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【糖尿病の治療中断に関するアンケート調査】4人に1人が中断したいと思ったことがあると回答 〜中断したいと思う理由1位は「治療自体の負担」という結果に〜

  • 2024.03.26
  • プレスリリース

4人に1人が中断したいと思ったことがあると回答 〜中断したいと思う理由1位は「治療自体の負担」という結果に〜

2024年02月08日~2月13日の期間に、2型糖尿病のシンクヘルスアプリユーザーを対象に治療中断に関するアンケート調査を実施し、得られた678名の回答について結果を集計しました。
アンケート結果から、長期的な治療が求められる糖尿病の治療における、治療中断の原因や治療を中断したいと思う要因、治療を再開したきっかけや治療のモチベーションにつながる内容などが明らかになりました。
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調査結果概要

 ● 治療を自己判断で中断したことがあるのは全体の16%、中断したことがない人のうち約25%が中断したいと思ったことがあった
 ● 中断理由は「仕事が忙しかったから」「治療が大変だったから」「治療費が高い」の順に多かった
 ● 治療再開の主なきっかけは、「健康診断で受診を勧められた」と「合併症などの出現」が約80%
 ● 
治療のモチベーションは、「医療機関への受診」「治療の効果が実感できた時」「アプリなどのデジタルツール」の順で多かった

治療中断の有無とその理由

今回実施した、2型糖尿病のシンクヘルスユーザーを対象に実施したアンケート回答者678名のうち、実際に中断したことがあるのは全体の16.4%でした。中断した要因は、1位:仕事が忙しい, 2位:治療が大変だった、3位:治療費が高かったという結果になりました。仕事との両立の難しさや、治療自体の負担、そしてそれに伴う経済的負担などから中断する人が多いことが分かりました。また、中断したことがない人のうち24.4%が中断したいと思ったことがあると回答。中断したいと思う要因としては、1位:治療が大変だった、2位:治療費が高かった、3位:治療の効果を感じられなかったからという結果になりました。糖尿病の治療は長期にわたることが多いため、治療に伴う負担や費用に加え、治療効果が見えないことなども治療を中断したいと思う心的な要因になっていることが分かりました。

治療再開者のきっかけは「健康診断」での指摘や「合併症の出現」

治療を中断したことがあると回答した人のうち現在は再開している101名を対象に、治療再開のきっかけについて聞いたところ、糖尿病が悪化し「合併症状などの自覚症状」が出現したことと、「健康診断で受診を勧められた」が主な治療再開のきっかけになっていたことが分かりました。その他の項目では、別の疾患で入院した際や、受診した際に医師より指摘され、治療を再開したなどといった回答が多く見られました。

 

医療機関への受診や治療効果が実感できることがモチベーションに

アンケート回答者678名を対象に治療のモチベーションについて聞いたところ、半数以上が「医療機関の受診」と「治療の効果を感じた時」がモチベーションになっていると回答しています。(左図参照)そのほかにもシンクヘルスアプリのような、日々の様々な記録を一括管理したり、自動でグラフ化することで経過を見える化するデジタルツールもモチベーションにつながっていることが分かりました。自由回答では、周囲のサポートの他、寛解する可能性が最新の研究で発表されたことや、合併症になりたくないという不安などが回答として複数見られました。

アンケート概要
実施日:2024.02.08~2024.02.13
回答者数:678
調査対象:2型糖尿病の治療中の男女
実施方法:シンクヘルスアプリ内にて、ウェブアンケート調査
※アンケート回答者の内訳(年齢・罹患率・治療方法)などその他詳細データについてはお問合せください。

 

医療法人 南昌江内科クリニック糖尿病専門医・一般社団法人 南糖尿病臨床研究センター センター長
前田 泰孝先生

糖尿病の治療中断は、合併症などの健康問題とそれによる経済的負担を引き起こすことが多くの研究によって示されています。最近のシンクヘルスの調査結果によると、全体の16%が自己判断で治療を中断したことがあり、中断していない人の約25%も中断したいと考えたことがあることが明らかになりました。主な中断理由としては、「仕事が忙しい」「治療が大変」「治療費の負担」が挙げられています。また、治療再開のきっかけとしては、「健康診断の受診勧奨」と「合併症の出現」が約80%を占め、治療のモチベーションは、「医療機関への受診」、「治療効果の実感」、「デジタルツールの使用」により高まることが分かりました。この調査結果は、糖尿病治療の継続における課題とその解決に向けた可能性を浮き彫りにしています。特に、糖尿病に関する健康情報の記録をサポートするスマートフォンアプリなどのデジタル技術の活用は、患者自身のセルフケア行動の変容を促し、忙しい日々の中でも治療を続けやすくする手段となり得ます。糖尿病の治療中断がもたらすさまざまなリスクと、治療継続のために何ができるのかをよく理解し、患者一人ひとりに合った支援を提供することが、医療者とケア提供者だけでなく、社会全体の責任ではないかと考えます。
*前田泰孝先生のプロフィールはこちら:https://health2sync.com/ja/post_editor/yasutaka-maeda/

 

内科認定医・糖尿病専門医
古賀萌奈美先生

多くの糖尿病は自覚症状がないため日常生活への支障も少なく、治療効果も血液検査をしてみないと分からないことが多いです。そのため治療継続意欲を維持するのが困難な病気の一つであると思います。ただ、糖尿病合併症の中には網膜症による失明や維持透析が必要な末期腎不全、脳梗塞による麻痺など一度発症してしまうと改善が困難なものが多くあり、失明や透析に至った患者の治療中断率は、それらがない患者の3倍であったという報告もあります。糖尿病悪化によるインスリン治療や合併症併発は医療費の増大にも繋がります。男性や若年者、一人暮らしなど家族のサポートが乏しい患者での受診中断率の高さも指摘されており、デジタルツールなどを活用し、モチベーションの維持できるしくみを自分の生活スタイルに合わせて構築することが大切です。
*古賀萌奈美先生のプロフィールはこちら:https://health2sync.com/ja/post_editor/monami-koga/

 

糖尿病治療におけるデジタルサポートツール:シンクヘルスアプリ

シンクヘルスなどのアプリケーションを使用すると、糖尿病治療に必要な血糖値、体重などのデータや食事、運動、服薬といった記録を様々なデータを一つのアプリでまとめて記録することができます。データを自動でグラフ化したり、入力されたデータをもとに変化があった際にお知らせしてくれるので、入力したデータを比較したり、客観的に見ることで自身の変化を把握することができます。
*シンクヘルスアプリの詳細はこちら:https://health2sync.com/ja/services/sync-health-app/
*紹介記事はこちら:https://health2sync.com/ja/blog/app-introduction-1/

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