電子カルテメーカー15選!おすすめポイントを徹底解説!

執筆はライター下田 篤男(管理薬剤師・薬局経営コンサルタント)が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください。
「電子カルテはメーカーがありすぎてどうやって選べば良いかわからない」
「オンプレミス版とクラウド版の違いって?メリットやデメリットも知りたい」
このように、電子カルテについて悩んでらっしゃる先生も多いのではないでしょうか。
そこで今回は電子カルテを取り上げます。
電子カルテは医療機関の業務効率化に欠かせないツールで、適切なシステムを選ぶことが大切です。
この記事では、電子カルテのメリット・デメリットを解説し、診療所・病院・在宅医療・自由診療など様々な医療現場で活用できる代表的な15社を厳選してご紹介します。
目次
電子カルテのメリット・デメリット
医療のデジタル化が進む現代において、電子カルテシステムは多くの医療機関にとって必須のツールとなりつつあります。
紙カルテから電子カルテへの移行は単なる記録媒体の変更にとどまらず、医療提供体制全体に影響を与える重要な変革といえるでしょう。
導入を検討する際には、そのメリットとデメリットを十分に理解し、自院の状況に合わせた判断をすることが重要です。
電子カルテのメリット
電子カルテの大きなメリットは以下の3つです。
・業務効率の改善
・保管スペースの削減
・情報確認・処理の容易さ
それぞれのメリットについて解説します。
業務効率の改善
電子カルテの最大の利点は、医療機関における様々な業務プロセスの効率化です。
受付から予約管理、会計処理、そして診療記録の入力まで、これまで紙とペンで行っていた作業がデジタル化されることで大幅な時間短縮が実現します。
例えば、処方せんの作成や検査オーダーなどが数クリックで完了するため、医師の診療時間を効率的に使うことができるのです。
また、複数のスタッフが同時に同じカルテを参照できるため、チーム医療の質も向上します。
保管スペースの削減
紙カルテを使用する医療機関では、法定保存期間(基本5年間)のカルテを保管するための広大なスペースが必要でした。
電子カルテの導入により、このような物理的なカルテ保管場所が不要となり、そのスペースを診療室や待合室の拡充など、患者サービス向上のために活用できるようになります。
また、サーバーやクラウド上にデータを保存することで、万が一の災害時にもデータ消失のリスクを低減でき、事業継続性の向上にも貢献します。
情報確認・処理の容易さ
電子カルテでは、入力された情報がリアルタイムで反映されるため、最新の患者情報や診療内容をすぐに確認できます。
紙カルテでよく起こる「字が読めない」という問題も解消され、医療ミスの防止につながるでしょう。
また、過去の診療記録や検査結果を瞬時に検索できるため、継続的な診療の質が向上します。さらに、アレルギーや禁忌薬のアラート機能などを設定することで、医療安全の強化にもつながるのです。
電子カルテのデータは構造化されているため、臨床研究や統計分析にも活用しやすく、エビデンスに基づいた医療の実践を支援します。
電子カルテのデメリット
電子カルテの大きなデメリットは以下の3つです。
・導入初期の移行の困難さ
・停電などのリスク
・運用コスト
それぞれのメリットについて解説します。
導入初期の移行の困難さ
電子カルテ導入の最大のハードルは、移行期間中の業務負担増加です。
すべてのスタッフが新しいシステムの操作に慣れるまでには相当の時間と労力を要します。特に高齢の医師や看護師にとっては、デジタル機器への不慣れから抵抗感を示すことも少なくありません。
また、既存の紙カルテからのデータ移行作業も膨大な労力を必要とします。さらに、電子カルテの操作方法に合わせて診療フローを再構築する必要があり、その過程では一時的に診療効率が低下することも覚悟しなければなりません。
停電などのリスク
