あそか病院は、東京都江東区住吉駅近くに位置し、254床の入院病床を有する総合病院です。地域とともに歩み、地域から信頼される病院として、より高度で、より心あたたかな医療を追求されています。
今回は、シンクヘルスプラットフォームを用いて糖尿病患者さんの診療を行っている、糖尿病専門医の玉澤敦子先生にお話を伺いました。
※本記事はダイジェスト版です。
シンクヘルス導入の導入後の効果
シンクヘルス導入前の課題を教えてください。
シンクヘルス導入以前は、リアルタイムに血糖値などの値を知るものを採用していませんでした。外勤先ですと、メーカーさんの提供しているシステムなどで血糖測定の一覧や平均値、グラフなどを確認できるものがありますが、当院でリアルタイムにデータを知ることが出来たらいいなと思っていました。
実際にシンクヘルスを導入してみていかがですか?
効率化につながったと思います。データをリアルタイムで知ることができるので診療時間の短縮になりましたし、正確なデータを把握できるので患者さんの状況も分かりやすくなりました。
院内での実際のご活用について
診察のどのような場面でシンクヘルスをご活用頂いているかお伺いできますでしょうか?
診察時に血糖値や血圧をシンクヘルスで確認しています。
当院では、診察前にクラークがシンクヘルスのデータを印刷し、主に糖尿病の患者さんの血糖管理で使用していますが、血圧の記録に使用している患者さんもおられます。
高血圧の患者さんに【自己管理や診察時に役立つ】ことを説明しますと、血圧の記録をすることを主な目的として積極的に利用されています。
また、数値を記録をすることが習慣になってくると、数値を入力し、結果を振り返ることにも活用できます。例えば「分析」の画面。この画面では入力した測定結果の平均値データが表示されるので、日々の健康状態を管理するのに役立ちます。
診察時にはプラットフォームに表示されているデータを一緒に見ながら、数値の解説や新しい薬剤追加の理由の説明やアドバイスをしています。
※本事例の内容を詳細にお話しいただいている「完全版」はこちらからダウンロードいただけます。
アプリがなかった時には、自分でデータをエクセルに入力し表にされる方もいらっしゃいましたが、アプリを使い、手間をかけずともきれいな表として閲覧できるので、患者さんの負担も軽減できます。
スマートフォンのアプリを使い慣れている若年層〜中年層の世代からすれば、日々の測定値がきちんとした形で保存され、それをすぐに確認できるという”手軽さ”が自己管理の励みに繋がるのではないでしょうか。
手帳記録からアプリに変えたことでメリットに感じていることはありますか?
低血糖や高血糖などをすぐに見つけられるようになりました。手書きの場合、少し読みにくかったりすると低血糖を探すのに時間がかかっていました。シンクヘルスアプリに記録してもらうようになってからは、プラットフォームできれいなデータを抽出できるので一目で分かります。悪い数値を抜いて良い数値のみ記載するといった方も一部いらっしゃいましたので、そういう意味でも、正しいデータを把握できることはメリットだと思います。
ご高齢の方にもシンクヘルスアプリをご案内されていますか?
はい、していますよ。スマートフォンを持っていて、使いこなせている方には案内しています。
ただ、お年を召した方はアプリでの記録に自信がない方や、長年手帳に記録する習慣がある方も多いので、アプリと手帳の両方に記録していただいているケースもあります。その場合は、もちろん手帳にも目を通してます。
若い方はもちろんアプリのみで記録している方がほとんどです。
介護をしている家族の方にもお使いいただいているとのことですが、具体的にどのようにご家族にサポート頂いているかご教示いただけますでしょうか?
外来に高齢糖尿病で認知症の患者さんがおられます。患者さんは、自己血糖測定の手技は習得可能だったため、測定はご本人が行います。しかし血糖値の記録を忘れずにきちんとすることが難しいため、お嬢さんがお父さんの代わりにご自分のスマホを使い、Bluetoothでアプリにデータの同期を行うようにしました。
診察には働き盛りのお嬢さんは同席できないことが多く、普段は患者さんお独りで受診されますが、治療内容の変更や注意点などをご家族にもお伝えしたい場合もあります。そこでアプリを使って、お嬢さんに「2単位増量してください」という内容をメッセージで送ります。こういった環境にある患者さんの外来治療をする上でも、シンクヘルスはとても役立っています。
ちなみにこの患者さんは、初診時HbA1c 10%程度だったのですが、最初はインスリン注射を、後にビクトーザ(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)を、出勤前のお嬢さんに打ってもらうといった工夫をし、結果的にHbA1c 6%台に改善していきました。
インスリンの場合、患者さん本人が十分に理解し、実際にインスリンの減量がなされているのか、アプリを利用する前は確認しようがない状況でした。シンクヘルスを導入することで、リアルタイムに数値の把握ができ、安心することができました。
つまり、ご家族が受診には付き添えないような働き盛りの世代でありながら、患者さんの介護をしているというご家庭への解決策として、より活用できるのではないかと考えます。
患者さんへのアプリの紹介について
シンクヘルスはどのような患者さんにおすすめされていますか?
SMBGをやっていてスマートフォンを持っている患者さんには、基本皆様にシンクヘルスアプリをご案内しています。スマートフォンの電話機能しか使用していない方やらくらくホンを使用している方はアプリの導入が難しい場合がありますが、それ以外の場合は問題なく導入できることが多いですね。
ほとんどが糖尿病の患者さんですが、高血圧や脂質異常症の方などにもご案内しています。
今後の展望
今後、シンクヘルスのご活用を広げていかれたい領域などございましたらお教えください。
オンライン栄養指導での活用を検討しています。シンクヘルスを使えば、患者さんが実際に食べた食事の写真を見ながら指導できるので、オンラインでも質の高い栄養指導ができるのではないかと期待しています。現在は、オンライン栄養指導でも加算が取れるようになりましたし、患者さんがご自宅で栄養指導を受けられるので医療機関にとっても患者さんにとってもメリットがあると思います。
※本事例の内容を詳細にお話しいただいている「完全版」はこちらからダウンロードいただけます。