スタミナ満点!とろろの栄養と効能~効果的な食べ方もご紹介~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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とろろは「山のうなぎ」ともいわれ、スタミナをつけたいときに食べる方も多いですよね。山芋をすりおろしてつくったとろろをご飯にかければ、暑くて食欲がない時でもさらっと食べられます。
ところで、スタミナの素になるのはどのような栄養素なのでしょうか?
そこで今回は、とろろのネバネバに隠された栄養について解説します。血糖値に与える影響についてもお話ししますので、ぜひご覧ください。
目次
とろろの栄養と効果効能
「ネバネバした食材はなんとなく体に良い」と広く認知されていますが、その理由をご存知でしょうか?
ネバネバ食材のとろろが体に良いのには、含まれている栄養に関係があるのです。
ここからは、健康効果をもたらすとろろの栄養についてご紹介します。
便通を促す食物繊維
便通を良くする栄養として広く認知されている食物繊維が、とろろには豊富に含まれています。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。それぞれの働きは以下の通りです。
・水溶性食物繊維:水に溶けてゼリー状になり、腸内の糖を包んで吸収するスピードを遅らせ、余分なコレステロールを排出する
・不溶性食物繊維:便の量を増やし、腸を刺激することで便通を促す
とろろには、この2つの食物繊維がバランスよく含まれているので、どちらの効果も期待できますよ。
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むくみ解消に役立つカリウム
とろろには、カリウムが豊富に含まれています。
カリウムは、体にある余分な塩分と水分を一緒に排出してくれるため、足や顔のむくみ解消に役立つ栄養です。
主に生の野菜や果物に多く含まれているため、生の山芋をすりおろして作るとろろはカリウムを摂りたい方にとって理想的である、といえるでしょう。
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スタミナ維持に活躍するビタミンB群
とろろを食べるとスタミナがつくと言われる理由は、ビタミンB群が多く含まれているからです。
ビタミンB群は、糖質や脂質などをエネルギーに変える際に必要な栄養で、不足するとうまくエネルギーを作り出せずにスタミナ切れになってしまいます。
エネルギーのもとである糖質とビタミンB群を同時に摂れるからこそ、とろろはスタミナ食材といわれているのです。
とろろにダイエット効果はあるのか
とろろを食べることでダイエット効果が得られるとはいえませんが、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補う意味では効果的です。
ダイエット中は、食事制限により便の量が減ることで便秘になりがち。とろろには便通をよくする食物繊維が豊富に含まれるので、ダイエット中の便秘予防にオススメですよ。
また、同じ芋類のさつまいもより糖質が少ないため、糖質制限ダイエットを行っている方でも食べられる芋類といえます。
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糖尿病にいいってホント?
とろろのもとである山芋にはレジスタントスターチと呼ばれる成分が含まれ、これが血糖の上昇を緩やかにするので糖尿病の人にもオススメです。
レジスタントスターチは炭水化物であるでんぷんの一種ですが、健康なヒトの小腸内で消化吸収されずに排出されます。食物繊維と非常によく似た働きをして、血糖の他に血中コレステロールや中性脂肪の上昇を抑えるという報告があります。
ただし、レジスタントスターチの効果は加熱すると減ってしまうので、生で食べるのがポイントです。
なので、生の山芋をすりおろしてつくるとろろは、レジスタントスターチを摂るうえで理にかなった食べ方ですね。
【オススメ】とろろの効果的な食べ方
食物繊維やレジスタントスターチの効果を期待するのなら、食事の最初にとろろを食べるとよいでしょう。
どちらもごはんやおかずを食べる前に摂ることで、食事に含まれる糖質やコレステロール、中性脂肪の吸収スピードを緩やかにします。
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毎日食べると危険なの?
とろろを毎日食べても体に悪影響はありませんが、献立の内容によっては控えたほうがよいでしょう。
たとえば副菜がかぼちゃの煮物など糖質が高めなメニューの場合、とろろをプラスすると糖質量がオーバーしてしまうかもしれません。
先ほど、とろろのもとである山芋はほかの芋類に比べて糖質が少ないと申し上げましたが、芋以外の野菜と比較するとやはり糖質は高めです。
さらに、とろろを毎日食べたからといって必ず健康になるわけではありません。
まずはさまざまな食材を組み合わせ、バランスのよい食事を心がけるところから始めましょう。
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1日にどれくらいたべてもいいのか
とろろを食べる量は、覚えやすいように小鉢1杯(約70g)と決めておくとよいでしょう。
繰り返しになりますが、とろろは健康にいいからといって食べすぎると、カロリーや糖質を摂りすぎてしまいます。
小鉢など小さめの食器に1杯と決めておくと、食べすぎ防止になりますね。
【番外編】長芋と自然薯は何が違うの?
長芋と自然薯は同じヤマノイモ類で形もそっくりですが、栽培方法と水分量に違いがあります。
長芋は他の野菜や芋類のように農地で栽培されています。比較的水分が多く含まれており、とろろはもちろん細長く切ってサラダにすると、サクサクとした食感が楽しめるのでオススメです。
一方、自然薯は山の中に自生されている点が長芋と異なります。また、水分量が少ないため、擦ると粘り気の強いもっちりとしたとろろが作れますよ。
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まとめ
生の山芋をすりおろして作るとろろには、食物繊維やカリウムが豊富に含まれています。
さらに生で食べることで血糖値、血中コレステロール、中性脂肪の吸収スピードを緩やかにするレジスタントスターチを効率よく摂れるので、これらの数値が気になる方にもオススメです。
また、とろろ(山芋)は芋類の中でも糖質は低い方ですが、他の野菜と比較するとやはり高いため、献立内容によって食べる・食べないを決めるとよいでしょう。1日あたりの目安量は小鉢1杯分(約70g)程度です。
すりおろす山芋の種類によって粘り気などに差がありますので、いろいろ試してみて好みの粘り気のとろろを探してみてくださいね。
それでは、当記事を参考にとろろを活用して健康な毎日をお過ごしください。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
参考文献
野菜と果物のお話~ヤマノイモ
自然薯(じねんじょ) | 農産物百科 | 食と農 | JA遠州中央
長芋 | JAきたみらい
ヤマイモ粘質物の性状と構造の解析
カロリーSlism
ナガイモ(<i>Dioscorea polystachya</i> Turcz.)の加熱温度と調理形態の違いによるレジスタントスターチ量について
とろろ大麦飯のグリセミックインデックスの測定および摂取後の血中インスリン・グルカゴン濃度への影響