電子カルテは電力とネットワークに依存しているため、停電やシステム障害が発生すると診療に大きな支障をきたします。
特に災害時や予期せぬシステムダウンの際には、患者情報にアクセスできなくなる可能性があるのです。
このようなリスクに備えて、非常用電源の確保や紙ベースでの緊急対応マニュアルの整備、定期的なデータバックアップなど、万全の対策を講じる必要があります。
クラウド型の電子カルテを採用する場合は、インターネット回線のトラブルも考慮に入れた対策も重要です。
運用コスト
電子カルテの導入には初期費用だけでなく、継続的な運用コストがかかります。
システムの保守・管理費、ソフトウェアのアップデート料、サーバーの更新費用、クラウドサービスの月額利用料など、長期的な費用負担を覚悟しなければなりません。
また、診療報酬改定や制度変更に対応するためのシステム更新も定期的に発生します。さらに、セキュリティ対策やスタッフへの継続的な教育・研修費用も考慮すべき重要なコストです。
電子カルテの選び方
電子カルテの導入は医療機関にとって大きな投資であり、その選択が今後の診療業務の効率や質に長期的な影響を与えます。
適切なシステムを選ぶことで業務効率が飛躍的に向上する一方、選択を誤ると日々の診療に支障をきたし、スタッフのストレスや患者満足度の低下を招きかねません。
以下では、電子カルテを選ぶ際の重要なポイントについて詳しく解説します。
医療機関の規模と診療科目に合わせる
電子カルテを選ぶ際には、まず自院の規模や特性に適したシステムを検討することが基本です。
大規模病院では多くの診療科や部門間の連携が重要となるため、包括的な機能を持ったシステムが必要です。一方、小規模クリニックでは操作の簡便さとコストパフォーマンスが重視されます。在宅医療を行う医療機関ではモバイル対応や軽量性が重要な選定基準となるでしょう。
また、診療科特有の機能の充実度も重要なポイントです。
眼科では画像データの管理機能、精神科では長期的な経過記録の扱いやすさ、整形外科ではシェーマ機能など、各診療科によって必要とされる機能は異なります。自院の診療内容に最適化されたシステムを選ぶことで、導入後の満足度が大きく変わります。
使いやすさを優先する
どれほど高機能なシステムであっても、使いにくければ日常診療の障害となります。医師や看護師が診療に集中できるよう、直感的な操作性を持つシステムを選ぶことが重要です。特に導入初期は操作に不慣れなため、シンプルな画面構成と明快な操作フローが求められます。
また、医師、看護師、医療事務など、各職種によって必要とする機能や操作頻度は異なります。それぞれの業務特性に合わせたカスタマイズが可能か、画面レイアウトの自由度はどの程度あるかなども確認すべきポイントです。
連携性を確認する
電子カルテは単独で機能するものではなく、様々なシステムと連携することで真価を発揮します。既存のレセプトコンピュータ、各種検査機器、画像管理システムなどとの連携が可能かどうかを事前に確認することが必須です。特に検査機器からのデータ取り込みがスムーズに行えるかは業務効率に大きく影響します。
また、地域医療連携や他院との情報共有を行う予定がある場合は、標準規格(SS-MIX2など)への対応状況も重要な選定基準となります。
将来的な医療DXの進展を見据え、外部システムとの連携に柔軟に対応できるオープンな設計のシステムが望ましいでしょう。
コスト面を総合的に検討する
電子カルテ導入の費用は初期投資だけでなく、長期的な運用コストも含めて総合的に判断する必要があります。
初期費用にはハードウェア購入費、ソフトウェアライセンス料、データ移行費用、トレーニング費用などが含まれます。これに加えて、月額のサポート料や保守料、バージョンアップ時の追加費用なども考慮しなければなりません。
診療報酬改定時のシステム更新費用、追加機能の導入費用、スタッフの操作研修にかかる人件費なども実質的なコストとして計上すべきでしょう。
