疲れが取れない原因別対処法!疲れにくくなる習慣もご紹介

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師 石倉美希が担当しました。
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最近「寝ても疲れが残る」「午後になると一気にだるくなる」そんな状態が続いていませんか?
その疲れは、年齢や寝不足だけが原因ではなく、血糖値の乱れ・カフェイン過多・ストレス・自律神経の乱れ・睡眠の質低下など、生活の中に潜む要因が複数重なって起きていることが多いのです。
この記事では、疲れが取れない理由をわかりやすく整理し、今日からできる改善のコツと、疲れのパターンをつかむための記録の活用法までまとめて紹介します。
「なんとなく疲れやすい」を抜け出したい方は、どうぞ最後までお付き合いください。
目次
あなたの疲れが取れない原因はどれ?
疲れが取れないとき、寝不足が原因と考える人は多いことでしょう。しかし、寝ても寝ても疲れが取れない、というように、単なる寝不足では説明できないことも多いのです。
体調・生活リズム・ストレス・食習慣など複数の要素が重なり合うことで、回復力がじわじわ低下しているかもしれません。
まずは、あなたの疲れがどこから来ているのかを見極めていきましょう。
血糖値の乱れ
昼食後に強い眠気が襲ってきたり、午後の集中力が急に落ちる。その背景には、血糖値の急上昇と急降下が隠れているかもしれません。
健康な人でも食事で糖質を摂ると、血糖値は上がりますが、インスリンという血糖値を調整するホルモンが正常に働いていると、食後2時間程度で正常な血糖値に戻ります。
しかし、インスリンを分泌する力が低下して分泌量が減ったり、分泌するタイミングが遅れてしまうと、食後の血糖値が急上昇してしまいます。その後、急上昇した血糖値を下げようと、インスリンが多く分泌されるため、血糖値が急激に低下するのです。
こうした血糖値の変動は、眠気の原因にもなり、疲労感につながる場合があります。
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カフェイン頼りの悪循環
忙しい日は、コーヒーや栄養ドリンクでシャキッとさせないと体力が持たないと感じていませんか?
その効果が切れるころ、ついついまた手に取り、気がついたら結構な量を飲んでいたというのもよくあるお悩みです。
コーヒーや栄養ドリンクに多く含まれているカフェインは、一時的に脳を覚醒させ、シャキッとさせる作用がありますが、実は眠気を感じにくくしているだけなのです。
残念ながら、疲れの根本的な回復にはつながりません。
特に午後遅い時間のカフェインは、
・ 眠りの浅さ
・ 翌朝のだるさ
を招くため、翌日またカフェインに頼る悪循環が起こりやすくなります。
日本では、カフェイン摂取量の基準は明確には定められていません。しかし、海外の基準では、1日あたり400mg(コーヒーで4~5杯程度)までであれば、健康への悪影響は少ないと考えられています。
カフェインへの過敏性には年齢や体質などの個人差がありますので、飲む前にカフェインの量をチェックし、体調の変化を観察するのが大切です。
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自律神経の乱れ
自律神経とは、体のあらゆる機能をコントロールする神経で、活発に体を動かす交感神経と、体を休める副交感神経から成り立っています。
しかし、この自律神経はストレスや生活習慣、ホルモンバランスなどさまざま刺激に影響を受け、バランスを崩してしまうことがあります。
・ 理由のないだるさが続く
・ 肩や首がガチガチ
・ 寝てもスッキリしない
といった症状が続くときは、交感神経が働きすぎてしまっているのかもしれません。
体は休みたいのに、脳が「休むモード」に切り替えてくれないのは辛いですね。
また、私たちはスマホなどで、手軽に大量の情報にアクセスしています。その情報処理をするため、気づかないうちに脳はフル稼働しているのです。
常にスマホが手放せない、という方は脳の疲れから、自律神経の乱れが起きている可能性もあります。
自律神経の乱れは目に見えにくいものですから、普段の生活からどれだけ意識できるかが大切ですね。
慢性的なストレス
強いストレスだけでなく、小さなストレスが積み重なって蓄積するタイプの疲労もあります。
・ 会議や人間関係が気がかり
・ 家事や育児でずっと気が張っている
こうした日々の負荷は、体の内側で疲れの貯金のように積み上がり、ある日突然、どっと疲れが押し寄せることもあります。
また、仕事や家庭で多様な役割を担っていると、常にマルチタスクな状態である方が多いことでしょう。
マルチタスクによる疲労は、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールなどが増えることが研究で指摘されています(※)。
1つひとつは「こなすべき当たり前のこと」であっても、実は思っている以上の負担になっている可能性もあるのです。
睡眠の質の低下
疲れから回復する方法として、睡眠は何よりの手段です。しかし、「6〜7時間寝ているのに疲れが取れない」と感じるなら、睡眠の量ではなく質が落ちている可能性があります。
・ 就寝、起床時間がバラバラ
・ お酒で寝つく癖がついている
といった習慣があると、睡眠時間が確保されていても、疲れが取れないと感じる方が多いようです。
睡眠の質に影響を与える要因は上記以外にも、ストレスや寝室の環境、体や心の病気が隠れている場合もあります。
睡眠の質を高める工夫については後述しますので、ご自身のライフスタイルに合うものを生活の中に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
病気の可能性も
疲れが長期間続く、休んでも回復しない、息切れや動悸があるなどの場合、貧血・甲状腺の異常・睡眠時無呼吸症候群など、何らかの病気が隠れていることもあります。
いつもと違う疲れ方である、日常生活に支障があるほどの疲れが長期間続いている場合には、早めの受診が安心です。
疲労感を軽くする工夫

