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集中力を高める方法を知りたい~続かない原因・維持するコツまとめ~

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集中力を高める方法を知りたい~続かない原因・維持するコツまとめ~

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師  石倉美希が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください。

「すぐに気が散ってしまって集中できない」「もっと集中できたら短時間でやるべきことが終わるのに…」とお悩みの方。

集中力が続かない原因をチェックし、自分に合った対策を見つけましょう。

集中力を高く維持するための作業中の工夫から、日常の習慣まで幅広くご紹介します。

どうぞ最後までお付き合いください。

人はどれくらい集中を維持できる?

人はどれくらい集中を維持できる?

一般的に、成人が集中を維持できる時間は15分程度といわれています。「短い!」と思われる方が多いと思いますが、この15分周期を何回か繰り返すことで、60分程度の間、集中の維持が可能になるといわれています。

誰しも、できる限り集中力を高く保てたらと思うところですが、何時間も集中し続けられる人はいないのですね。

短時間でも高い集中力を発揮したり、パフォーマンスの高い状態をいかに維持するかが、効率よく作業を進めるポイントといえるでしょう。

集中が続かない原因をチェック!

集中が続かない原因をチェック!

集中力が乱されてしまう原因は以下のようなものが考えられます。

ご自身の生活の中で当てはまるものがあるかどうか、チェックしてみてください。

環境が整っていない

集中して作業するためには、環境が整っていることが大切です。

例えば

・音がうるさすぎる
・暑すぎる、寒すぎる
・明るすぎる、暗すぎる
・作業スペースが散らかっている

など、注意を削ぐ要因が多い環境は集中しにくいのも無理はありません。

人によっては、あまりにも静かな環境より、作業中に音楽がかかっている方が集中しやすいなど、好みもあるでしょう。

「いつもよりよく集中できた」と感じたときは、どんな環境だったか振り返ってみると、次に役立ちますね。

疲れが溜まっている

多忙で疲れていたり、睡眠不足の状態だと、本来持っている集中力を発揮できなくなります。少々昔の研究ではありますが、6時間睡眠を2週間続けた場合、2日間徹夜したのと同じくらい、作業パフォーマンスが低下したという結果もあるほどです。(※)

疲れが溜まっていると、思っている以上に集中を保つのは難しいのですね。

※Van Dongen, H. P. A. et al (2003).The cumulative cost of additional wakefulness: Dose-response effects on neurobehavioral functions and sleep physiology from chronic sleep restriction and total sleep deprivation. Sleep, 26(2), 117–126.

うまく休憩できていない

疲労の蓄積とも関連しますが、集中力の持続可能時間を考えると、適度な休憩を取らないと、集中力はどんどん低下してきます。

60分連続で学習を続けた場合と、15分ごとに休憩を取るのを3回繰り返した場合とでは、休憩を取る方が学習の定着率が高かったという研究もあります。(※)

早く終わらせたい作業があるとき、つい休憩を取らず、必死になってしまいがちですが、それは逆効果になる可能性もあるのです。

荻野(2020). 休憩時の運動が生体情報と集中力に及ぼす影響  第36回ファジィシステムシンポジウム講演論文集 35-35.

ダラダラとスマホを見る癖がある

スマホには、たくさんの情報が得られるメリットがある一方で、実は1つのことに注意を払う力が低下してしまうリスクが指摘されています。

スマホは生活の中で欠かせないツールになってきていますが、自分が意図して探していた情報以外のものにどんどん触れてしまい、気が付いたらあっという間に時間が過ぎていたという経験がある方は多いでしょう。

スマホに振り回されてしまっていないか、付き合い方を一度振り返ってみましょう。

集中力を高める・維持するコツ

集中力を高める・維持するコツ

集中力が続かない原因を踏まえ、それらをできるだけクリアするコツをまとめました。

一度にすべて実践するのは大変ですので、無理なく取り入れられる方法から試してみましょう。

目や耳からの刺激を減らす 

基本的には、目につく情報が少なく、静かであるのが集中力を高めやすい環境です。

例えば、身の回りが散らかっていると「片づけをしなければ」と別の作業について考えてしまうものです。集中を削ぐきっかけになりそうなものは、できるだけ減らしておくのがよいでしょう。

仕切りがある作業スペースがあれば理想的ですが、まずはデスクの上の物を減らすことから始めてみてもいいですね。

音については、耳栓やノイズキャンセリングのイヤホンなどをうまく使うことで、気になる音をコントロールしやすくなりますよ。

十分な睡眠を取る

高いパフォーマンスを発揮したいときには、しっかりと質の高い睡眠を取る必要があります。

質の高い睡眠とは、ある程度の時間が確保されているのに加え、疲れが取れたという感覚が得られている状態です。朝、目が覚めたのに体が重いと感じるのは、睡眠の質が低下してしまっているせいかもしれません。