複数のベンダーから見積もりを取得し、5年間程度の総所有コスト(TCO)で比較検討することをお勧めします。
サポート体制を確認する
電子カルテは医療機関の生命線ともいえるシステムです。トラブル発生時に迅速かつ適切なサポートが受けられるかどうかは極めて重要です。
導入時の研修プログラムが充実しているか、オンサイトのサポートは可能か、サポートデスクの対応時間はどうかなどを詳細に確認しましょう。実際にシステムを導入している医療機関の評判や口コミも可能な限り収集することをお勧めします。
将来の拡張性を考える
将来的な診療規模の拡大や診療科の追加、さらには制度改定や新技術の導入にも柔軟に対応できるシステムを選ぶことが重要です。
特に近年は遠隔診療やAI診断支援など、新たな医療技術への対応が求められることも多くなっています。
システムのアップデートやカスタマイズの容易さ、モジュール追加の柔軟性などを確認しておくと良いでしょう。開発ベンダーの技術力や研究開発への投資状況も、将来性を判断する上で重要な要素です。長期的な視点で選定することで、システムの陳腐化を防ぎ、継続的な業務改善につなげることができます。
オンプレミス型とクラウド型の比較
電子カルテシステムを導入する際、最も大きな選択肢となるのが「オンプレミス型」と「クラウド型」のどちらを採用するかという点です。
この選択は単なるシステム形態の違いに留まらず、初期費用や運用方法、セキュリティ対策など、医療機関の経営に長期的な影響を与える重要な決断となります。それぞれの特性を理解し、自院の状況やニーズに合った選択をすることが成功への近道です。
オンプレミス型
まずは、オンプレミス型について解説します。
メリット
・カスタマイズ性が高い
・通信環境に左右されない
・セキュリティ管理の自由度が高い
オンプレミス型電子カルテの最大の強みは高いカスタマイズ性です。医療機関独自の運用フローや診療形態に合わせて細かい設定やシステム改修が可能なため、業務に合わせたシステム構築ができます。
また、すべてのデータが院内サーバーで管理されるため、インターネット接続の状況に左右されず安定した運用が可能です。
診療中に突然システムが使えなくなるといったリスクが少ないのは大きな安心材料となります。
セキュリティ面では、自院の方針に基づいた独自のセキュリティ対策を講じることができ、センシティブな患者情報の管理に関して高い自由度を持つことができます。
デメリット
・初期投資が大きい
・保守・メンテナンス負担
・災害リスクが高い
オンプレミス型の導入には相応の初期投資が必要です。サーバー機器やネットワーク機器などのハードウェア購入費、設置工事費、専用のサーバールーム設備などのコストがかかります。
また、導入後もサーバーの管理・保守は自院の責任で行う必要があり、専門知識を持ったIT担当者の確保や外部業者への委託費用が発生します。
さらに、サーバー機器は通常3〜5年程度での更新が必要となるため、定期的な設備投資の計画も必要です。災害対策の面では、院内が被災した場合にデータ喪失のリスクがあるため、遠隔地へのバックアップなど、追加の対策が求められます。
こんな医療機関におすすめ
・大規模病院や総合病院
・独自の運用フローがあり、カスタマイズを重視する医療機関
・IT管理部門を持つ医療機関
オンプレミス型電子カルテは、特に大規模病院や総合病院に適しています。多くの診療科や複雑な業務フローを持つ医療機関では、細かなカスタマイズが必要になることが多く、オンプレミス型の柔軟性が活きるのです。
また、長年の運用で確立された独自の業務プロセスがあり、それを電子カルテに反映させたい場合にも適しています。
ただし、導入・運用には一定のIT知識と管理体制が必要なため、専任のIT部門や担当者を置ける医療機関が望ましいでしょう。セキュリティポリシーや法令遵守に対して独自の厳格な基準を持つ機関にも向いています。
クラウド型
続いて、クラウド型電子カルテについて解説します。
メリット