原因がわかったら、次は生活の中でできる改善に目を向けましょう。
疲れているときに、ハードルの高い行動を無理に取り入れようとする必要はありません。小さな工夫を積み重ねてみませんか。
血糖値の波を穏やかにする
食事の内容や食べ方、食後の過ごし方によって、血糖値の急上昇を抑えられます。
・ 夜遅い場合は、夕食を2回に分ける
・ 野菜やたんぱく質から食べ始める
・ よく噛んで食べる
・ 主食は白い炭水化物より玄米や全粒粉へ
・ 食後はウォーキングなどの軽い運動をする
食後の眠気や午後の疲労感が軽くなると、仕事も捗り、たくさんのメリットがありますね。
とはいえ、「血糖値なんて健康診断の採血検査でしか測定したことがない」という方も多いと思います。
1日の血糖値の変動を把握できる機器として、CGMという持続血糖値測定器があります。
主には、糖尿病のある方が血糖トレンドを把握するために使われますが、ネット通販などで自費購入することも可能です。
日々の疲労感の背景に、血糖値の波が関係しているかもと感じられる方は、一度血糖トレンドをチェックしてみるのもよいかもしれません。
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体を動かすことでリフレッシュ
座りっぱなしの時間が長いと血流が悪くなり、筋肉に疲労物質がたまりやすくなります。
運動が大切なのは理解していても、普段から運動習慣がなかったり、疲労が慢性化してしまっているときに、強度の高い運動を取り入れるのは難しいですよね。
そんなときにオススメなのが、「ながら運動」です。
・ デスクワークしながら腹式呼吸
・ 買い物袋を持ちながら肩の上げ下げ
など、運動のための時間をわざわざ作れないときに役立ちます。
また、疲れていると「ひたすら寝ていたい」と思う方が多いですが、体を横にしておくばかりでは、生活リズムが崩れてしまい、むしろ休み明けの疲労感が増すことも。
ストレス解消の視点からも、体を動かすことでリフレッシュとなり、活力を取り戻せますよ。
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脳を休めるデジタルデトックス
自律神経の乱れや脳の疲れが気になる方に、お試しいただきたいのが、デジタルデトックスです。
・ 通知をオフにする
・ SNSチェックの回数を減らす
など、主にスマホの使い方を工夫するだけでも、脳の興奮状態を落ち着かせることができるでしょう。
日中に取り入れると、集中力を高めるのに役立つと考えられます。また、寝る前に行うことで、睡眠の質を高めるのにもつながるでしょう。
ご自身の生活パターンに合わせ、取り入れやすいタイミングを見つけてみてくださいね。
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ストレスとうまく付き合う
生活している中で、ストレスをゼロにすることは難しいですが、溜め込みにくくしたり、うまく付き合う工夫はありますよ。
・完璧であることを手放す
・イライラしたら深呼吸でクールダウンする
・人と話して負荷を軽くする
・自分の心がリフレッシュする行動を見つける
特定の方法にこだわりすぎず、ストレス対処方法のレパートリーをたくさん持っている方が、心の柔軟性は高まります。
お気に入りの方法や、新しく試してみたい方法は、コーピングリストというリスト形式にしてメモしておくと、「疲れて何も考えたくない」というときに役に立つかもしれませんよ。
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質の高い睡眠で回復
忙しい人ほど、睡眠こそ最大の自己投資です。これ以上睡眠時間を長くするのは難しいという場合は、せめて満足度の高い睡眠を取りたいものです。
今日からできる睡眠の工夫としては、
・ 就寝直前の入浴は控える
・ カフェイン摂取は午後3時までにする
・ 寝る前のルーティンをつくる
などがあります。
寝る前の行動だけではなく、日中の過ごし方を見直すことで睡眠が大きく変わることもあります。
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記録から見える「疲れのパターン」

「疲れ」は感覚的なものですが、よくチェックしてみると一定のパターンを持っている場合があります。
・ 会食が続く週は、睡眠が浅い
・ ストレスがピークの日は心拍が上がっている
・ スマホ時間が長い日は、中途覚醒しやすい
こうした傾向は、自分では意外と気づきにくいものです。
そこで役立つのが、睡眠や食事・活動量などの記録です。
記録が積み重なってくると、
・ 何を改善すれば、疲れにくくなるのか
が見える化され、無駄なく体調管理ができるようになります。
疲れやすさをなんとなくの感覚で終わらせず、記録を活用して効果的な対策を見つけるヒントにしてみましょう。
まとめ
疲れが取れない状態は1つの原因で起きているわけではありません。
・ カフェイン頼りの悪循環
・ 自律神経の乱れ
・ 慢性的なストレス
・ 睡眠の質の低下
・ 病気の可能性
など、目に見えにくい要因が重なって起きている可能性もあります。
大切なのは、無理のない範囲で「できることから少しずつ」取り入れることです。
忙しい毎日だからこそ、睡眠・食事・行動などの記録を振り返ることで、あなた特有の「疲れのパターン」が見えてきます。
パターンを知れば、対策はもっとシンプルに、もっと効果的になるかもしれません。
疲れは体や心から出るサインでもあります。今日できるひと工夫から、明日の軽やかさを取り戻していきましょう。
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参考文献
Becker, S. et al.( 2022). Physiological stress in response to multitasking and work interruptions: Study protocol PLoS One. 8. 17(2)
農林水産省 カフェインの過剰摂取について
厚生労働省 健康づくりサポートネット 快眠と生活習慣
厚生労働省 こころと体のセルフケア



