愛知県名古屋市港区に位置する病院です。中島部長を中心に血糖コントロールを行うだけでなく、全身管理を目指し患者さんの個々人の問題点に即した治療を目指しています。
病院全体に糖尿病療養指導士が約20人活動しており、糖尿病療養チームでの患者さん指導に力を入れています。また早期からオンライン診療を取り入れており、シンクヘルスもオンライン診療の際にお役立ていただいています。
今回は、糖尿病内分泌内科・部長の中島英太郎先生にお話を伺いました。
オンライン診療に取り組まれている背景を教えてください。
中部ろうさい病院は、国の働き方改革の一貫として、仕事と治療の両立の支援を行う病院という位置づけです。約5年前から職場と病院(主治医)が連携し治療を進める実証事業(モデル事業)を行ってきました。
その中での課題は紙ベースでは時間かかることや、若年層での治療脱落が多いことなどがありました。2018年度から2年続けて、総務省と遠隔医療協会からオンライン診療の実証事業への参加リクエストがあり、2018年の4月からオンライン診療を開始しました。
オンライン診療にシンクヘルスプラットフォームを併用しようと思われたきっかけは何でしょうか?
2018年度の1年間オンライン診療実証事業を実施した中で出てきた課題に、医療の質の担保がありました。その解決策として、2019年度の実証事業ではオンライン診療とPHR(personal health record)の同時活用を試みました。
オンライン診療のメリットは何でしょうか?
患者さんよりいただいたアンケートに多くあるよう、「時間的な、体力的な点で非常に楽だ」という点です。通院の手間や待ち時間がないですからね。スマートフォンアプリの操作の部分は、当院の患者さんは皆さん仕事をしている就労者なので、あまり足かせになりませんでした。
一方医療従事者側のメリットはコロナ対応ができたこと。診療報酬があまりにも見合ってないので、その部分は今後の課題ですね。
オンライン診療にシンクヘルスを併用することのメリットを教えてください。
シンクヘルスのようなPHRを併用することで、患者さんの日々の生活が遠隔でも”見える化”される。これは栄養指導、療養指導に大きなメリットがあります。
オンライン診療をPHRなしでやると、「体調にお変わりありませんか?」という問に「変わりませんよ」の返答で、患者さんと3秒の会話だけで診察が終わってしまうことがあります。
このような内容では、診療の質は明らかに落ちる。それに比べればオンライン診療+PHRを活用するということは、かなり診療の質を担保できるのではないかと思います。