・初期投資が少ない
・場所を選ばない
・アップデートが容易
・災害に強い
クラウド型電子カルテの最大の魅力は、低い初期投資で導入できる点です。サーバー機器の購入や専用設備の構築が不要なため、導入コストを大幅に抑えることができるのです。
また、システムへのアクセスに場所の制約がないため、診療室だけでなく、院内のどこからでも、さらには院外からも必要な情報にアクセスできます。これは特に訪問診療や複数拠点での診療を行う医療機関にとって大きなメリットとなるでしょう。
システムの更新やメンテナンスはサービス提供元が一括して行うため、常に最新の状態を維持でき、診療報酬改定などの制度変更にもスムーズに対応できます。また、データがクラウド上に保存されるため、院内の災害やトラブルでもデータが喪失するリスクが低く、事業継続性の面で優れています。
デメリット
・通信環境に依存
・カスタマイズ性が低い
・セキュリティを外部に依存しなければならない
クラウド型システムの最大の懸念点は、インターネット接続環境への依存度の高さです。回線が不安定だったり、障害が発生したりすると、システムへのアクセスができなくなり、診療に支障をきたす可能性があります。
また、標準機能での運用が基本となるため、医療機関独自の複雑なカスタマイズには対応しきれないことがあります。運用面では、サービス利用料として月額費用が継続的に発生するため、長期的に見るとオンプレミス型よりもコストが高くなる可能性もあるでしょう。
セキュリティ面では、データ管理を外部に委託することになるため、提供元のセキュリティ対策や信頼性を十分に評価する必要があります。
こんな医療機関におすすめ
・クリニックや診療所など小〜中規模の医療機関
・訪問診療や在宅医療を行う医療機関
・複数拠点間での情報共有が必要な医療機関
・IT管理の負担を減らしたい医療機関
クラウド型電子カルテは、クリニックや診療所など小〜中規模の医療機関に特に適しています。IT専任スタッフを置くことが難しい規模の医療機関でも、専門的な知識がなくても運用できるシンプルさがメリットです。
また、訪問診療や在宅医療を行う医療機関にとっては、モバイル端末からのアクセスが容易なクラウド型は業務形態との相性が良いでしょう。複数の診療拠点を持つ医療グループでも、拠点間でのシームレスな情報共有が可能なクラウド型が効率的です。
さらに、IT管理業務を最小限に抑え、本来の医療業務に集中したい医療機関にとっても、クラウド型は理想的な選択肢となります。
電子カルテ導入費用相場
電子カルテの導入費用、ランニングコストは以下の通りです。
※オンプレミス型はサーバー更新費用やカスタマイズ費用が別途必要になる場合があります
各電子カルテメーカーのHPを参照し、シンクヘルス株式会社が作成
厳選!電子カルテメーカー15選
医療機関にとって最適な電子カルテシステムを選ぶことは、診療の質向上と業務効率化の鍵となります。
しかし、市場には多数のメーカーが存在し、どれを選ぶべきか判断するのは容易ではありません。
ここからは、医療現場のニーズや用途別に厳選した15社の電子カルテメーカーをご紹介します。クリニック向け、病院向け、専門診療科向け、そして訪問・在宅医療向けなど、様々な医療機関の特性に対応したシステムを取り上げました。
それぞれの特徴と強みを簡潔に整理していますので、自院に最適なシステム選びの参考にしてください。
クリニック向けクラウド型
クリニックにとって使いやすさと効率性を両立した電子カルテは、診療の質を落とさず業務効率を高める強力なツールです。
特にクラウド型は初期投資を抑えながら、場所を選ばずアクセスできる利便性が魅力です。ここでは、操作性、機能性、サポート体制などの面で高い評価を得ている6社のクラウド型電子カルテをご紹介します。
株式会社メドレー(CLINICSカルテ)
・特徴:シンプルな操作性と予約・問診・レセプトの一括管理
・強み:カルテ専門スタッフによる手厚いサポート
