Interview

生活習慣の悩みを心の面からサポート。ヘルステックベンチャーで臨床心理士として働くこと。

臨床心理士
石倉さん

2023.06.13

シンクヘルス株式会社は「生活習慣における行動変容を促し皆が健やかに生きる」を理念に掲げ、ITの力で人々の健康管理をサポートするヘルステックベンチャーです。健康状態を記録し、体調の変化を即座に把握できる糖尿病患者向けアプリ「シンクヘルス」と医療従事者むけの「シンクヘルスプラットフォーム」を中心に健康に関わる様々な事業を展開しています。
今回は、病院やクリニックでの勤務を経て、臨床心理士としてシンクヘルスのプログラム策定に関わる石倉にインタビュー。シンクヘルスに入社したきっかけや、双子の育児と仕事の両立について話を伺いました。

中学時代の先生がきっかけで
臨床心理士の仕事に興味を持つように

これまでの経歴について教えてください。

大学院を卒業した後、地元の茨城県にある精神科病院に就職し、臨床心理士として勤務しました。その病院では主にうつ病や不安障害を患った患者様のカウンセリングやグループでの疾患教育、うつ病患者に対する復職支援のリワークなどの業務を担当していました。
3年ほど勤務をした後、結婚をきっかけに上京し精神科クリニックに転職しました。クリニックでは約6年ほど勤めたあと、2023年の1月にシンクヘルスにジョインしました。

臨床心理士になろうと思ったきっかけについて聞かせてもらえますか?

中学生の頃に、保健室にいた養護教諭の先生やスクールカウンセラーの方に出会ったことがきっかけです。最初はそんな仕事があるのかくらいだったのですが、「なぜ人はこう考えるのか、なぜこの行動を取るのか、」といった心理や行動への関心はずっと持っていました。また、中学の頃に見ていた医療ドラマに憧れを抱いて、医療業界に関心が向くようになりました。ちょうど高校生の時にスクールカウンセラーの方の話を聞ける機会があり、その時に初めて臨床心理士の資格を知りました。
臨床心理士は医療、教育、産業など、幅広い領域で活躍していて、次第に憧れを抱くようになりました。将来は臨床心理士として仕事がしたいと考えるようになり、資格が取れる大学院を見越して進路を決めていきました。

前職のクリニックではどのように働いていましたか?

うつ病を患っている患者様のカウンセリングや、復職支援の仕事がメインでした。具体的にはうつ病や適応障害でお休みしている方々がスムーズに仕事に復帰できるようにリワークデイケアを行い支援をしていました。具体的にはストレスの付き合い方やコミュニケーションの取り方を、それぞれにあった認知行動療法を用いて伝えたり、自分を振り返るためのレポートを一緒に作成していました。

治療だけでなく予防がしたい。
悩んでいた頃に訪れた子育てと仕事の両立の壁

転職をしようと思った理由を教えてください。

6年勤めて、復職支援の仕事にも慣れてきた中で、治療ではなく予防の段階から介入したいと考えるようになったことが大きな理由です。クリニックや病院の場合、どうしても病気になってからでないと介入や支援ができず、もっと早い段階から支援ができていればと感じることも少なくありませんでした。体調を崩す前の段階で患者様の支援ができないかとぼんやり考えていた頃にちょうど産休・育休を取りました。そして仕事復帰をした時に子育てとの両立の壁にぶつかることになりました。
双子の子育てをしながら職場復帰をしたのですが、保育園に預けても交互に風邪を引いてしまったりと仕事を早退せざるを得なくなることが増えました。病児保育も利用していましたが、クリニックも小規模だったため同僚や患者様にも迷惑がかかってしまい、自分自身も思うように仕事ができないことにもどかしさを覚え、働き方の面でも転職を意識するようになりました。

シンクヘルスはどのようにして知りましたか?

元々転職の軸としては、子育ての両立のために働き方に柔軟性があることを重視していました。その上で、最初に抱えていたような予防的な観点で関われること、産業系の分野で臨床心理士として働ける企業を探していました。いくつか求人サイトに登録していた中で、たまたま臨床心理士を募集していたシンクヘルスのページを見つけました。

入社の決め手は何でしたか?

