 0.5g |
モモ(脂身あり) | 196kcal | 0.4g |
リブロース(脂身あり) | 380kcal | 0.2g |
*100gあたり
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ゆで・しゃぶしゃぶなど関連記事湯通しや焼くとカロリー&糖質カットになるのか
脂の多い部位であれば、焼いたりゆでたりするとカロリーカットにつながります。というのも、焼焼いたりゆでたりすることで、肉の脂を落とせるからです。
肉類は加熱すると重量が変化するため、100gの生肉を調理した場合のカロリー・糖質を下表にまとめました。
【豚肉調理後のカロリー・糖質量】
部位 | 調理方法 | カロリー | 糖質 |
モモ(脂身なし) | 生 | 138kcal | 0.2g |
焼き | 132kcal | 0.2g | |
ゆで | 131kcal | 0.2g | |
ロース(脂身あり) | 生 | 248kcal | 0.2g |
焼き | 223kcal | 0.2g | |
ゆで | 230kcal | 0.2g |
*生肉100gあたり
表より、脂身のある部位は焼いたり、ゆでたりするとカロリーが減るとわかります。なお糖質は、いずれの調理方法でも大きな変化はありません。
ちなみにフライパンで油を使用して焼く場合は、油のカロリーが加わってしまうため注意しましょう。
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豚こま(切り落とし)・ミンチのカロリー&糖質は?
スーパーなどで売られている豚こま肉やミンチは、1パックごとに赤身と脂身の混ざり方にバラつきがあり、カロリーにも差があります。
下表には、一般的なカロリー・糖質をまとめました。
カロリー | 糖質 | |
豚こま肉(切り落とし) | 236kcal | 0.2g |
ミンチ | 209kcal | 0.0g |
*100gあたり
カロリーが気になる方は白い脂身の部分が少なく、赤身の部分がなるべく多いものを選ぶのがおすすめです。
豊富な豚肉の栄養素
豚肉は、たんぱく質やビタミンB1が豊富に含まれます。
たんぱく質
肉や魚に豊富に含まれるたんぱく質ですが、豚肉はヒレ肉100gあたり22.2gと肉類の中で最も多く含まれています。(加工品等を除く)
たんぱく質は、皮膚や筋肉のもとになる栄養素です。
たんぱく質は筋肉をつくり基礎代謝(*)を上げるために必要不可欠な栄養素であるため、毎食しっかりとりたいですね。
(*)基礎代謝は、私たちが生きていくために最低限必要なエネルギーのことです。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質の代謝や疲労回復に効果的な栄養素です。
私たちの体の中で糖質をエネルギーとして使うためには、ビタミンB1が必要となります。糖質を効率よく消費するためにもビタミンB1が不足しないよう心がけましょう。
なお、豚ヒレ肉は100gあたり1.32mgと肉類の中では最も多くビタミンB1を含みますが、豚肉はヒレ肉以外の部位にもビタミンB1が豊富に含まれています。
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【ヘルシーポークビーンズ】
豚ヒレ肉 100g
にんじん 1/2本
玉ねぎ 1/2個
大豆水煮 100g
オリーブオイル 小さじ1
水 100ml
トマト水煮缶 1/2缶
コンソメ(顆粒) 小さじ2
にんにく 1かけ分
塩こしょう 適量
パセリ(お好みで)
【作り方】
①豚ヒレ肉は2-3センチ角、にんじんは1cm角、玉ねぎとにんにくはみじん切りにし、大豆水煮はザルにあけて汁気を切っておく
②鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ豚肉を両面焼き、焼き色がついたらにんじんと玉ねぎを入れてさっと炒める
③②に水、大豆、トマト水煮、コンソメを加え、弱めの中火で15-20分煮る
④具材が柔らかくなったら、塩こしょうで味を整えて完成
※お好みでパセリを添える
まとめ
豚肉は、部位によってカロリーにばらつきはあるものの、糖質の少ない食品だとわかりました。
糖質はいずれの部位でも低めですが、タレに付けてあるようなものは高めになりますので、気になる方は控えると良いでしょう。
それでは当記事を参考に、ご自身にあった豚肉の部位を選んで食生活を楽しんでいただけるとうれしいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
農林水産省 豚肉の部位図鑑
公益財団法人日本食肉消費総合センター「豚肉のチカラ」
カロリーSlism