「CLINICSカルテ」は誰もが使いやすいシンプルな操作性を備えたクラウド型電子カルテです。予約・問診・レセプトを一括管理できるため院内業務が効率化でき、専門スタッフによる導入時のデータ移行から運用後のサポートまで安心して利用できる体制が整っています。
株式会社EMシステムズ(MAPs for CLINIC)
・特徴:各診療科目に特化した機能を搭載
・強み:他社システムとの高い連携性
「MAPs for CLINIC」は、優れたユーザーインターフェースを持つクラウド型電子カルテです。各診療科目に特化した機能を搭載しているため、どの診療科でも快適に利用できます。
また、他社システムとシームレスに連携できる高い互換性を備えており、ストレスなく日常診療をサポートします。
エムスリーデジカル株式会社(M3DigiKar)
・特徴:AI自動学習機能搭載で記入時間削減
・強み:iPadやスマホ対応で予約・会計システムと連携
「M3DigiKar」はエムスリーデジカル株式会社が開発したクラウド型電子カルテです。最新のAI自動学習機能によりカルテ記入時間を大幅に削減し、シンプルな画面設計で直感的に操作できます。
iPadやスマートフォンにも対応し、予約・会計システムとの連携も充実しているため、クリニック業務全体の効率化を実現します。さらに、オンライン診療や訪問診療など多様化する医療ニーズにも柔軟に対応し、進化し続ける先進的な電子カルテシステムです。
株式会社DONUTS(CLIUS)
・特徴:端末を選ばない利用環境と豊富な連携実績
・強み:見やすいUI画面設計
「CLIUS」は多様な端末で利用できる柔軟性に優れたクラウド型電子カルテシステムです。Do入力、セット登録、AI入力などの基本機能を完備し、様々な医療システムとの連携実績も豊富です。開発元の株式会社DONUTSはゲームや勤怠管理システムの開発経験を活かし、視認性に優れた使いやすいユーザーインターフェースを実現しています。
株式会社クリプラ(CLIPLA Eye)
・特徴:眼科専用クラウド型電子カルテ
・強み:検査機器からのデータをワンクリックで取り込み可能
「CLIPLA Eye」は業界初の眼科専用クラウド型電子カルテです。
検査機器からのデータをワンクリックで取り込み、レフケラデータもレシート形式で直感的に確認できるのです。
タブレット対応で検査値入力が効率化され、ゼロ処方・コンタクトレンズ処方機能も充実しています。眼科診療に最適化されたシェーマ描画機能や暗い診察環境に配慮したダークモードを備え、眼科クリニックの診療ワークフローを完全にサポートします。
株式会社湯山製作所(BrainBoxCloud)
・特徴:AI分析機能を搭載した医療会計統合型クラウド電子カルテ
・強み:他院の処方情報と連携し患者情報を一元管理
「BrainBoxCloudⅡ」は医療会計システムと完全統合されたクラウド型電子カルテです。
AI INSIGHTによるデータ分析・予測機能を搭載し、診療の質向上をサポートします。他院処方情報との連携機能により患者の総合的な治療状況を一目で把握でき、院内サブサーバーによる障害対策も備えています。
無床クリニックから一般病院まで幅広く対応可能です。
クリニック向けオンプレミス型・ハイブリッド型
クラウド型が主流となりつつある中、オンプレミス型やハイブリッド型の電子カルテには独自の強みがあります。セキュリティ管理の自由度が高く、インターネット環境に左右されない安定性が魅力です。
ここでは、使いやすさと機能性を兼ね備えた3つのシステムをご紹介します。どちらもクリニックの業務効率化を実現しながら、それぞれ異なる特長を持っていますので、自院の運用スタイルに合わせてお選びください。
株式会社ダイナミクス(ダイナミクス)
・特徴:実地医療の現場観点から開発されたレセコン・電子カルテ一体型
・強み:マウス操作中心で入力が苦手な方にも使いやすい
「Dynamics」は医療現場の視点から開発したレセコン・電子カルテ一体型ソフトです。
