横浜市港南区、港南台駅近くのクリニックです。糖尿病と甲状腺疾患をメインに内科全般の診療にあたり、また糖尿病専門医でいらっしゃる長田 潤院長にインタビューを行いました。
患者さんの健康に対する価値観だけでなく、時間価値も最大化するためのスマートクリニックを目指しています。
プラットフォーム導入前、お困りのことはありましたか?
はい。1つ目は、タイトレーション時の低血糖予防です。糖尿病のクリニックなのでインスリンを使う患者さんも多く、その場合インスリンの初期導入の段階でタイトレーションこまめに行う必要があり、ご自宅で低血糖を起こさないか心配でした。
そのためシンクヘルス導入前は患者さんには負担かもしれませんが、最初の診察後1、2週間で再度来院してもらっていました。
2つ目は、検査結果のフィードバック方法についての課題です。検査当日に院内で行う迅速検査の結果を、手書きで患者さんにメモとして渡していましたが、それはどこかに蓄積されるわけでもなく、おそらく患者さんもすべて保管しているわけではないので、「渡したらそのまま」という状態になっていたと思います。
3つ目は、患者さんとのコミュニケーションのとり方について。患者さんとのより良い関係性を構築するために、コミュニケーション方法を改善したいと考えていました。

シンクヘルスプラットフォーム導入後、どのように院内での診療や、患者さんとのコミュニケーションが変わりましたか?
はい、先ほどの3つの課題で変化がありました。
1つ目のインスリン導入については、シンクヘルスのメッセージ機能を活用しています。インスリン導入の初期段階でタイトレーションをこまめに行う際に、患者さんがアプリ上で入力した血糖値やインスリン量のデータをプラットフォームで閲覧できるので、タイトレーションに役立ちます。
血糖値とインスリン量をより正確に把握し、遠隔でもタイトレーションの指導ができるようになりました。
どんな風に診療と組み合わせてシンクヘルスをご紹介していますか?
インスリン治療を始める患者さんに対して、インスリンの導入説明→血糖測定の指導→シンクヘルスアプリの紹介という流れです。シンクヘルス使用希望の方へはそのまま院内で導入のサポートまでしています。
クリニックの事務、栄養士、看護師など、全てのスタッフに導入サポートのスキルを教育しています。
アプリをご紹介した後は、どのようにご活用されているんでしょうか?
私が医療従事者用画面のプラットフォームで患者さんの血糖値を確認して、それをもとにアドバイスをしています。クリニックでの対面の診察と診察の間にどんどんインスリンをタイトレーションしていくような形です。
そうすると時間をかけずに(血糖値が)よくなっていくということを経験しまして、非常にいいですね。
シンクヘルスの導入は余計に時間がかかり、非効率という思いはありますか?
まったくありません。シンクヘルスでのやりとりがなければ、次診察に訪れた時に解決しなければいけないことが山積し、診察時間が10分15分と、長くなるはずです。
そうすると対面での診療で訪れる多くの患者さんを診察できないですよね。日中の診療をできるだけ効率的に、対面で患者さんに確認したいことや診ていきたいことを考える、そうではない時間をシンクヘルスを使って有効に使って診察時間を短縮できることに繋がる。
収益性がマイナスになるとは思っていないです。シンクヘルスプラットフォームを利用することで診察時間の効率化、短縮化につながっています。
先ほどもお話に出てきましたが、シンクヘルスを活用した、患者さんとの連絡のとり方について具体的に教えてください。
当院ではシンクヘルスのメッセージ機能を活用しています。
とてもいい使い方だなと思っているのは、院内の検査結果を患者さんへフィードバックする時に、メッセージにテキストを添付して送ってあげるというのをやっています。
これが患者さんから非常に好評ですね。外注の結果に関しては綺麗な検査レポートが来るのでそれをお渡してあげるのですが、院内の検査結果はレポートのフォーマットがないので、今までは手書きでなんとなく書いてお渡ししていたのをメッセージで送信するようにしました。
具体的にはHbA1c、グルコース、尿検査、甲状腺ホルモンの値など、その日に結果で出ていたものは手書きをやめてシンクヘルスで送っています。
メッセージ機能では文章だけでなく画像の送受信もできるので、過去の検査結果を知りたい患者さんにはデータをスキャンした画像を送っていますが、それも好評です。

患者さんとのコミュニケーションのとり方、また関係性はどのように変化しましたか?
シンクヘルスを導入したことで、患者さん側から自発的に思っていることを発信してくれる場ができたことです。患者さんが抱えている悩み事などを、メッセージでいただくことがあります。
患者さんと当院がつながっているメッセージ画面が、患者さんが言いたいことを言ってくれる場所として機能していると思います。
患者さんが我々に伝えたいことを言ってくれることで、クリニックに対する親近感が増したり、これまで以上に本音をいってくれるような関係になるのではないかと期待しています。
シンクヘルスでのこのようなやりとりは、当院と患者さんの関係性の構築に繋がると考えています。対面だとあまり言えないことを、シンクヘルス経由で伝えてくれることもありますね。
面と向かっては言いにくいけどメッセージでは言いやすいのだと思います。趣味の写真を送ってきてくれる患者さんもいて、クリニックとの関係が一歩前へ進むということもありますね。まさに、「コミュニティ的な機能」になっているのではないかと思います。
直近でのご活用例を教えてください。さらに今後はどのように活用したいとお考えですか?
直近は患者さんへのお知らせを一斉送信する機能と、電話再診での活用があります。
糖尿病教室開催のお知らせや、コロナウイルスの関連して発熱した場合の受診の注意などをシンクヘルスのメッセージ機能で、患者さんへお知らせしました。今後も発信していく情報があればまた使っていきたいです。
電話再診の際もシンクヘルスは有効に使えました。直近では、インスリン治療中の方の電話再診でシンクヘルスが役立っています。プラットフォームを見ると普段の血糖値の推移がわかるので、対面とほぼ変わらないクオリティで再診できますね。
遠隔診療においてシンクヘルスを併用することは有用だと思います。オンラインや電話の場合、触診や聴診ができないので、少なくともバイタルはチェックはしておきたいという思いがあります。
シンクヘルスがあれば相手がビデオ通話ができる環境がなくても、電話+シンクヘルスでバイタルがちゃんと見れるので、非常に助かりますね。
※メッセージ機能を用いた指導は医行為には該当しません。また、保険算定にもお使いいただけません。