シンクヘルスなら柔軟な働き方を実現できるだけでなく、関心を持っていた身体疾患とメンタルヘルスの領域で自分の経験を活かして働くことができると感じたからです。私は元々大学の卒業論文のテーマで「糖尿病患者様の不安に関する研究」をしていました。また、大学院では食べ過ぎや早食いなどの食にまつわる行動の変容を心理学的に支援する方法の研究をしていたので、シンクヘルスの事業である糖尿病領域は私にとっても関心の高い分野でした。
もう1つの決め手は、子育てをしながら働く状況を理解し尊重してくれたことです。どうしても子供が風邪を引いた時は仕事をお休みしないといけないので、面接時に「急なお休みをお願いすることもあると思います」と正直にお伝えしたのですが、それでも全く構いませんよと言っていただけました。子育てをしながら働けるだろうかと不安を感じていたので、その言葉を受けてとても安心できました。

臨床心理士として、糖尿病患者が
治療に前向きになれる心のサポートを行う

現在の仕事について教えてください。

現在は主にチームメンバーの管理栄養士の方々が糖尿病重症化予防プログラムを利用されている方との面談を行った後に送るメッセージに添えるメンタルヘルス系のコンテンツの資料作成や、オウンドメディアでのブログの執筆を行っています。また、プログラムを利用される方の中で、元々治療への関心が低い方達に対して私が臨床心理士として最初に面談し、治療への関心や気持ちを高めるための仕組みの導入企画を行っています。

不安に感じられていた子育てとの両立に関してはいかがですか?

シンクヘルスに入社して、出社かリモートかと働き方を選べるようになったことで、かなり両立しやすくなりました。本当にありがたいです。フレックス制度も取り入れているので、子供の通院のために夕方早めに抜けさせていただいた後、夜また作業するような働き方ができるので、柔軟な働き方を実現できていると感じています。前職ではデイケアをメインに行っていて対面以外の選択肢がなかったので、今はとても働きやすいです。

大変に感じることはありますか?

リモートワークのデメリットになっていることだと思うのですが、対面に比べてコミュニケーションが取りづらいことが大変でもあり、課題だと感じています。これまでオフラインでのコミュニケーションに慣れていた分、例えば質問したいことがあってチャットで質問をしても、相手が忙しくてなかなか返事が来ない時にどうしようかと考えることもありました。
ただ、入社前からリモートワークになったら対面よりもコミュニケーションに工夫が必要だろうと考えてはいたので、早めに連絡しようとか、情報を自分で取りに行けるように行動することを心がけています。
また、医療の業界からIT業界にきたので、専門用語やツールといった、情報量の多さに最初は圧倒されていました。今は自分のペースで仕事ができるようになりましたが、最初は覚えるのに苦労したことを覚えています。

現在の業務でやりがいを感じられることはありますか?

今は糖尿病を患った患者様を対象としてますが、なかなか思うように症状がコントロールできない辛さや、長い期間病気と付き合っていくことの精神的負荷へのケアは精神疾患に対するメンタルヘルスケアと共通するものがあると気づきました。
これまでの精神科医療の領域で勉強してきたことや、産業系の領域で身につけてきたスキルが活用できた時にやりがいを感じます。一方で、糖尿病患者様特有の悩みがあることも感じているので、臨床心理士としてどのように不安と一緒に向き合っていきたいです。

これから取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

臨床心理士として、社内のコミュニケーションをもっと活性化させたい思いがあります。管理栄養士さんや運動指導士さんなどの専門職の方々とのコミュニケーションを活性化&円滑にし、1つのチームとして糖尿病患者様の生活を総合的に支援していくという形を目指したいです。

自分に合った働き方を選んでも、
キャリアの実現のためにできることはたくさんある

実際に働いてみて、どんな人がシンクヘルスに向いていると思いますか?

シンクヘルスはベンチャー企業ならではの部分もあるので、自分で発信ができて、自分で情報を取りにいけるような自ら動いて関わることが楽しいと思える人が向いていると思います。
ただ、メンバーは相談したら親身になって話を聞いてくれる優しい方ばかりなので、困ったら質問すれば助けてくれるのもシンクヘルスの魅力だと思います。なので、自分から行動していきたいという気持ちがあるけど、今はなかなかできない、という方でも助けてくれる環境はあることはお伝えしたいです。

最後にシンクヘルスへの入社を考えている方達にメッセージをお願いします!

働き方でキャリアを諦めない方がいいと思います。正社員でも契約社員でもパートでも、自分に合った働き方でも仕事をさせてもらえる会社は必ずあります。例え限られた時間の勤務であっても、貢献できることはありますし、自分のキャリアを伸ばしていくこともできると私は感じています。
私自身、シンクヘルスに入社したことで、育児も自分のキャリアも諦めない働き方を実現できたので、興味のある方はぜひ応募いただけるとうれしいです!