マウス操作を中心とした直感的な設計により、キーボード入力が苦手な医師でも容易に使用できます。
レセプトと電子カルテが統合されているため診療情報の活用がスムーズです。
オンプレミス版でありながら、スマートフォンやタブレットからもカルテ情報を参照できるため、外出先や緊急時の対応も迅速に行えます。
富士通Japan株式会社(HOPE LifeMark-SX)
・特徴:国内病院シェアNo.1の実績を持つ大手企業
・強み:病院規模別に最適化された多様な製品ラインナップ
富士通Japanは国内トップシェアを誇る医療情報システム企業です。クリニック向けの「HOPE LifeMark-SX」だけでなく、大中規模病院向けの「HOPE LifeMark-HX」シリーズと中小病院向けの「HOPE LifeMark-MX」など、医療機関のニーズに幅広く対応しています。
ウィーメックス株式会社(Medicom-HRf Hybrid Cloud)
・特徴:オンプレとクラウドのハイブリッド型
・強み:レセプトチェック機能搭載で保険請求業務効率化
「Medicom-HRf Hybrid Cloud」はウィーメックス株式会社が開発した、オンプレミス型とクラウド型の利点を組み合わせたハイブリッド型電子カルテシステムです。充実したレセプトチェック機能により月末月初の保険請求業務が効率化され、医療スタッフの負担を軽減します。院内の予約・受付システムや各診療科の検査システムとも柔軟に連携できるため、データの一元管理が可能です。また、個人情報保護や不正アクセス防止などのセキュリティ対策も万全で、患者データを安全に管理できる信頼性の高いシステムとなっています。
病院向け
医療のデジタル化時代において、電子カルテシステムは病院運営の要となっています。
病院の規模や特性に応じた最適なシステム選定に役立つ、国内主要4社の製品を比較しました。20年で継続率99%を誇る「MALL」、900件超の導入実績がある「MI・RA・Is Ⅴ」、多様なラインナップを持つNECの「MegaOakシリーズ」、精神科専門の「LIVE」まで、各システムの強みを紹介し、貴院に最適な電子カルテ選びをサポートします。
株式会社パシフィックメディカル(MALL)
・特徴:20年間で継続率99%の実績
・強み:初期導入費用とランニングコストを抑えたシンプル設計
「MALL」は株式会社パシフィックメディカルが開発した病院向け電子カルテシステムで、約20年間にわたり高い継続率99%を誇る実績があります。部門システムが統合された設計により、システム間の連携がスムーズで、優れた柔軟性と拡張性を実現しています。
シンプルな設計思想により初期導入費用とランニングコストを抑制しながらも、約3,000項目もの設定が可能な高いカスタマイズ性が特徴です。医師や看護師などの職種別、さらには個々のユーザーごとに最適な環境を構築でき、各医療施設や部門の特性に合わせた運用が可能なコストパフォーマンスに優れた電子カルテシステムです。
株式会社シーエスアイ(MI・RA・Is Ⅴ)
・特徴:900件超の導入実績を持つ国内トップクラス
・強み:医療・介護・福祉・保険の連携をシームレスに実現
「MI・RA・Is Ⅴ(ミライズファイブ)」は全国900件以上の導入実績を持つ国内トップクラスの電子カルテシステムです。
最大の特徴は医療・介護・福祉・保険の情報を一元管理できる連携性です。各スタッフの業務に合わせた画面カスタマイズ、読みやすいフォント、複数スタッフによる同時入力、便利な付箋機能など、実用的な機能が充実しています。
地域包括ケアを推進する医療機関に最適なシステムで、操作性の良さが医療安全と業務効率の向上に貢献します。さらに、異なるメーカーの医療機器とも標準規格で連携でき、クラウド環境にも対応しているため、将来的なシステム拡張にも柔軟に対応できる拡張性も魅力です。
日本電気株式会社(NEC:MegaOakシリーズ)
・特徴:1966年からレセコン提供の老舗企業