よい睡眠には、実は日中の過ごし方も大きく関わっています。

すっきり起床し、高い集中力を発揮したい方は、ぜひ関連記事もご参照ください。

関連記事
睡眠の質を上げる方法をご紹介~1日の過ごし方を見直そう~

時間を区切って集中する

集中力の高い状態は約15分程度であるため、作業時間を区切ると集中力を維持しやすくなります。

ポモドーロテクニックという方法では、25分の作業時間のあと、5分休憩を取るのを1回のサイクルとして高い作業効率が得られるといわれています。3~4回のサイクル後は30分程度の休憩を取ると、疲労も蓄積しにくいでしょう。

しかし、厳密に時間を区切ると、せっかく集中して取り組んでいた作業が中断されてしまうというデメリットもあります。作業内容に合わせて、区切る時間を調整するのがよいかもしれません。

軽い運動をする

高い集中力を発揮するには、休憩時間の過ごし方も重要です。

休憩中は、軽く体を動かすとその後の作業するときの集中力は高まるといわれています。とくに、歩くと血液の循環がよくなり、脳が活性化されるため、新しいアイディアが浮かびやすくなります。

考えが行き詰まってしまったと感じたら、散歩に出てみるのがオススメです。

オフィスの中でも取り入れやすい動きとしては、

・ストレッチをする
・飲み物を買いに行く
・フロアの移動に階段を使う音がうるさすぎる

という方法もあります。

こまめに動くと、運動のためにまとまった時間が取りにくい方でも、活動量を増やしやすくなります。

運動は、睡眠の質を高めるのにも有効ですので、たくさんのメリットがありますね。

関連記事
運動をしたらいい睡眠がとれるってホント?〜運動の強度やタイミングを詳しく解説〜 

小さなゴールをたくさん達成する

なかなか達成できない作業をずっと続けていると、どうしても集中を維持しにくくなってしまうものです。「できた」という達成感は、また次の作業をするときに頑張る力や集中力を高めてくれるといわれています。

完了したい作業をいくつかのステップに分け、小さなゴールをたくさん設定しておくと、1つひとつのタスクに対して、集中力の高い状態を維持できるかもしれません。

関連記事
ストレス耐性が低いと感じる方にオススメ~耐性を高める方法をご紹介~

デジタルデトックスの時間を設ける

スマホをダラダラ見てしまう、通知が気になる方は、デジタルデトックスを試してみましょう。

<デジタルデトックスのポイント>
・1日の中で使わない時間を決める
・持ち込まない場所を決める
・使わない時間で代わりに何をするか考えておく
 (趣味やリラックスできる活動など)

普段から長時間スマホを使う人が、いきなり時間を短くすると、かえってストレスになってしまう場合もあります。

まずは短時間からスマホと離れる時間も設けてみてはいかがでしょうか。

マインドフルネス瞑想でトレーニングする

目の前にある環境や今やっていることに注意を払えず、別のことを考えてしまうのは、心理学の用語で、マインドワンダリングと呼ばれます。マインドワンダリングが起きてしまったときに大切なのは、いかに早くまた目の前のことに注意を戻せるかです。

マインドフルネス瞑想に熟達している人ほど、マインドワンダリングが起きて注意が逸れてしまっても早く集中を取り戻せるという研究があります。

瞑想というと、難しそうだと感じる方は、初心者でも取り組みやすい方法(関連記事参照)からチャレンジしてみましょう。

関連記事
マインドフルネスの効果とは?~初心者でも始めやすいやり方をご紹介~
心を落ち着かせる方法~不安・緊張・イライラにもう振り回されない~

まとめ

集中力を高め、維持するためには、集中が途切れる原因を知り、それに合った対策を日常に少しずつ取り入れていくことが大切です。

対策としては

・集中しやすい環境を整える
・睡眠、
休憩の質を見直す
・作業時間の工夫や運動の習慣を取り入れる
・デジタルとの付き合い方を見直す
・マインドフルネスで“今ここ”に意識を向ける

といった方法がありますが、どれも一気に完璧にこなす必要はありません。

まずは、できそうなことから一つずつ。ご自分に合ったスタイルで、集中力アップを目指してみましょう。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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参考文献
川島(2018).  マインドワンダリングからの復帰に要する時間の瞑想経験による変化 人工知能学会全国大会論文集 第32回(2018).
川島隆太(2023).スマホ依存が脳を傷つける デジタルドラッグの罠 宝島社
久保(2019). 若者のデジタル機器への依存性のハックとデジタルデトックスの可能性の検討 環境情報科学 学術研究論文集 33.  181-186.
水田(2019).  課題に対する自己効力感が集中力に与える影響 日本心理学会第83回大会発表論文集 462.
荻野(2020). 休憩時の運動が生体情報と集中力に及ぼす影響  第36回ファジィシステムシンポジウム講演論文集 35-35.
田中(2025). 睡眠をめぐる近年の知見と職場での対応11 労働者の睡眠と健康経営 産業医学ジャーナル 48(3). 332-338.
Van Dongen, H. P. A. et al (2003).The cumulative cost of additional wakefulness: Dose-response effects on neurobehavioral functions and sleep physiology from chronic sleep restriction and total sleep deprivation. Sleep, 26(2), 117–126.

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