うるうクリニック港南台は横浜市港南区、港南台駅近くに位置し、糖尿病と甲状腺疾患をメインに内科全般の診療を行っています。患者さんひとりひとりの価値観に寄り添った診療を心掛け、地域にも潤いを届けられるようなクリニックを目指しています。
今回は糖尿病専門医でいらっしゃる長田 潤院長にシンクヘルスを活用したクリニックの経営効率向上の取り組みについてお伺いしました。
※本記事はダイジェスト版です。
シンクヘルス導入に至った経緯と導入後の効果
数あるデジタルツールの中で、シンクヘルスを導入したきっかけは何でしょうか?
当院ではデジタルツールを活用して、経営効率の向上や業務効率化に取り組んでいます。
そのような中で、シンクヘルスは、血糖値や血圧などの臨床指標管理のセルフ化、患者さんとのコミュニケーションの効率化、院内スタッフ間のタスクシェアをする上で使えるツールだと思ったからです。
シンクヘルスは患者さん自身で臨床指標を管理できるだけではなく、それをクリニックでも同時進行で閲覧できるので、患者さんとのコミュニケーションがスムーズになります。さらにそのデータを院内スタッフで共有して、タスクシェアできる点もいいですね。
シンクヘルスを導入して業務効率が改善した点などをお聞かせください。
特に、コミュニケーションの非同期化とタスクシェアという観点でとても役に立っています。
シンクヘルスを導入してからは、メッセージ機能を使って患者さんとコミュニケーションを取っています。テキストコミュニケーションでは、同じ時間に同じ空間に居合わせなければいけないという制限がありません。そのため、患者さんもクリニック側も時間を有効に使えるようになったと感じています。
また、患者さんとのやり取りをテキスト化することで、より多職種での対応がしやすくなりました。メッセージの内容は送信する前にお互いに確認し合えるので、チームで文章をつくって対応しています。
※本事例の内容を詳細にお話しいただいている「完全版」はこちらからダウンロードいただけます。
実際の活用について
日々の診療のどういった場面でメッセージを使用されているのですか?
診察でお話しした内容の補足説明や、患者さんの状況に応じて、「血糖値がだいぶ良くなってきましたね」などのメッセージを送ることがあります。また、患者さんから質問がくることもありますので、内容に応じて医師やスタッフが対応します。
他には、検査結果をメッセージ機能で送ることもあります。今までは検査当日に行う迅速検査の結果を手書きにして渡していましたが、それはどこかに保管されるわけでもなく、「渡したらそのまま」という状況になっていたと思います。具体的にはHbA1c、グルコース、尿検査、甲状腺ホルモンの値など、その日に結果で出ていたものは手書きをやめてシンクヘルスで送っています。メッセージ機能では文章だけでなく画像の送受信もできるので、過去の検査結果を知りたい患者さんにはデータをスキャンした画像を送っていますが、それも好評です。
※検査結果をプラットフォームから入力できる機能が追加されました。
貴院のタスクシェア(先生以外のスタッフの対応)は活用のコツだと思うのですが、具体的なタスクシェアについて教えてください。
例えば、メッセージで予約の変更に関する質問が来たときや、事前に患者さんが保険証の画像を送ってくれたときなど、医療の専門知識が必要ない内容の場合は、一般事務員さんを含めた医師以外のスタッフが対応しています。患者さんの中には外国の方もいらっしゃって、今まで電話で予約の連絡をくださっていたのですが、その方の対応は英語ができる人に限られていました。しかし、シンクヘルスを使ってもらうようになって、コミュニケーションがテキスト化し、翻訳を使えるようになったので、誰でも対応できるようになりました。
その他にも、1型糖尿病の患者さんで毎月来院する前に、インスリンの在庫をメッセージで教えてくれる方もいます。スタッフが予習カルテを作成する段階でこれらの情報を反映させてくれているので、私たち医師は診療に集中できていますよ。
実際の糖尿病治療でのシンクヘルスの活用方法についても教えてください。以前はどういった課題があって、導入後はどう変化しましたか?
以前はインスリン導入時に、患者さんが自宅で低血糖を起こさないか心配でした。そのため、最初の診察後1~2週間で再来院してもらっており、患者さんにとっても負担だったと思います。
シンクヘルスを導入してからは、患者さんの血糖値や服薬状況を遠隔で確認できるので、来院回数を減らすことができました。
インスリンを導入する際にSMBGも導入しますが、同じタイミングでシンクヘルスも紹介します。シンクヘルスは血糖測定器と連携することができるので、血糖測定器の連携も説明時に行っています。初回の診察時はインスリンやシンクヘルスの説明など重要なポイントのみを説明します。その後、療養指導をして、次に来院してもらうのは1か月後です。
来院は1か月後ですが、在宅で療養指導やインスリンの調節までどんどん行っていきます。初回の診察時に説明しきれなかったことを、シンクヘルスのメッセージ機能を使って補完していくこともあります。また、患者さんがメッセージを使って質問をしてくることもあるので対応していきます。その中には、食事療法に関する質問や疑問もありますね。その場合は、栄養士が対応したりと、内容に応じて多職種で患者さんのケアをしています。また、患者さんとのやり取りの内容はプラットフォーム上に記録されるので後から確認できる点も良いです。
貴院では血糖測定器だけでなく、インスリンデバイスとの連携も増えてきていると伺いました。実際にご活用されている例がありましたら教えてください。
2型糖尿病の患者さんでCIRを使ってインスリンのタイトレーションをしている方に使っていただいている事例があります。
血糖値をモニタリングしながら、インスリン量を調整したい場合に、実際に何単位打っているのか固定していない方だと、投与単位数をしっかり聴取しなければいけません。CGMやSMBGだけだと、インスリンの単位数という重要な情報が抜けてしまうのですが、インスリンデバイスをシンクヘルスと連携すれば、患者さんが実際に打った単位数が可視化できます。そうするとボーラスの調整やCIRの適正化がしやすくなります。タイトレーションがより正確にできるようになったと感じています。
患者さんへのアプリの紹介は大変ではないですか?
はい、もちろん対人でのサポートはそれなりに手間がかかります。
しかし、一度アプリを入れて必要な機器と連携できれば、その後、患者さんは血糖値を手入力しなくてよくなりますし、紙に書いたりする必要もなくなります。
クリニック目線で言えば、受付業務が自動化できます。シンクヘルス導入前は、受付で患者さんの血糖測定器から血糖値のデータを抽出するという作業がありました。シンクヘルスで血糖値を記録してきてもらうと、この作業が必要なくなります。対人でシンクヘルスアプリを紹介するのは、その時は大変でも未来の時間を生むので非常に重視しています。スタッフ自身も、患者さんがシンクヘルスを使ってくれると業務が効率化されるので、隙間時間を使って積極的に紹介してくれていますよ。
※本事例の内容を詳細にお話しいただいている「完全版」はこちらからダウンロードいただけます。
※メッセージ機能を用いた指導は医療行為には該当しません。また、保険算定にもお使いいただけません。