・強み:病院規模に応じた製品ラインナップ
日本電気(NEC)は1966年からレセプトコンピュータを提供し続けている電子カルテ分野の先駆的企業です。
同社の主力製品「MegaOak」シリーズは、医療機関の規模や特性に合わせた幅広いラインナップを展開しています。
300床以上の急性期病院に適した高機能型の「MegaOakHR」、標準機能で迅速に導入できるノンカスタマイズ型の「MegaOak/iS」と、様々な医療機関のニーズに対応した電子カルテを提供しています。
株式会社ライブワークス(LIVE)
・特徴:精神科病院向けに開発されたオールインワンシステム
・強み:精神科特有の行為に標準対応
「LIVE」は精神科病院に特化したオールインワン電子カルテシステムで、180施設での連続稼働実績が示す高い安定性が特徴です。
Windows、Mac、iOS、Androidなど複数のOSに対応し、クラウド環境でも利用可能な柔軟性を備えています。
直感的な操作性と一括入力機能により事務作業の負担を軽減し、精神科特有の診療行為や記録管理に標準対応しています。
カンファレンス記録や相談記録など、精神科医療の現場で必要とされる機能が充実しており、豊富な入力支援機能やテンプレートにより日々の診療業務を効率化できるでしょう。
多様な医療スタッフが使いやすいよう設計されており、精神科病院の複雑な業務フローをシームレスに電子化することで、医療の質向上と業務効率化を同時に実現するシステムです。
訪問・在宅医療向け
高齢化社会の進展に伴い、訪問診療や在宅医療のニーズは年々高まっています。外来診療とは異なる環境で提供される訪問医療では、移動中や患者宅での情報アクセスや記録の即時性が診療の質を左右します。
そのため、通常の電子カルテとは異なる機能や特性を持った専用システムが必要です。本記事では、訪問・在宅医療に特化した2つの代表的な電子カルテシステムを紹介します。
NTTプレシジョンメディシン株式会社(モバカルネット)
・特徴:訪問診療特化型のクラウド電子カルテ
・強み:オフライン機能で過去カルテ参照可能
「movacal.net(モバカルネット)」は訪問診療専用に開発されたクラウド型電子カルテシステムです。モバイル端末に最適化された設計により、往診先でもストレスなくカルテ記録が行え、インターネット環境がない場所でも過去のカルテを参照できるオフライン機能を搭載しています。
チャット機能を活用すれば、医師や看護師、事務スタッフ間の情報共有がリアルタイムで行え、院内外のコミュニケーションが格段に向上します。初期費用200,000円、月額50,000円(ともに税別)という手頃な価格設定で、在宅医療に必要な機能を凝縮した実用的なシステムです。
株式会社アイソル(Zaitak Karte)
・特徴:在宅医療専門のクラウド型電子カルテ
・強み:緊急時の文書や処方箋をインターネットFAXで送信可能
「Zaitak Karte(ザイタックカルテ)」は、訪問診療と在宅医療に特化した株式会社アイソル開発のクラウド型電子カルテシステムです。
インターネット環境さえあれば、場所やデバイスを問わずカルテ情報にアクセスできるため、訪問先での診療をスムーズに進められます。
システムの特長として、処方箋や紹介状などの緊急文書をインターネットFAXで即時送信できる機能を搭載。これにより、診療後の事務処理も迅速に完了できます。
まとめ
電子カルテの選定では、医療機関の規模や診療科目、必要な機能、そして予算に合わせて最適なシステムを選ぶことが重要です。
オンプレミス型とクラウド型、それぞれの特性を理解し、自院の運用に合った選択をしましょう。
本記事で紹介した15社はそれぞれ特色があり、様々なニーズに対応しています。
導入前にはデモや見学を積極的に活用し実際の操作感を確認すると共に、他院での導入事例や口コミ情報も参考にしましょう。
使いやすい電子カルテを導入することで、自院の業務効率化を進めてはいかがでしょうか?